本作は、2016年に矢田と山本が日替わりでジョバンニとカムパネルラを演じた宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」を、新たな台本・演出で立ち上げるもの。今回は、矢田がジョバンニ役、山本がカムパネラ役を演じ、紫吹淳が語り手のほか複数の役を担う。上演台本・音楽を新内多賀太夫、演出を彌勒忠史が手がける本作では、箏と笛の生演奏や、プロジェクションマッピングも取り入れられる。
開幕に際し、矢田は「8年前に一慶と共演した作品を、本や演出は変わっていますが、以前より大人になった感性で届けることができて良かったと思っています。見どころは歌ですね。2人で歌う楽曲が増えて幅が広がり、さらに紫吹淳さんとは久しぶりの共演で一緒に歌うことが毎回楽しみです」と語り、「とてもゆったり過ごせて、そしてしっとり楽しんでいただける作品になっています」と紹介する。
山本は「8年ぶりに矢田ちゃんとこの作品ができることが嬉しいです。お互いに声質も少しずつ変わってはいるはずなのに、前回と同じく彼の声がとても心地良い。僕が思う矢田ちゃんに対しての安心感や優しさをこの中に感じます」と話す。また山本も本作の見どころに歌唱を挙げつつ、「今回は紫吹淳さんに支えられ、3人ならではの魅力もいっぱい詰まっています。気軽に不思議な世界観を味わいにぜひお越しください」と呼びかけた。
紫吹は「最初お話をいただいた時は“語り手”だったので、本を開けてみたら何役もあって驚いたことを覚えています。語った瞬間に違う役になったり、しかも性別も超え幅広い役どころで、難しいと思いながらもそれがまた楽しみですし、私がやる醍醐味なのかと思います」と述べ、「今、大変な世の中になっておりますが、この作品が皆さまの“さいわい”となったら嬉しく思います」と語った。
上演時間は約1時間40分。公演は12月3日まで。
矢田悠祐コメント
8年前に一慶と共演した作品を、本や演出は変わっていますが、以前より大人になった感性で届けることができて良かったと思っています。前回は朗読劇でありながら動き回る演出でしたが、今回は純粋に僕たちの発する言葉に集中した演出になったので、大人の楽しみ方をしてもらえるのではと思います。
物語は輪廻転生や宗教のお話などいろんな要素が入っています。
子供は星座をめぐりワクワクして少し悲しい物語としてファンタジーに感じると思いますが、大人になって読んでみると人間の深い部分の描写があり、今回読み込むことで改めて面白い作品だと思いました。
見どころは歌ですね。2人で歌う楽曲が増えて幅が広がり、さらに紫吹淳さんとは久しぶりの共演で一緒に歌うことが毎回楽しみです。原作がとても有名なのでお話の流れはご存知かもしれませんが、しばらく離れていると、あれ?こんな話だった?ときっと違った印象が生まれると思います。
この機会にもう1度この作品に触れてみてください。とてもゆったり過ごせて、そしてしっとり楽しんでいただける作品になっています。ぜひ気軽に劇場に足を運んでいただければと思います。
山本一慶コメント
素敵なリーディング作品に仕上がりました。8年ぶりに矢田ちゃんとこの作品ができることが嬉しいです。稽古から劇場に入ってより思ったことは、お互いに声質も少しずつ変わってはいるはずなのに、前回と同じく彼の声がとても心地良い。カムパネルラとしてジョバンニとの友情を描きますが、僕が思う矢田ちゃんに対しての安心感や優しさをこの中に感じます。
今回の見どころのひとつに歌唱がありますが、和楽器の生演奏と歌は難しいです。でもハマった時にすごく心地良い響きになり、感情に寄り添う楽器であることを改めて感じました。
この作品の不思議な世界観は、何が起きているのかわからなくても僕はいいと思っています。
ジョバンニやカムパネルラの想いがほっこりと心に響いてくるのは、この物語が持つ魅力でもあると思うので、何も考えず聞いていただけたらと思います。今回は紫吹淳さんに支えられ、3人ならではの魅力もいっぱい詰まっています。文学作品ということでちょっとハードルを感じる方もいらっしゃると思いますが、気軽に不思議な世界観を味わいにぜひお越しください。
紫吹淳コメント
初日の幕を開けることができて、ほっと胸を撫で下ろしております。皆さまにはどう伝わったでしょうか。
最初お話をいただいた時は“語り手”だったので、本を開けてみたら何役もあって驚いたことを覚えています。語った瞬間に違う役になったり、しかも性別も超え幅広い役どころで、難しいと思いながらもそれがまた楽しみですし、私がやる醍醐味なのかと思います。
この作品はカムパネルラとジョバンニの友情から大きく広がって、アダムとイブを思わせる輪廻転生的なものであったり、ちょっと難しいですがリーディングにすることで入りやすいと思うので、楽しんでいただいて“さいわい”をお届けしたいです。
生演奏とプロジェクションマッピングの相乗効果でポロっと、綺麗な天の川のような涙が流れそうです。
個人的には「さそりの火」の所が印象深くて、私自身もさそり座なので、これは何か意味があるのかと感じています。宮沢賢治、没後90年というタイミングですが、友情や家族、人間にとって一番大切な根本となるメッセージが込められているからこそ、時を超えて語り継がれていく作品なのだと思います。
今、大変な世の中になっておりますが、この作品が皆さまの“さいわい”となったら嬉しく思います。
リーディング「銀河鉄道の夜」
2023年11月30日(木)~12月3日(日)
東京都 東京芸術劇場 シアターイースト
原作:宮沢賢治
上演台本・音楽:新内多賀太夫
演出:彌勒忠史
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