北九州芸術劇場クリエイション・シリーズ「イエ系」の製作発表会見が去る10月3日に福岡のJ:COM北九州芸術劇場 創造工房・稽古場で行われ、作・演出の
北九州芸術劇場クリエイション・シリーズは、同劇場とタッグを組んだアーティストがオリジナル作品を創作するシリーズ。第2弾となる今回は、松井が北九州に滞在しながら新作「イエ系」を立ち上げる。本作の舞台は、家族という共同体をつくることでさまざまな優遇措置が与えられる“再家族制度”が制定された、近未来の北九州。ばらばらの単身者たちが疑似家族としての認定を目指し、研修施設でトレーニングを受けているが、ある日、本当の肉親が訪れ「自分たちは捨てられた」と訴えてきて……。
松井は、“家族”をテーマに選んだ理由を「ずっと僕自身が持っているテーマの1つに家族がある。今まで、家族あるいは家や家制度についてすごく反発心というか、何か人を縛ってしまうものだと思ってきていて。そこから離れていくことを寿ぎたいじゃないけど、そういう自由ってあるよなと。一方で、今はSNSで個人対世界という状況がリアルに起きていて、そこで何かを主張したり、間違えると徹底的に晒される。個人情報や態度や過去、色々なことが完膚なきまでに叩かれるという中で、クッションになるような最小の共同体として『家族』がうまく機能したり、動物や虫がやる擬態のように天敵から自分を守る防御方法のようなものを人間が選ぶことができたりしたら、もしかしたら少し生きやすくなるのかもしれない。そんなことを考えて今回のテーマにしました」と話す。
また本作の出演者には、オーディションで選出された10名が名を連ねる。松井はオーディションを振り返り「物凄い緊張のなかこの方達は、なんていうか我関せずというか、自分の思っている、あるいは僕がディレクションしたことに対してどんどん変えたり楽しんだりする方達。それも自分なりのやり方で」と述べ、「僕の中では、いい意味で相当変な人たちです(笑)。何を考えているのか、何を面白いと思うのか、知りたくてしょうがなくなった人たちと一緒にやっているという意識があります」と語った。
出演者には
北九州芸術劇場クリエイション・シリーズ「イエ系」
2023年10月26日(木)~29日(日)
福岡県 J:COM北九州芸術劇場 小劇場
2023年11月4日(土)・5日(日)
東京都 東京芸術劇場 シアターイースト
作・演出:
出演:
※日高啓介の「高」ははしご高が正式表記。
ステージナタリー @stage_natalie
【会見レポート】テーマは“家族”、松井周が新作「イエ系」構想のきっかけ語る
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