上村聡のかみむら文庫、第2回は絲山秋子「末裔」 演出は山本健介

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かみむら文庫(2)「祈りの時代の終わり」が10月26日から29日まで、東京・音楽と珈琲 ひかりのうまにて上演される。

かみむら文庫(2)「祈りの時代の終わり」チラシ表

かみむら文庫(2)「祈りの時代の終わり」チラシ表

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かみむら文庫は上村聡が出会った“一冊の本”を上演する文庫。今回は絲山秋子の「末裔」を一人芝居として立ち上げる。市役所に勤める定年間際の男、富井省三は、家のドアの鍵穴がなくなっていたため街をさまよい歩き……。

演出を山本健介が担当。上演に際し上村は「『末裔』との出会いは数年前に遡る。書評家の五所純子さんがどこかで紹介していたのを目にし、気になって読んだのだった。読者の多くが思ったであろう感想をわたしもまた持った。これはわたしのはなしだ、と」とコメント。さらに「富井省三の黄昏を、かみむら文庫の彷徨を見届けていただけましたら幸いです」と来場者にメッセージを送った。

上村聡コメント

絲山秋子さんの小説「末裔」を上演台本用に編集し、約70分の一人芝居をつくりました。

舞台装置も音響も照明も最小限に抑え、この芝居の主役である絲山秋子さんの豊かで巧みで大胆な文章を味わっていただきたいです。

むかしから中年の物語に惹かれてきたわたしがいまやしっかり中年だった。この世に生を受けてから随分時が経ち、でもまだしばらく終わりそうな気配はない。そんな油断した、宙ぶらりんな時代。わたしもまたどっちつかずな状態をエンジョイしてないわけでもないが、突然なにかが終わってしまいそうでこわくなったりもする。

「末裔」との出会いは数年前に遡る。書評家の五所純子さんがどこかで紹介していたのを目にし、気になって読んだのだった。読者の多くが思ったであろう感想をわたしもまた持った。これはわたしのはなしだ、と。

わたしは作品のなかにわたしの分身を探す。わたしがどういう人間であるのかを、作品を通して確認するのだ。あるいは、登場人物と重なり合いながら物語のなかに生き、そうであったかもしれない人生を擬似体験しようと試みる。

人生は一度きり。時間は割と過ぎた。身体の随所にワビサビを感じているし、もう走れないしもう跳べない。そもそもどこに向かって跳べばいいのか。

俺は。俺は一体なにを。

雨の中、息子の勉強机の上で仁王立ちする富井省三ばりにそうおもう。富井省三の黄昏を、かみむら文庫の彷徨を見届けていただけましたら幸いです。

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かみむら文庫(2)「祈りの時代の終わり」

2023年10月26日(木)~29日(日)
東京都 音楽と珈琲 ひかりのうま

原作:絲山秋子「末裔」
演出:山本健介
出演:上村聡

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読者の反応

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上村聡 @KMMR77

情報掲載していただきました。ステージナタリー様、いつもありがとうございます!

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