上演に向けた意気込みを、鵜山は「奇妙な夢のように散りばめられた漱石作品の断片を足がかりに、この世界の矛盾と混乱を生き抜くための、息づかいや表情を望み見る、それが恐らく、この風変わりな戯曲を上演する意味だろうと考えています。さて、われわれの創造が一体どんな風景に辿り着くか、稽古場の冒険が始まります」とコメントした。
鈴木は「俳優として初めて取り組む井上ひさし作品、『吾輩は漱石である』。台本には台詞以外にも『時』『場面』『ト書』がとても明確に記されている。菊谷本店、三十分の死、漱石山房、これらの時間を登場人物全員で丁寧に編み込みながら、井上演劇を縦横無尽に闊歩して行けたらと思う。終幕間際、時空を越えて出現する『賢吉』との対面が漱石にとってどのような作用をもたらすのかも含め、今から全てが楽しみで仕方がない」、賀来は「私は、漱石の妻・鏡子さんと、『坊っちゃん』のマドンナと、あら? それに、もう一役?(笑)を演じさせていただきます。お客様に楽しんでいただけますよう、頑張ります!」と述べた。
なお、一部公演の終了後にはスペシャルトークショーが行われる。
鵜山仁コメント
修善寺の大患。文学史上に名高い、夏目漱石の臨死体験を入り口に、作者井上ひさしが手繰り寄せた不思議な時空。
生きることにつきまとうさまざまな煩いと、誰もまだ見たことのない「死」への不安。この両極に脅かされる、滑稽なまでに危うい生のバランス。
奇妙な夢のように散りばめられた漱石作品の断片を足がかりに、この世界の矛盾と混乱を生き抜くための、息づかいや表情を望み見る、それが恐らく、この風変わりな戯曲を上演する意味だろうと考えています。
さて、われわれの創造が一体どんな風景に辿り着くか、稽古場の冒険が始まります。
鈴木壮麻コメント
「吾輩は漱石である」への意気込みを書いている今、広島の紙屋町付近に滞在している。あの「さくらホテル」の人々の躍動する姿が去来する。
俳優として初めて取り組む井上ひさし作品、「吾輩は漱石である」。台本には台詞以外にも「時」「場面」「ト書」がとても明確に記されている。菊谷本店、三十分の死、漱石山房、これらの時間を登場人物全員で丁寧に編み込みながら、井上演劇を縦横無尽に闊歩して行けたらと思う。終幕間際、時空を越えて出現する「賢吉」との対面が漱石にとってどのような作用をもたらすのかも含め、今から全てが楽しみで仕方がない。
ぜひ、観にいらして下さい!
賀来千香子コメント
初めて「こまつ座」さんの舞台に出演させていただけます事を、光栄に思っています。漱石の深淵なテーマや、登場人物、文章を、軽妙洒脱にちりばめていらっしゃる御本に、しみじみ感動しています。この独特な味わいと、不思議な爽やかさが魅力的な井上先生の御本。そして、鵜山先生の緻密な演出によって、文豪・夏目漱石の“学び直し”が出来ます事に感謝しています。
私は、漱石の妻・鏡子さんと、「坊っちゃん」のマドンナと、あら? それに、もう一役?(笑)を演じさせていただきます。
お客様に楽しんでいただけますよう、頑張ります!
こまつ座 第145回公演「吾輩は漱石である」
2022年11月12日(土)~27日(日)
東京都 紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA
作:
演出:
出演:
下ノ畑二居リマス @shitanohatakeni
こまつ座「吾輩は漱石である」鵜山仁の新演出で上演、出演者に鈴木壮麻・賀来千香子ら https://t.co/KTe274GEVU