PARCO PRODUCE 2022「
「エレファント・ソング」は、カナダの作家ニコラス・ビヨンが2002年に執筆した作品。カナダ・モントリオールのインフィニシアターにて朗読形式で上演され、2003年から2010年にかけてモントリオールを中心に演劇として上演された。2014年には、グザヴィエ・ドラン主演により映画化もされている。劇中では、失踪した精神科医の担当患者マイケルと、病院長グリーンバーグによる心理戦が展開。宮田慶子が演出する今回の上演版では、主人公のマイケルを井之脇、グリーンバーグを寺脇、看護師のミス・ピーターソンをほりが演じる。
開幕に際し井之脇は「稽古を1カ月近くやってきて、今日初日を迎えることを嬉しく思っています。昨日までは緊張していましたが、今日劇場に入ってみたらワクワクのほうが大きく、マイケルとしてここできちんと生きられたらなと思っています」とコメント。また「マイケルを演じながら、僕自身が初主演でがむしゃらに一生懸命がんばる中で、同じように自分って何なんだろう、演技とは何だろうとたくさん考えた1カ月でした。まだ明確に答えは出てないんですけど、お芝居をしている中でマイケルが抱えている感情と、僕の感情がリンクするときがあって、もっと多くのその瞬間をこの本番中にも見つけていきたいと思います。映像と舞台とでは、また違ったお芝居の楽しさがあると思いますが、舞台では同じセリフを深めていったり、その日の役者同士のコンディションによって反応が変わったりするので、いろいろ追求していく過程に手応えがあるのでとても楽しいです。今後も機会があればじっくりお芝居と向き合える舞台をやれたら良いなと思います」と意気込みを語った。
寺脇は「最初に戯曲を読んだときは本当に面白いと思って受けたのですが、稽古に入ってみると、面白いけど深いし、そして怖い。我々が舞台上で気持ちにうそをついてしまうとすぐにバレてしまう。恐ろしい作品に手を出してしまったという気持ちです。なんとか嘘のない気持ちを、演出の宮田さんと一緒に作ってきましたし、この1カ月楽しくもある苦労をいくつもして、何度も壁にぶち当たりましたし、僕が今までやってきたお芝居の中の形式とは違うことを模索していました」と稽古を振り返る。井之脇については「感性でぶつかって来てくれて、僕も還暦は迎えましたが、二十代の頃のような新鮮な気持ちで芝居に向き合うことができ、その意味でとても素晴らしい座長です」と信頼を寄せた。
ほりは「普段は小劇場を中心に芝居をやっているのですが、3人しか出演しないというこのような作品に参加できてとても楽しんでおります」と喜びを述べ、宮田は「舞台は精神科の診療室で、出演は3人だけという、濃密な一言一言のキャッチボールにすべてがかかっている芝居です。現代に生きている多くの方がそれぞれ心の中に抱いている、フラストレーションや悩みが徐々に解き明かされていくように話が進んでいきます。濃密な3人のお芝居の中でその一つひとつが解き明かされていく様子を見ていただければと思います」と見どころを語った。
東京公演は5月22日まで東京・PARCO劇場にて。本公演はその後、25日に愛知・刈谷市総合文化センター アイリス 大ホール、28日に大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホールにて行われる。
PARCO PRODUCE 2022「エレファント・ソング」
2022年5月4日(水・祝)~22日(日)
東京都 PARCO劇場
2022年5月25日(水)
愛知県 刈谷市総合文化センター アイリス 大ホール
2022年5月28日(土)
大阪府 COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール
作:ニコラス・ビヨン
翻訳:吉原豊司
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NOBUHIRO MATSUZAWA @matsu__nobu
めちゃくちゃ演劇でした。 https://t.co/AYK9R2JcDz