独裁者の意味をかみしめて、劇団なかゆび「わが友ヒットラー」“revenge”公演

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劇団なかゆび Nakayubi.-12revenge「わが友ヒットラー」が、5月12日から15日まで京都・gallery Mainで上演される。

劇団なかゆび Nakayubi.-12revenge「わが友ヒットラー」チラシ表

劇団なかゆび Nakayubi.-12revenge「わが友ヒットラー」チラシ表

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これは、昨年8月に新型コロナウイルスの影響で中止になった公演を、“revenge”と銘打ち、行うもの。三島由紀夫の戯曲「わが友ヒットラー」を神田真直の演出で上演する本作には、劇団なかゆびの柊木樹、笑の内閣の髭だるマン、劇団速度の瀬戸沙門、そして増田知就が出演する。

上演に向け、神田は「名作とはいつどの時代でもアクチュアルに見えるからこそ名作である。だから『わが友ヒットラー』が今こそやるべきものだと敢えて言いたくはない。この上演を通じて、われわれが『わが友ヒットラー』を検証すると同時に、作り手だけでなく受け手も試されていると見なさなければならない。本作が単なるむかしものがたりになる日を、人類は目指すべきである。油断していては、足許を掬われる。バイデン大統領閣下が言う独裁者dictatorの意味を噛みしめてほしい」とコメントした。

神田真直コメント

公演中止の憂き目を見た。この時代でしか負うことができない疵を負うことに価値があったのだろうか。例えば、戦争を体験した世代の一部のように、場を弁えずにセンチメンタルな自慢話を延々と繰り返す〈彼ら〉のような地位を得たのだろうか。あるいは、60年代の学生運動家たちと多少の面識があるくらいで、さも生き証人のようなツラをする人々のような体験ができたのだろうか。

そんなことはどうでもいい。名作とはいつどの時代でもアクチュアルに見えるからこそ名作である。だから「わが友ヒットラー」が今こそやるべきものだと敢えて言いたくはない。この上演を通じて、われわれが「わが友ヒットラー」を検証すると同時に、作り手だけでなく受け手も試されていると見なさなければならない。本作が単なるむかしものがたりになる日を、人類は目指すべきである。油断していては、足許を掬われる。バイデン大統領閣下が言う独裁者dictatorの意味を噛みしめてほしい。

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劇団なかゆび Nakayubi.-12revenge「わが友ヒットラー」

2022年5月12日(木)~15日(日)
京都府 gallery Main

作:三島由紀夫
演出:神田真直

出演

ヒットラー:柊木樹
クルップ:髭だるマン
シュトラッサー:瀬戸沙門
レーム:増田知就

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劇団なかゆび @nakayubigeki

【掲載情報】

ステージナタリー様に『わが友ヒットラー』の公演情報を掲載していただきました。 https://t.co/QeeSN77Wla

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