ミュージカル「笑う男」再演、浦井健治が真彩希帆・熊谷彩春に厚い信頼「強力な2人」

ミュージカル「笑う男 The Eternal Love -永遠の愛-」の取材会が本日12月22日に東京都内で行われ、出演者の浦井健治、真彩希帆、熊谷彩春が出席した。

脚本をロバート・ヨハンソン、音楽をフランク・ワイルドホーンが手がけた本作は、ヴィクトル・ユゴーの小説をもとにしたミュージカル。2018年に韓国で世界初演され、日本では翌2019年に東京・日生劇場で初めて上演された。2022年公演では会場を東京・帝国劇場に移し、装いも新たに上演。翻訳・訳詞・演出を、前回に続いて上田一豪が担う。

浦井は初演から引き続き、幼少期に口を裂かれ、見世物として生きる“笑う男”グウィンプレン役を担当。また初出演の真彩と熊谷は、赤ん坊の頃グウィンプレンに命を救われた盲目の女性・デアをWキャストで務める。すでに台本の読み合わせや歌稽古を行っているという3人。現時点での感触を尋ねられた浦井は「山口祐一郎さんや石川禅さんといった先輩たちがカンパニーをケアしてくださり、大船に乗った気持ちで1人ひとりが役に取り組めていると思う」と語る。演出の上田からは、貧富の差や権力争いなどが描かれている本作をコロナ禍で上演するにあたって「悲しいかな、初演よりも再演のほうが心に響く」「今上演することの意味を考えさえせられる」という話があったそうで、「今だからこそ届けられるメッセージがあるのでは」と期待を口にした。

真彩は浦井の回答に「お話に感動して質問を忘れちゃった（笑）」とコメントして場を和ませつつ、初演を観劇した感想を「大感動、大号泣でした」「ラストのグウィンプレンとデアを観て、『ああー！』と思って！」と身振り手振りを交えて熱く話す、「本当に大好きな作品です」と作品愛を語った。熊谷は「絢爛豪華 祝祭音楽劇『天保十二年のシェイクスピア』」で浦井と共演した際に「笑う男」のCDをプレゼントされたと言い、「『笑う男』の音楽に恋しました。デアとして作品に関われるなんて、夢みたいです」と喜びをあらわにした。

演出の上田の印象を尋ねられた浦井は「ご自身もダンスや歌ができる方なので、プレイヤーの言葉をすぐ理解してくれる。だから稽古の進みも早く、そのぶんみんなのアイデアを聞いてくれるので、カンパニーが生き生きしています」と過去の稽古のを振り返り、「一豪さんについていけば大丈夫だな、と思わせてくださる」と厚い信頼を寄せた。

取材会では、それぞれが自身の役柄について話す場面も。真彩は「人間の本質が見えている人って、なんて強くて美しいのだろうと」とデアの印象を述べ、「大切なことは目に見えるものだけではありません。では何が大切かと言えば、人によって違うはず。デアとしての大切なものを、皆さんと一緒に見つけたい」と意気込む。熊谷も真彩の言葉にうなずきながら「目が見えないからこそ、デアは作品のテーマを象徴しています。まっすぐに演じたい」と言葉に力を込めた。

浦井はグウィンプレンを「『鬼滅の刃』に出てきそうなくらい、不器用だけどまっすぐ。周りを動かす力がある」と分析。続けて「グウィンプレンの成長過程は人生の縮図だと思う。ワイルドホーンさんの楽曲を歌うのはすごく大変ですが、歌を通じて物語を届けたい。この強力な2人と一緒にがんばります」と真彩、熊谷に視線を送る。これに対して熊谷は両こぶしを握るガッツポーズで、真彩は腕の筋肉を見せる“マッスルポーズ”を決めて浦井に応え、記者たちの笑いを誘った。

最後に浦井が「まだまだ劇場に足を運ぶことが怖い方もいらっしゃるかもしれませんが、対策を徹底してお待ちしています。舞台の間だけは夢を見ていただき、デアが考える“理想郷”を皆さんと一緒に劇場で描けたら」とあいさつし、取材会を締めくくった。

公演は2月3日から19日まで東京・帝国劇場、3月11日から13日まで大阪・梅田芸術劇場 メインホール、18日から28日まで福岡・博多座で行われる。