東京・あうるすぽっとが「みんなのシリーズ第五弾『能でよむ~漱石と八雲~』」を、「おうちで見よう! あうるすぽっと 2020夏」の一環として、劇場のYouTubeチャンネルでオンライン配信する。
「みんなのシリーズ」は、あうるすぽっとが子供から大人まで気軽に楽しめる企画を展開しているシリーズ。2017年からは日本の伝統芸能を軸に、多彩な演目を親しみやすい形で届けてきた。今回、オンライン配信される同企画では、ワキ方の能楽師・
本公演では、浪曲師の玉川奈々福が三味線と語りを、塩高和之が琵琶演奏を担い、怪異な文学の世界を彩る。また、「『吾輩は猫である』鼠の段」では安田が手話を織り交ぜて送る。なお、それぞれの演目の前には安田が作者、作品についての解説を実施。聞き手として木ノ下歌舞伎の
なお配信に先駆けて、収録日となる7月26日17:00からは安田と木ノ下が出演し、
安田登コメント
今回はオンラインでの配信になりましたので、声のもつ力や動きの面白さなどを充分に伝えることができないかもと思い、聞くだけでも面白い小泉八雲の「破られた約束」と、夏目漱石の「夢十夜」第一夜、「吾輩は猫である」から「鼠の段」をお届けすることにしました。
あ、面白いと書きましたが、「破られた約束」は小泉八雲作品の中ではもっとも怖いといわれています。小泉八雲の「怪談」は怪異な話という意味で怖い話ではないのですが、これは怖いです。
「夢十夜」の第一夜は、「夢十夜」の中でももっとも美しく幻想的な作品。そして、「吾輩は猫である」の鼠の段は、猫が鼠を獲ろうとして大奮闘する話。あの猫ですから、当然鼠に翻弄されて右往左往します。お楽しみに~!
玉川奈々福コメント
能楽師。琵琶奏者。浪曲師。日本の伝統芸能は案外縦割りで、横に交流することはあまり多くありません。この三つが、同じ舞台に立ち、同じ演目をコラボレーションで演じるということは、私は聞いたことがありません。それを、それぞれの身体技法、手法をゆずることなく、一つの物語に添わせていく。そのスリリングさは、演者にとって稀有なる経験です。それを、ご一緒に体験していただければと思います。
塩高和之コメント
大変な時代を迎え、日々の働き方や人間同士の付き合い方までもが変わらざるを得ない状況になりましたが、これが今後どのような社会、そして文化を生み出して行くのでしょう。もしかすると今、我々はそんな分岐点に立たされているのかもしれません。
このような中でアートやエンタテイメントは人間にとって、どのような存在なのか、我々舞台人の姿勢も問われてゆくことと思います。今回の配信で、改めて舞台の魅力を感じていただけたら嬉しいです。
木ノ下裕一コメント
コロナ禍での、私自身の一番の気づきは、家から出られない、人と直接会えない、もちろん劇場に行けない……という暮らしを余儀なくされていた人は、今回の疫禍以前から、ずっといたのだ、ということでした。障碍や持病で、あるいは家庭環境や引きこもりなど心的な理由で。そのような方々がいることを、わかったつもりになっていたなァと反省したりもしました。
去年はじめて、「みんなのシリーズ第四弾 『能でよむ~漱石と八雲~』」に拙いながらも司会として参加させていただいて、すっかりこのシリーズのファンになりました。子どもから大人まで、障碍の有無にかかわらず、あまねく人々に舞台芸術の愉しみを届けようとする「みんなのシリーズ」の居心地の良さは、演者と観客、個々の条件を尊重しながら“ちゃんと出会えている”という心強さからくるものなのかもしれません。少しの工夫と、両者に歩み寄る心があれば、ステキな出会いを果たすことができる。その“出会い”を劇場が作る。生か、モニター越しかは問題ではありません。ぜひ、“劇場”でお会いしましょう。
おうちで見よう! あうるすぽっと 2020夏「みんなのシリーズ第五弾『能でよむ~漱石と八雲~』」
リーディング公演 / オンライン配信2020年8月18日(火)~9月22日(火・祝)
出演:
聞き手:
2020年7月26日(日)17:00~
出演:安田登、木ノ下裕一 /
あうるすぽっと @owlspot
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