アメリカの作家リチャード・カリノスキー作の「月の獣」は、第1次世界大戦中に起きたアルメニア人迫害の実話をもとにした戯曲。今回は、2015年の日本初演時に演出を手がけた
栗山は開幕に際し、「人としっかりと向き合いぶつかり、どこまでも触れあい話し合うということ。歴史を簡単に消し去ってしまうこの呆れた嘘ばかりの時代の中で、この物語が少しでも私たちのこれからの魂の栄養になればと願っています」とコメント。
眞島は「4人の演者で作る、ある家族の限られた世界観の話ですが、そこにある普遍的なところをお客様に感じていただきたいです」と思いを述べ、岸井は「この年の瀬『月の獣』を観て、自分の中の家族の在り方をぜひ、探してみてください」と観客にメッセージを送った。
東京公演は12月23日まで行われ、本作はこのあと、25日に新潟・りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 劇場、28・29日に兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホールで上演される。
栗山民也コメント
自分で決めたことなのでしょうがないのですが、毎日の生活のほとんどが稽古場か劇場なのです。でもそれは演劇のために生きているというわけじゃなく、昨日よりも少しでもよく生きるために演劇は必要なんだ、と思っていたいからなのです。この作品の稽古をしながら、なぜかそんなことばかり考えていました。
それほどに、この劇からは人間の命や感情や運命、そして人々の「信じること」について、極めてシリアスにいろんな声が聴こえてくるのです。誰もが世界から必要とされているということを、この劇から知るのです。人としっかりと向き合いぶつかり、どこまでも触れあい話し合うということ。歴史を簡単に消し去ってしまうこの呆れた嘘ばかりの時代の中で、この物語が少しでも私たちのこれからの魂の栄養になればと願っています。
眞島秀和コメント
無事に初日を迎える事ができて感謝しております。
時代や歴史的な事件が背景にある中でも社会の基本にあるのは家族であり、夫婦であり、その中でぶつかり合ってそれぞれの形になっていく、というのがこの作品の魅力のひとつだと思います。4人の演者で作る、ある家族の限られた世界観の話ですが、そこにある普遍的なところをお客様に感じていただきたいです。
岸井ゆきのコメント
歴史ある紀伊國屋ホールの力を借り、「月の獣」の世界観も、稽古場の時より数段、濃いものになっていると思います。寒い日が続きますが、劇場は暖かくて、なんだか炬燵の似合うような匂いがします。
家族とは何か……圧倒的な答えがないのはどの世界でも同じだと思います。
この年の瀬「月の獣」を観て、自分の中の家族の在り方をぜひ、探してみてください。
「月の獣」
2019年12月7日(土)~23日(月)
東京都 紀伊國屋ホール
2019年12月25日(水)
新潟県 りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館・劇場
2019年12月28日(土)・29日(日)
兵庫県 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
作:リチャード・カリノスキー
翻訳:浦辺千鶴
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ひろみん @hiromi_tamahiro
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