舞台「サザエさん」開幕、藤原紀香「最高の家族になりました」

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明治座 9月公演 舞台「サザエさん」が、本日9月3日に東京・明治座で開幕した。ステージナタリーでは初日公演の様子をレポートする。なお本記事は作品の内容に触れているため、ネタバレを避けたい方は注意してほしい。

明治座 9月公演 舞台「サザエさん」より。

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明治座 9月公演 舞台「サザエさん」より。

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明治座 9月公演 舞台「サザエさん」より。藤原紀香演じるサザエ。

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明治座 9月公演 舞台「サザエさん」より。

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ONEOR8の田村孝裕が脚本・演出を手がける本作は、長谷川町子原作によるアニメ「サザエさん」の50周年を記念して上演されるもの。劇中では、アニメ版の10年後の物語が描かれる。

舞台上では盆が回り、茶の間、サザエ・マスオ・タラオの部屋、カツオとワカメの部屋、波平とフネの部屋、屋根の上など、磯野家のさまざまな場所でストーリーが展開。全3幕からなる本作では、それぞれが忙しくなり、家族団欒ができなくなりつつある磯野家の姿が浮き彫りになっていく。藤原紀香はアニメ版と変わらず、明るくおっちょこちょいなサザエを体現。葛山信吾は、勤め先の海山商事で部長に出世し、日々忙しく働くマスオを演じる。荒牧慶彦は大学生になり将来に悩むカツオ、秋元真夏乃木坂46)は服飾の専門学校に通い、パリへの留学を夢見るワカメ、大平峻也は高校受験のために学習塾に通う秀才のタラオを好演した。

高橋恵子は家族のことを思い続けるフネの愛情を表現。松平健は定年退職し、かつての元気を失いつつある波平を哀愁たっぷりに演じ、酒井敏也は磯野家で起こる騒動に静かにツッコミを入れていく年老いたタマ役をコミカルに務めた。

このほか“サブちゃん”こと三河屋の三郎、マスオの元同僚で現在は部下となった穴子、カツオの幼馴染である中島や花沢さんなど、おなじみの面々も登場。また本作では、歴代のアニメ主題歌が流れるほか、回想シーンやふすま・玄関のドアを開ける音、タラオが走る音など、アニメの効果音が再現される。さらに劇中では磯野家の人々が登場するオープニングや、「さーて、本日の『サザエさん』は?」に始まるエピソード紹介など、アニメ版でもおなじみのシーンが盛り込まれた。

明治座 9月公演 舞台「サザエさん」囲み取材より。

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初日公演終了後には囲み取材が実施され、キャストから藤原、葛山、高橋、松平、荒牧、秋元、大平、酒井が登壇した。

まず藤原は「みんなが大好きな『サザエさん』ですからプレッシャーもありましたが、座組の皆さんが『サザエさん』に対して愛やリスペクトを持っていて目指すものが一緒だったので、結束が強まるのが早かったです」と振り返る。また「演出家の田村先生のご指導のもと、かなり細かく稽古を重ねてきたので、初日はうまくいきました」と自信をのぞかせた。

松平健(前列)と秋元真夏(後列)。

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松平は「アニメという見本があるので、最初は(演じ方をアニメに)寄せるのですが、役をものにしていって、最終的には真似にならないよう自分を出していきました」と述べ、波平については「昭和の頑固オヤジという感じでいいですよね」と笑顔を見せる。高橋はフネについて「専業主婦で割烹着のお母さんというのも今や貴重ですよね」と微笑みつつ、「10年後という設定ですが、若々しく演じたい」とコメント。

藤原紀香が母親役と聞いた際「とても緊張しました」とエピソードを語る大平峻也(右)。

藤原紀香が母親役と聞いた際「とても緊張しました」とエピソードを語る大平峻也(右)。[拡大]

葛山はマスオ役について「(アニメ版の)声優さんの声が頭に残っていたのですが、演出家さんと相談しながら、自分の身体にマスオさんを浸透させていきました」と話し、記者から、髪の毛がはねていることを指摘されると、「アニメでマスオさんの髪の毛がはねているのが印象的で、マスオさんの人柄をよく表していますよね」と答えた。

役になりきる荒牧慶彦(後列)と藤原紀香(前列)。

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タマ役の役作りについて話す酒井敏也(後列)。

タマ役の役作りについて話す酒井敏也(後列)。[拡大]

大平は「普段は“2.5次元”と呼ばれる舞台に出ることが多いのですが、今回は日本人の誰もが知っているであろうアニメ作品。その10年後の物語ということで、家族の中ではタラちゃんが一番成長度も大きいので、いい意味でお客様の期待を裏切っていけたらと思います」と目標を掲げる。「“誰もが知っている家族の、誰も知らない10年後”というテーマです」と切り出した荒牧は「子供の10年って人格も変われば、顔付きも変わるので、そのへんは自由に考えていいものだと思って、大学生のカツオを作らせていただきました」と真摯に述べた。

「個人としての初舞台が『サザエさん』」と明かす秋元は「ワカメちゃんが大きくなったらどうなるのか?と、たくさん悩みました。田村さんや共演者の皆さんにアドバイスをたくさんいただき、助けていただいています」と語る。そしてタマ役の酒井は「過去に犬役やハト役をやっていたので、今回、タマ役と聞いて『おー!』っと思いました」と話し、役作りについては「葛山さんの家の猫の動画を観せていただき、勉強しました」と記者たちの笑いを誘った。

囲み取材では、藤原が「学生時代に落語研究会に入っていたんですが、高座名が“親和亭カツオ”だったんです」とエピソードを明かす場面も。最後に藤原は「時代が移り変わるにつれ、家族団欒することが難しくなっていますが、とにかく家族でなんでも話すことが大事だなと思いながら演じています。最高の家族になりました。劇場でお待ちしています!」と来場を呼びかけた。

本作の上演時間は途中休憩を含む3時間35分を予定。東京公演は9月17日まで行われ、9月28日から10月13日までは博多座で福岡公演が行われる。

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明治座 9月公演 舞台「サザエさん」

2019年9月3日(火)~17日(火)
東京都 明治座

2019年9月28日(土)~10月13日(日)
福岡県 博多座

原作:長谷川町子
脚本・演出:田村孝裕

キャスト

サザエ:藤原紀香
マスオ:葛山信吾
フネ:高橋恵子
波平:松平健
カツオ:荒牧慶彦
ワカメ:秋元真夏乃木坂46)/ 齊藤京子(日向坂46
タラオ:大平峻也
タマ:酒井敏也
ほか

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(c)長谷川町子美術館

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