11月から12月にかけて上演される「ドクター・ホフマンのサナトリウム~カフカ第4の長編~」のビジュアルが公開された。
KAAT神奈川芸術劇場がプロデュースする本作は、
公演は11月7日から24日まで神奈川・KAAT神奈川芸術劇場 ホール、28日から12月1日まで兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール、14・15日に福岡・北九州芸術劇場 中劇場、20日から22日まで愛知・穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホールにて。チケットの一般販売は神奈川と兵庫公演が8日24日、福岡公演が10月13日、愛知公演が10月5日に開始される。
ケラリーノ・サンドロヴィッチ コメント
近頃発見されて話題となった、フランツ・カフカの長編小説の遺稿。これをすかさず舞台化しようという企みが、この度の公演である。困難な上演になるだろう。なにしろ、そんな遺稿なんて見つかってないのだから。
カフカ(1883~1924)は、お馴染みの「変身」をはじめとした数々の短編小説と、「失踪者(アメリカ)」、「審判」、「城」の3本の未完の長編小説(「審判」は途中が欠落、他の2作は文字通りの未完)を遺し、親友の編集者マックス・ブロートに「遺稿は全て焼き捨ててほしい」と言い遺して天に旅立った。死因は、当時まだ不治の病だった結核。マックスは約束を反故にし、焼き捨てるどころか、全集を出版した。ひどい話だが、そのおかげで今、我々はカフカの、カフカにしか書けない小説を、幾度でも読むことができる。そして、死後100年近くを経ての、新たな長編原稿の発掘。発掘されてないのだけれど。
発掘されてない以上読めるはずがない。故に私はまだこの小説を未読だ。きっと前例に漏れず、欠損だらけだろうと憶測する。ラストシーンはあるのだろうか。全体がないのだからあるわけがないが。
「ドクター・ホフマンのサナトリウム」というのは、彼が最後の数ヶ月を過ごした療養所である。ということは、「城」のあとに書かれたのだろう。書かれてないのだけれど。「カフカ第4の長編」は、まだ見ぬ「カフカ最後の長編」だ。人生の終焉を見つめ、それまでにない「新しいカフカ」が見つかるやも知れぬ。困難な公演だ。せめて遺稿が見つかっていればもう少し楽だろうに。
KAAT 神奈川芸術劇場プロデュース「ドクター・ホフマンのサナトリウム~カフカ第4の長編~」
2019年11月7日(木)~24日(日)
神奈川県 KAAT神奈川芸術劇場 ホール
2019年11月28日(木)~12月1日(日)
兵庫県 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
2019年12月14日(土)・15日(日)
福岡県 北九州芸術劇場 中劇場
2019年12月20日(金)~22日(日)
愛知県 穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール
作・演出:
振付:
映像:
音楽:
出演:
演奏:鈴木光介(Tp)、向島ゆり子(Vn)、高橋香織(Vn)、伏見蛍(Gt)、関根真理(Per)
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