第22回光文三賞の贈呈式が本日3月22日に東京・帝国ホテル 東京で行われ、第22回鶴屋南北戯曲賞を受賞した
贈呈式に登壇した平田は「20世紀末を代表する作品『日本文学盛衰史』を舞台化いたしました。なにより、素晴らしい原作を提供していただいた高橋源一郎さんに感謝を申し上げたいと思います。そして、もちろん演劇は1人ではできません。俳優、スタッフにも感謝しております」と謝辞を述べる。
「鶴屋南北戯曲賞には創設のときから関わっていました」と話す平田は、「当然すぐに受賞できるものだと思っていたのですが、何度かノミネートされたのち、今回、忘れた頃に受賞させていただきました(笑)」と冗談めかし、会場の笑いを誘う。また自身が2017年12月に父親になったことに触れ、「一昨年、息子を授かって、55歳で初めて父親になりました。今回の作品は父親になって初めての作品だったので、『平田さん、子供できて丸くなったね』と言われないよう、思い切ってとがった作品にしたら、とがりすぎてしまいました」と上演当時を振り返る。さらに、21年4月に開学予定の兵庫県・国際観光芸術専門職大学の学長に就任することに触れ、「学長になってからも、『丸くなった』と言われないよう、もっと不謹慎で、世の中を馬鹿にした、くだけた作品を書いていきたいと思っております」と決意を新たにした。
続けて平田は「この作品は、私が芸術監督を務めております兵庫県の城崎国際アートセンターで作られました。日本文学にゆかりの深い城崎という地で今作が作れたことも光栄に思っております」と感慨深げに語り、今回の賞金200万円の使い道について、「兵庫に移住して家を建てるので、いただいた賞金はすべて家のローンの頭金にいたします。大変助かりました(笑)」とコメントして再び会場を笑わせる。
最後に平田は「私が引っ越す兵庫県豊岡市は冒険家の植村直己先生の出身地でもあります。私もまだまだ、次なる“演劇の冒険”に挑んでいきたいと思います」と宣言し、スピーチを締めくくった。
第22回鶴屋南北戯曲賞には、平田の「日本文学盛衰史」のほか、高木達「ぼたん雪が舞うとき」、内藤裕子「藍ノ色、沁ミル指ニ」、古川健「遺産」、横山拓也「逢いにいくの、雨だけど」がノミネートされ、朝日新聞の山口宏子氏、時事通信の中村正子氏、日刊スポーツの林尚之氏、日経新聞の内田洋一氏、報知新聞の内野小百美氏、毎日新聞の小玉祥子氏、読売新聞の山内則史氏が選考委員を務めた。
同じく本日贈呈式が行われた第22回日本ミステリー文学大賞には綾辻行人、第22回日本ミステリー文学大賞特別賞には権田萬治、第22回日本ミステリー文学大賞新人賞には辻寛之がそれぞれ選ばれている。
※初出時、本文に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。
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