4月から5月にかけて上演される「俳優とオーケストラのための戯曲『良い子はみんなご褒美がもらえる』」に向けて、演出のウィル・タケットと出演者の
「良い子はみんなご褒美がもらえる」(原題:「Every Good Boy Deserves Favour」)は、「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」「アルカディア」などで知られるイギリスの劇作家
作品の印象について堤は「脚本を一読して、難解だなと思いました」と率直に述べる。「ストッパードの作品は『アルカディア』に続き2作目ですが、前回も脚本を読んだ時点ではよくわからなかった。ただ立ち上げていくうちに『そういうことか』と納得するところがあって。今回もそこまでの時間がかかりそうだなと思いますが、それだけに面白い作品になりそうです」と続ける。
昨年2018年末に上演された「民衆の敵」で、堤は閉塞的な環境の中、果敢に闘う男を演じた。今回演じるアレクサンドル役については「拘束された状況で自由のために闘う人という点で、(演じることが)そこまで難しくない」と述べつつ、「彼は政治に対する怒りや人間の尊厳について考えている人。彼がハンストしてまでも訴えたい怒りとはどんなものかを考え、単に“意志が強い人”と思われないように表現したいです」と意気込みを語る。またシリアスかつ社会的背景を背負った作品への出演が続くことについて、「社会派的なものがすべてとは思いませんが、観終わったあとに自分が置かれている環境や自分自身を振り返る力が演劇にはあると思うし、その時間が大切。演劇のそういった力を信じて、僕はやっているのだと思います。ドタバタのコメディも大好きですけど(笑)」と続けた。
また堤は、今回のウィル・タケットに限らず、これまでもデヴィッド・ルヴォー、ジョナサン・マンビィなどイギリス人演出家と多く仕事をしてきた。海外の演出家たちとの作品作りでは、言語のニュアンスの違いといったことについて、細かなディスカッションを重ねることが多いと話し、「日本人だとなんとなくわかり合っているような気持ちになってしまうところがありますが、わからなければわからないと言ってしまったほうが、結局早く理解が進むこともある。今回もそのように始められれば」と語った。
堤は当初、本作をタイトルからミュージカル作品だと思い、「ミュージカルは無理(笑)。断ろうと思った」が、ある段階で脚本を読み、作品の不思議な世界観に惹かれたと言う。「今回はオーケストラも入りますし、稽古が始まらないと想像できない部分があります。でも安易に進むと間違えることもあるので、稽古場では『わかった』という感覚をなるべく持たないようにしたいです」と述べた。
一方のウィル・タケットは、現在が本作を上演するのに「パーフェクトなとき」と話し、「今、我々が生きている時代は、何がリアルでリアルでないかがわかりにくく、非常に難しい時代です。本作で描かれていることは、現在の私たちにとても関係があると思います」と説明する。音楽とダンスが絡み合う内容については「演劇的な要素が音楽で支えられていたり、逆に音楽的な要素が演劇に支えられていたり、違いを補完し合うような展開になっている」と分析。「私にはダンスのバックグラウンドがあるので、自分の考えの根底に、イメージを音楽で表現する発想がまずある。今回の演出もその延長線上にあるのだと思います」と語った。
堤と
なお本日1月15日に追加キャストが発表された。新たに出演が明らかになったのは、
「俳優とオーケストラのための戯曲『良い子はみんなご褒美がもらえる』」
2019年4月20日(土)~5月7日(火)
東京都 TBS赤坂ACTシアター
2019年5月11日(土)・12日(日)
大阪府 フェスティバルホール
作:
作曲:アンドレ・プレヴィン
演出:ウィル・タケット
指揮:ヤニック・パジェ
出演:
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