「初春歌舞伎公演」が、来年2019年1月3日から27日まで東京・新橋演舞場で行われる。
昼の部に「義経千本桜 鳥居前」「極付幡随長兵衛 公平法問諍」「三升曲輪傘売」、夜の部に「歌舞伎十八番の内 鳴神」「牡丹花十一代」「平家女護島 俊寛」「新歌舞伎十八番の内 春興鏡獅子」が披露される19年の「初春歌舞伎公演」。昨日11月22日には、本公演で5演目に出演する
海老蔵はまず、自身が出演する演目を1つずつ紹介。「『三升曲輪傘売』は、私の体から約20本の傘が出てくるさまを、日本舞踊仕立てにしてご覧に入れます。そして私の祖父である十一世市川團十郎を偲ぶ『牡丹花十一代』では、麗禾と勸玄の2人を踊らせるのが今回の眼目でございまして、華やかな舞台を目指し藤間勘十郎丈に振付を依頼しています」と見どころを解説する。
また「極付幡随長兵衛」については、「思い出深い演目」と明かし、13年に初役を勤めた際に、無菌室で闘病中の父(十二世市川團十郎)から、DVDと手紙のやり取りを通じて稽古を付けてもらっていたこと、そして、その公演中にしたテレビ電話が、父との最後の会話になったことを述懐。海老蔵は「今回は父に教わったことをそのまま演じられるように努力します」と真摯に語った。
「平家女護島 俊寛」の俊寛僧都は海老蔵にとって今回が初役となる。海老蔵は役どころについて「私の心境といたしましても重なる部分がいろいろとございまして、今からそれを実体験したい」と話し、松本白鸚に教えを請うと言い、「どんな役も、よくなるまでには60、70年と時間かかります。60歳で初役するよりも、どんなに苦しい思いをしたとしても四十代で挑戦し、最終的に素晴らしいものにする第一歩を早く踏むべきだと思った次第です」とその決意を明かした。
「春興鏡獅子」に関しては、「『鏡獅子』は普通に踊るだけで気絶するくらい大変な踊り。1カ月間通して、長兵衛を勤め、傘売りをし、子供と共演をし、初役の俊寛をしたあとに、鏡獅子ができる人間がこの世にいるのか、自問自答しながら演じます」と会場の笑いを誘いつつ、「『新歌舞伎十八番の内』という市川家の演目でもありますので、真剣に取り組みたい」と意欲を見せた。
そして会見の最後に登場した麗禾と勸玄は、「この度は新橋演舞場に立たせていただきます。お願いします」としっかりとした口調で挨拶し、報道陣からの拍手を浴びる。続けて「お父さんを助けようと思うことはありますか?」という質問が記者から2人に飛ぶと、答えに窮した子供たちに、海老蔵が「パパは助けられるほど弱くないもんね?」とフォローを入れる一幕も。さらに記者から「パパのお仕事を見ててどう?」と聞かれると、麗禾は「すごいと思う」とニコリ。勸玄は「……がんばってると思います」と回答し会見場を和ませた。
新橋演舞場「初春歌舞伎公演」は19年1月3日から27日まで。チケットは11月25日10:00に発売される。
新橋演舞場「初春歌舞伎公演」
2019年1月3日(木)~27日(日)
東京都 新橋演舞場
昼の部
「義経千本桜 鳥居前」
佐藤忠信実は源九郎狐:中村獅童
「極付幡随長兵衛 公平法問諍」
幡随院長兵衛:
女房お時:片岡孝太郎
長松:
唐犬権兵衛:市川右團次
水野十郎左衛門:市川左團次
「三升曲輪傘売」
傘売り三すじの綱吉実は石川五右衛門:市川海老蔵
夜の部
「歌舞伎十八番の内 鳴神」
鳴神上人:市川右團次
雲の絶間姫:中村児太郎
十一世市川團十郎生誕百十年「牡丹花十一代」
鳶頭:市川海老蔵
手古舞:堀越麗禾
鳶頭:堀越勸玄、市川右團次
芸者:片岡孝太郎
「平家女護島 俊寛」
俊寛僧都:市川海老蔵
海女千鳥:中村児太郎
丹左衛門尉基康:市川右團次
「新歌舞伎十八番の内 春興鏡獅子」
小姓弥生後に獅子の精:市川海老蔵
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