5月11日に東京・DDD AOYAMA CROSS THEATERで開幕する、
mosaiqueは、脚本家・演出家の
昨日の稽古は、ガールズダンスユニット・hovalのパフォーマンスがふんだんに盛り込まれた華やかなオープニングシーンからスタート。ディスカッションを重ねながら行われたダンスシーンでは、hovalと主演の南が中心となって入念に振付を確認していく。続いて、ソラとホワイトが演劇を通して出会い、次第に惹かれ合っていくロマンチックな場面へ。ここで演出の中井からSに向けて、「“自分の物語を語る快感”を感じて、自分の内側に入っていくイメージで演技してみて」「このシーンこそ、ホワイトがいかに他人に染まりやすいかを見せるところ。心のガードを外して、その瞬間瞬間の自分のリアクションを無防備に楽しんでみて」というオーダーが入る。Sは真剣な表情で中井の言葉を受け止め、相手役の南と共に試行錯誤を繰り返しながら、ヒロイン像を形作っていく。そんな2人が演じるソラとホワイトの恋を、演出席の中井は穏やかな表情で見守っていた。
稽古後取材に応じた大平は、Sとして本作に参加することとなった経緯について、「由梨子さんから、自分の人生を賭けたユニットを旗揚げすると伺って、僕も力になりたいと思ったんです。でもmosaiqueは女性限定のユニットだから、女性でなければ参加できない。それでどうしようと思ったときに『性別を超えよう』ということになったんです」と明かし、「由梨子さんが人生を賭けている作品だから、自分も人生を賭けて臨みたい」とまっすぐに前を見据える。そして、「『自分はmosaiqueの1作目のヒロインだ』と、Sとしても大平峻也としても誇れる作品になりました。Sの初舞台をぜひ観に来てください」と観客に呼びかけた。
大平と共に本作の主軸を担う南は「主演を務めるのは初めてで不安もありますが、今私ができるすべてをこのmosaiqueに賭けたいと思います」と力強く語り、「『人は過去からは逃げられない』というセリフのように、『PRISM』には心に刺さる言葉が多く登場するんです。この作品が伝えたいメッセージをお客さんにしっかり届けて、いろいろな感情を持って帰ってもらえるように全力で演じます。楽しみにしていてください」と笑顔を見せた。
mosaique「PRISM」は、5月11日から14日までDDD AOYAMA CROSS THEATERで上演。
※mosaiqueの「i」はトレマ付きが正式表記。
中井由梨子コメント
いまの時代に、男だ女だと性別で語ることはナンセンスかもしれません。
しかし差別ではなく、区別はあってもよい気がします。
女だからこそ、といった生理的な独特の感性は確実に存在します。
今回、女性による、女性が演じる、女性に向けたエンターテイメントを考えましたが、演者の性別はじつは問題ではありませんでした。
女を演じることが出来れば、それがベストのキャスティングでした。
大平峻也さんはホワイト役にぴったりでした。
ホワイトを演じて欲しいと熱烈にお願いしました。
彼の答えは私の想像をはるかに超えていました。ご自身が育ててきた大平峻也像を裏切ることなく、ホワイト役を演じるため、新しいキャラクターを創造したいと言ってくれました。
それが女優Sです。
Sは、稽古場でお化粧をしてスカートをはきます。
心で演じるためにカラダからまず、女優となっていきます。
大平さんの、作品のヒロインを演じる前にまず女優を演じる、というチャレンジはとても潔いもので、私たちmosaiqueが表現したい世界観を最もピュアに表現できる方法だと思います。
「女形」をリスペクトし、女性となって演じ切る俳優の挑戦。
芯から男性として「男役」を演じ切る女優の挑戦。
大平さんとmosaiqueはこのチャレンジを、千秋楽の幕が閉まるまで丁寧に続けていきます。
舞台上に立ち上る世界が、「男」と「女」の深い相互理解につながることを願って。
Sを、劇場で見て欲しいです。
俳優の大平さんを応援してくださっている全ての方に見て欲しい。
必ず心に何かを残してみせます。
mosaique season1 REAL‐LOVE File1「PRISM」
2018年5月11日(金)~14日(月)
東京都 DDD AOYAMA CROSS THEATER
脚本・演出:
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