長塚圭史×小川絵梨子「ハングマン」稽古風景を公開

小川絵梨子翻訳、長塚圭史演出「ハングマン HANGMEN」の稽古の様子が公開された。

本作はマーティン・マクドナーが手がけた戯曲の日本初演版。ハングマン（絞首刑執行人）のハリー役を田中哲司が演じ、野卑で下品な男たちが集うパブに、都会っぽい雰囲気の若い男が登場し、ありふれた田舎の日常に変化が生じていくブラックコメディが展開する。

マクドナーの戯曲では、北イングランドとロンドンの訛りの差が偏見や差別を表現をする上で使われたが、今回はそのニュアンスを日本語でどのように表現するかが課題の1つ。歴史的・文化的背景を踏まえた上でセリフをどのように伝えるかを共有するため、稽古はセリフの解釈や“言葉作り”からスタートしている。

1963年、イングランドの刑務所ではハングマンのハリーが、連続婦女殺人犯ヘネシー（村上航）の刑を執行しようとしていた。だがヘネシーは冤罪を訴え「せめてピアポイント（三上市朗）を呼べ！」と叫ぶ。ハリーは、ピアポイントに次いで2番目に有名なハングマンであることを指摘されたことで、乱暴に刑を執行するのだった。

その2年後、死刑制度が廃止された日、イングランド北西部の町オールダムでハリーと妻のアリス（秋山菜津子）が切り盛りする小さなパブでは、アーサー（大森博史）、チャーリー（市川しんぺー）、ビル（谷川昭一朗）、フライ警部（羽場裕一）という常連客がいつもと変わらずビールを飲んでいた。新聞記者のクレッグ（長塚）は最後のハングマンであるハリーからコメントを聞き出そうと躍起になっている。そこへ、見慣れないロンドン訛りの若者ムーニー（大東駿介）がやってくる。ムーニーはハリーの娘シャーリー（富田望生）に近づき、一緒に出かける約束をとりつけ、姿を消す。そんなとき、ハリーのかつての助手シド（宮崎吐夢）が訪れ、「ロンドン訛りの怪しい男が『ヘネシー事件』の真犯人であることを匂わせて、オールダムに向かった」と告げ……。

公演は5月12・13日に埼玉・彩の国さいたま芸術劇場、5月16日から27日まで東京・世田谷パブリックシアター、6月9・10日に愛知・穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール、6月15日から17日まで京都・ロームシアター京都 サウスホール、6月21・22日に福岡・北九州芸術劇場 中劇場にて。