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「In This House」板垣恭一と桑原まこが共感「“計算外”のものを作りたい」

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左から桑原まこ、板垣恭一。

左から桑原まこ、板垣恭一。

4月4日に開幕する「A NEW MUSICAL『In This House~最後の夜、最初の朝~』」。上演に向けて演出の板垣恭一と、音楽監督の桑原まこが対談した。

本作は、アメフト選手から作曲家に転身してグラミー賞を獲得したマイク・リードが手がける音楽と、登場人物たちの独白や会話が入り組んで進行するオフブロードウェイ作品。ある大晦日の晩、長年住んでいた家にひさしぶりに立ち寄ったアーデン夫妻と、自動車事故で立ち往生していた若いカップルはその夜を共に過ごすことになり……。4人が代わるがわるこれまでの人生を語る中で、それぞれが抱える秘密や葛藤が明らかになっていく。

板垣は本作の魅力を「シンプルで分かりやすい話だというところ」と語り「仕事か結婚かで揺れる若いカップルと、互いに秘密を抱えている年老いたカップルが、大晦日に出会うことで起きるワンナイトストーリー。90分1本勝負のミュージカル。実は仕掛けがあって、ちょっと奥深い話にもなっている」と説明。

一方の桑原は、本作の楽曲の魅力を「媚びないメロディ」だと言い、一見すると難しそうだが、“言葉や物語を伝えるためにふさわしいものを選ぶ”という観点で作られた、素直な流れのメロディであることを指摘。さらに2つめの魅力として、「コードが素敵なところ」を挙げ、「よく映像の音楽を作っているんですが、そのときに心がけているのが、音楽がお芝居よりも語り過ぎないようにすることなんです。そのためには浮遊間のあるコードを使わなきゃいけなくて。地に足をつけないで始まるみたいな」と続けると、板垣が「“説明的”にしないということですね。俺も演出するときに『お客さんの想像力を奪うな』ってよく言います」と頷く。

また岩井俊二とのバンド・ヘクとパスカルの、作詞作曲家でありアレンジャーでもある桑原。普段、作曲は「落ちてきたものをそのまま書くようにしている」と語ると、板垣も「意味で埋まったものは“安心”でしかない。それより計算して“計算外”のものを作りたい」と思いを語る。そんな2人の共通点について板垣は「お互いに想像している世界が“言葉”や“意味”じゃなくて、“風景”なんだね」と述べた。

さらに板垣は「まこちゃんのピアノ演奏も抜群にいいんだよね。ぜひ劇場で確認してもらいたいです。彼女のピアノがいかに雄弁で、なのにお芝居の邪魔をしないか。そして何より、いかに“画”を作ってくれているか」と絶賛し、「そのうち一緒にオリジナル作品を作りましょう。近々ね」とラブコールを送ると、桑原も「やりましょう!」と即答。最後に観客に向けて板垣が「まずは『In This House』を目撃していただきたいです。とても味わい深いミュージカルですから」とメッセージを送り、対談を締めくくった。

公演は4月4日から15日まで、東京・東京芸術劇場 シアターイーストにて。出演者には岸祐二入絵加奈子綿引さやか法月康平が名を連ねている。

「A NEW MUSICAL『In This House~最後の夜、最初の朝~』」

2018年4月4日(水)~15日(日)
東京都 東京芸術劇場 シアターイースト

脚本:サラ・シュレジンジャー、マイク・リード、ジョナサン・バーンスタイン
作詞:サラ・シュレジンジャー
作曲:マイク・リード

日本語上演台本・訳詞・演出:板垣恭一
出演:岸祐二入絵加奈子綿引さやか法月康平

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