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山田佳奈が描き出す喧騒と孤独、□字ック「滅びの国」本番に向け最終調整

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□字ック「滅びの国」稽古の様子。

□字ック「滅びの国」稽古の様子。

1月17日に東京・本多劇場で開幕する、□字ックの新作「滅びの国」。ステージナタリーでは、1月9日に行われたこの公演の稽古の模様をレポートする。

□字ックにとって本多劇場初進出作となる「滅びの国」は、団地に住む主婦・透子が女性用風俗を利用したことをきっかけに、シェアハウスに住む青年・祥示との関係に溺れていく姿を描いた物語。主宰の山田佳奈が脚本・演出を手がけ、出演者には吉本菜穂子、俳優集団D-BOYSの三津谷亮オクイシュージ黒沢あすからが名を連ねている。

演出席の山田が真剣な面持ちで見守る中、前半部分の通し稽古がスタート。喧騒を表現するような四つ打ち音楽と共に舞台は幕を開け、透子(吉本)と夫の渉(オクイ)が暮らす部屋のシーンへ。酒に酔った渉を演じるオクイの巧みな演技に、キャスト陣は思わず頬を緩ませる。続いて、近所に暮らす主婦・典江(黒沢)が透子のもとを訪れる場面では、黒沢が膨大な量のセリフを操り、噂話好きな主婦を好演した。

夫や周囲に対する鬱屈とした思いや寂しさから、出張型の女性用風俗を利用することを決めた透子。透子と祥示(三津谷)が逢瀬を重ねるシーンで吉本は、戸惑いつつも祥示との関係に溺れていく透子の心情を細やかに描写し、一方の三津谷は、割り切って仕事をこなす祥示を淡々と演じながら、扇情的な笑顔で女性を魅了する一面や、彼が心の奥底で抱える苦悩など、祥示が持つさまざまな側面を多角的に表現した。

透子が暮らす集合住宅と対比して描かれるのが、祥示たちが住むシェアハウスの様子だ。劇団員の小野寺ずる、日高ボブ美、大竹ココ、そして冨森ジャスティンらが演じる、欲望に忠実な若者たちの姿を通して山田は何を伝えるのか。答えは劇場で確認しよう。

稽古を終えた山田は「エモーショナルで臨場感あふれる作品になりました」と手応えを語ると共に、「本多劇場に作品を持っていくというのは本当に大変なことでしたが、先輩方にすごく助けていただいて……」と吉本、オクイ、黒沢らに謝辞を述べた。そして最後に、「小劇場が好きな方、2.5次元作品が好きな方、いろいろなジャンルの方に満足していただけるのではないかと思います」と笑顔を見せた。「滅びの国」は、1月17日から21日まで本多劇場にて。

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□字ック「滅びの国」山田佳奈×吉本菜穂子×三津谷亮PR

□字ック「滅びの国」

2018年1月17日(水)~21日(日)
東京都 本多劇場

脚本・演出:山田佳奈
出演:吉本菜穂子三津谷亮 / 小野寺ずる、日高ボブ美、山田佳奈、大竹ココ、Q本かよ、滑川喬樹 / 大鶴美仁音小林竜樹冨森ジャスティン水野駿太朗、東谷英人、キムラサトル、ホリユウキ / オクイシュージ黒沢あすか / 柏崎絵美子、倉冨尚人、近藤洋扶、三丈ゆき、JUMPEI、照井健仁、難波なう、橋本つむぎ

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