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マリア・パヘス&シディ・ラルビ・シェルカウイ来日「奇妙なラブストーリー」

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「DUNAS-ドゥナス-」合同取材会より。左からシディ・ラルビ・シェルカウイ、マリア・パヘス。

「DUNAS-ドゥナス-」合同取材会より。左からシディ・ラルビ・シェルカウイ、マリア・パヘス。

2018年3月から4月にかけて上演されるマリア・パヘスシディ・ラルビ・シェルカウイ「DUNAS-ドゥナス-」の合同取材会が、本日12月8日に東京・Bunkamura オーチャードホールにて行われた。

「DUNAS-ドゥナス-」は、フラメンコダンサーのマリア・パヘスと、日本では「テ ヅカ TeZukA」「sutra スートラ」「プルートゥ PLUTO」などで知られる振付家シディ・ラルビ・シェルカウイによる、フラメンコと現代舞踊が融合した作品。2009年にシンガポールダンスフェスティバルで初演されて以来、世界各国で上演され、今回日本初演を果たす。

取材会にはマリアとラルビが登壇。2人の出会いについて、2004年を振り返ったラルビは「モンテカルロ王立バレエ団のために振付した『In Memoriam』のため、賞の授賞式にいました。そこでマリアさんにお会いでき、作品を昔から観ていたことを伝えました。ダンスについて話すうちにとても気が合って、その後、何度か再会し、『一緒に何か作ろう』となったんです」とエピソードを語った。

マリアは「『In Memoriam』を観て、共感する部分がたくさんありました。ラルビさんはすごくオープンな方で、その出会いこそが“この旅の始まり”だったと思います。『DUNAS-ドゥナス-』の創作過程は均衡の取れたプロセスでした。お互いを尊敬し、学びたい、何かを吸収したいという気持ちがあり、何より自分たち2人で何かを作ろうと決めたことが大きかったです」と感慨深げに述べた。

スペイン語で“砂丘”を意味するタイトル「DUNAS」についてマリアは「まず最初に“砂漠”というイメージがありました。砂漠は大きな空間で、何もない。けれど、そこから何かが生まれる可能性があります。タイトルの経緯については、マドリードで『タイトルは何語にしよう?』と食事会で話しているうち(同席していた)私の息子が提案してくれたと記憶しています。2人で作っている作品なのにスペイン語というのも気が引けましたが、ラルビさんが、『DUNAS』という音の響きを気に入って、スペイン語になりました」と明かした。

続けてラルビは「本作のすべての要素は自然から取っています。木から根っこ、土、砂と連想していったんです。『DUNAS』という言葉は詩のようで、メランコリックであり、希望や癒しもあり、我々に訴えるものがありました」とコメントした。

記者から作品に登場する“暴力を連想させるようなシーン”について質問されたラルビは「シーンのテーマとしてはアラビアとスペインの関係を表しています。イスラム文化がアフリカに押しのけられたように、アンダルシアでは、2つの文化が宗教的な理由で離された歴史があります。本作では1つだったものが暴力によって別れてしまうということを描きたかったんです」と述べる。

さらに本作について「作中で2人は暴力を振るう者、服従する者を演じますが、それがどんどん柔らかくなって、最終的に1つになる。最初は左右に分かれて男女の役割を担いますが、ゆっくり対立がなくなって、最終的には一緒に死んで1つになる。ある意味、“奇妙なラブストーリー”と言えるのではないでしょうか」と言及した。

記者からフラメンコとコンテンポラリー、異なるジャンルの共通点や相違点について質問を受けたラルビは「はじめてマリアさんの踊りを観たとき、フラメンコというラベルを貼る前に1人の女性が動いているという感触で、ピナ・バウシュと共通する部分があると思いました。私はどちらかと言えば相違点よりジャンルごとの共通点に重きを置きます。2つの動きの違いを観るのもいいですが、共通点を観るのもおもしろいと思います」と答えた。

ラルビの発言を受けてマリアは「ルーツが違っても、まずそれを理解するというのが大切でした。違う世界の2人ですが、同じようなプロセスや言語を持っていたので、とてもやりやすかった。ラルビさんは特に舞台装置を振付に組み込む才能をお持ちで、私もつねに舞台上のすべての要素を組み入れようと考えました。2人ともスタイルのことは考えず、同じ土俵の上で共同作業ができました」と締めくくった。

本作は2018年3月29日から31日まで東京・Bunkamura オーチャードホールで上演。4月5日には愛知・青年文化センター アートピアホール、6日には大阪・豊中市立文化芸術センター 大ホールにて上演予定となっている。

マリア・パヘス&シディ・ラルビ・シェルカウイ「DUNAS-ドゥナス-」

2018年3月29日(木)~31日(土)
東京都 Bunkamura オーチャードホール

2018年4月5日(木)
愛知県 青年文化センター アートピアホール

2018年4月6日(金)
大阪府 豊中市立文化芸術センター 大ホール

演出・振付:マリア・パヘスシディ・ラルビ・シェルカウイ
出演:マリア・パヘス、シディ・ラルビ・シェルカウイ ほかミュージシャン7名

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