映画「
「散歩する侵略者」は、劇団立ち上げから2年目の2005年に初演され、イキウメと前川の名を広く知らしめた作品。その後、たびたび上演を重ねているが、今回が初の映画化となる。
映画化について前川は「期待することしかなかった」と即答する。「監督が『侵略SFとしてやりたい』『小説版にも演劇にも書かれていない侵略シーンを画にしたい』とおっしゃっていたので、『ああ、そうか、そこまで描くんだ』と。もし最初に小説版を書いていたら僕もそういったシーンを書いたのかもしれないけれど、演劇では考えなかったので……」と思いを語る。実際に映画版を観て、「侵略シーンの、得体の知れないものが来たっていう感じがすごく面白かった。そこまでのストーリーを、小説版に忠実に丁寧に描いてくださったのもすごいなと思いました。ストーリーは同じなのに、演劇とはまったく違うものになっていることに驚きましたね」と笑顔で述べる。
一方、本作の小説版を読んだ際に、“映画っぽい物語”と感じ、7、8年前から映画化を考えていたと語る黒沢。「物語が前に前にと進んでいき、『この先どうなるの?』と思わせる作品。“先が観たい”と思うのは観客の素直な欲望だと思うので、そこが映画に向いているなと。それと、まず演劇として誕生し次に小説になったことが大きいのでしょうが、意外とコンパクト。そこが映画にしやすそうだなと感じました」と語る。
撮影現場には前川も訪れたと言い、「真夏の暑い日だったんですけど、撮影の待ち時間、真治役の
最後に作品にちなみ「奪われたくない概念は?」と記者が質問すると、「難しいですね」「答えるのがちょっと恥ずかしい」と2人は苦笑い。少し考えた後、前川が「概念じゃないですけど、煩悩みたいなものを奪ってくれたらいいなと思いますね。嫉妬の概念とか。でも奪われたら、面白くなくなっちゃうのかな。創作意欲がなくなっちゃったり……」と答えると、黒沢も「ありえますね。いじいじと人のことが気になってしまう、これがなくなればいいと思うけど、なくなった瞬間に映画なんか撮る気がしなくなるかな(笑)」と続け、和やかに対談は終了した。
映画『散歩する侵略者』は9月9日に公開。なお、「イキウメ」による舞台版が10月から12月にかけて東京・大阪・福岡にて上演される。
イキウメ「散歩する侵略者」
2017年10月27日(金)~11月19日(日)
東京都 シアタートラム
2017年11月23日(木・祝)~26日(日)
大阪府 ABCホール
2017年12月3日(日)
福岡県 北九州芸術劇場 中劇場
作・演出:
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