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井の頭公園で重なる時間と恋と音楽、ロロ「PARKS」で描かれた3つの物語

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「PARKS パークス」プロジェクト 演劇版「パークス・イン・ザ・パーク」より。

「PARKS パークス」プロジェクト 演劇版「パークス・イン・ザ・パーク」より。

ロロ「パークス・イン・ザ・パーク」が昨日5月2日に、東京・井の頭恩賜公園の西園・競技場で上演された。

本作はロロ主宰の三浦直之が、瀬田なつき監督・橋本愛主演の映画「PARKS パークス」を観て感銘を受けたことにより始まった一夜限りの企画。映画のスピンオフとなる舞台版では、桜、スワンボート、池、ベンチ、ゾウのはな子など、井の頭公園を象徴するさまざまなものを織り交ぜながら、10年前、1年前、数日前など、さまざまな時間の物語を描き出す。

開演後、まず舞台に姿を現したのは島田桃子。彼女は“今日”から22日前の4月10日に、井の頭公園の桜の下で失恋したと言い、「その日散った花びらを永久保存してやるんです」と、客席にも散らされたたくさんの花びらを、観客とともに集め出す。続けて望月綾乃篠崎大悟演じるカップルが、付き合い始めた2016年の4月10日からその1年後までをたどる。最後に現れたのは、10年前の2007年に今はなき吉祥寺バウスシアターで1人、映画を見たと語る大場みなみ。それら3つの時間、3人の女性の物語が、井の頭公園を舞台にシンクロする。

会場には、3歳くらいの子供から制服姿の学生、シルバーグレーのお年寄りまで幅広い客層が集まり、観客はときに大きな笑い声や拍手で、舞台へ積極的に参加していた。客席の犬からタイミングのよい鳴き声が入り、笑いが起きる一幕も。またラストで映画「PARKS」のエンディングテーマ、相対性理論の「弁天様はスピリチュア」が流れると、映画と舞台、さらに現実と作品世界とが混ざり合い、このスペシャル公演も、井の頭公園100年の歴史の中へと溶け込んでいった。

40分程度の作品上演のあと、続けて「PARKS」の映画監督・瀬田なつきとロロの三浦が登壇し、アフタートークが行われる。三浦が「過去や現在がつながっていく、瀬田さんの作品世界が大好きなんです」とラブコールを送ると、「お客さんも俳優と一緒に花びらを拾ったり、舞台を観てすぐに笑いが起きたりというグルーヴ感が、舞台ならでは。こんなふうに『PARKS』を舞台にしてもらえて本当にうれしいです」と感激を語った。

映画「PARKS パークス」は、井の頭恩賜公園の開園100周年を祝う公式事業として制作された青春音楽映画。吉祥寺に住む女子大生・純(橋本愛)、父のかつての恋人・佐知子を探す高校生のハル(永野芽郁)、佐知子の孫・トキオ(染谷将太)の3人が出会い、佐知子が遺したある楽曲を完成させるために奮闘するさまが描かれる。東京・テアトル新宿ほか全国にて公開中。

「PARKS パークス」プロジェクト 演劇版「パークス・イン・ザ・パーク」

2017年5月2日(火)18:45~19:45
東京都 井の頭恩賜公園 西園 競技場

脚本・演出:三浦直之
出演:篠崎大悟島田桃子望月綾乃、大場みなみ

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