勅使川原三郎ダンス公演「白痴」身体が長編小説を紡ぐ

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勅使川原三郎によるダンス公演「白痴」が、明日12月14日から18日まで東京・シアターΧにて上演される。

「勅使川原三郎ダンス公演『白痴』ドストエフスキー原作」チラシ

「勅使川原三郎ダンス公演『白痴』ドストエフスキー原作」チラシ

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本作はドストエフスキーの長編小説「白痴」をもとに、勅使川原が創作したダンス作品。原作の長大な物語の中にある愛や葛藤、欲望など深い精神世界を1時間のダンスに凝縮し、身体で紡ぎ出す。

今年2016年6月に「アップデイトダンス」シリーズの1作として勅使川原と佐東利穂子の2人で初演された本作が、出演者に鰐川枝里を加わえシアターXで新たに生まれ変わる姿を、劇場で観届けよう。

※動画は現在非公開です。

勅使川原三郎コメント

両国のシアターXにおきまして、14日水曜日、
明日からドストエフスキー原作の「白痴」の初日が開けます。
前日の今日は舞台仕込みの日で、照明を作りました。
装置が一切ない舞台上では照明が重要性は重要ですが、特に
この作品にとっての明るさの変化は登場人物の内面と対称し、
あるいは対照し拮抗するような視覚を構成します。
いや視覚にとどまらず空気の厚さ薄さを変化させ、世界を歪ませ
る環境にも成りえます。それが、どのようなことかはご覧いただ
いて感じていただけると思います。音楽構成も丁寧に用意しました。
しかし身体がなにより力をもつことは決して変わりません。
言葉の翻訳、いや内容説明のようなダンス、動作利用や置き換え
をするものではありません。文学的なダンスを表わすことも私の
本意ではありません。文学の力は言葉から創りだされるのでしょう。
人間、人間の、言葉の力はあくまで人間を必要としていて、異国
異時代に作られた読ませる力は、果たして後年、現代に私のような
誤解者は、言語内容以上に身体的理解あるいは身体的想像力を喚起
させられて、1つのダンス作品を作りたいと願うようになったのです。
これは私にとっては事件ですが、語った作家にとっては全く無縁の
煙でしかないわけであります。しかしこの胸の中心から湧き上がる
煙は、本人にとりましては実に確かな匂いがする煙なのです。
火の無い所に煙は立たない?
だからここが熱いのだろうか?

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「勅使川原三郎 シアターX公演『白痴』ドストエフスキー原作」

2016年12月14日(水)~18日(日)
東京都 シアターΧ

構成・振付・照明・美術・衣装・選曲:勅使川原三郎
出演:勅使川原三郎、佐東利穂子、鰐川枝里

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KARAS APPARATUS @karas_apparatus

シアターX公演「白痴」劇場にて創作中の勅使川原が今日書いたテキストもご掲載いただきました!公演は明日からです。ご予約は24時までメールticket@st-karas.comまで!

https://t.co/l7eNDfibnT

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