「渋谷・コクーン歌舞伎 第十五弾『四谷怪談』」が、本日6月6日に開幕する。公演に先がけて昨日6月5日、囲み取材とゲネプロが行われた。
1994年にコクーン歌舞伎第1弾として上演された「東海道四谷怪談」。2006年の第7弾では、第1弾を進化させた「南番」と、「深川三角屋敷の場」にフォーカスした「北番」の2つのプログラムが上演されたが、今回は「北番」をベースとした新演出が展開される。
ゲネプロでは、罪を重ねながらも己の生き方に苦悶する伊右衛門と直助権兵衛を、
囲み取材には獅童、勘九郎、七之助、扇雀のほか、
また勘九郎は「コクーン歌舞伎の中でも『四谷怪談』は父が特に好きな演目だったので、思い入れがあります」と、2012年に逝去した父・十八代目中村勘三郎について振り返る。2006年に上演された「東海道四谷怪談」でも同じくお袖役を努めた七之助は「10年前の『東海道四谷怪談』では、父と恋人関係を初めて演じてコテンパンにされた記憶がある。本番中、閨のシーンでこっそりダメ出しをされたことも。今回は10年前のリベンジだと思っています」と意気込みを見せる。「(梨園ではない)民間からの参加です!」とお馴染みのジョークを飛ばした笹野も、「『四谷怪談』は勘三郎さんとの思い出を紐解いてくれる特別な演目。さまざまなシーンで彼のことを思い出さずにはいられない」と、亡き勘三郎との思い出を語った。
亀蔵は「コクーンでの東京公演が終わって(7月上演の)松本公演の千秋楽までにはなんとか完成させたい、というくらいに難しい作品。迷い迷いながらがんばっております」と苦労を明かす。また首藤が演じる小汐田又之丞が寝たきりの役であることが明かされると「バレエファンの方が見たらお怒りになるんじゃないでしょうか!」と勘九郎がコメントし笑いを誘う。首藤は初参加となるコクーン歌舞伎について「……新鮮です」と緊張の面持ちをのぞかせた。
囲み取材後に行われたインタビューでは、串田が「舞台役者とも歌舞伎役者とも違う首藤さんの存在感に惹かれた。僕は役者にとって一番大切なものは存在感だと思っているから」と、首藤を抜擢した理由を明らかに。「『北番』は通常の歌舞伎では削ぎ落とされてしまう部分なのかもしれないが、面白いところがたくさんある。今回の『四谷怪談』では武士階級の没落、商人の隆盛というところに焦点を当てて表現した。批判を覚悟でいろいろなことを実験しているので期待してください」と意気込みを見せた。
東京公演は6月29日まで。また本作は「信州・まつもと大歌舞伎」として、7月11日から17日まで長野・まつもと市民芸術館でも上演される。
渋谷・コクーン歌舞伎 第十五弾「四谷怪談」
2016年6月6日(月)~29日(水)
東京都 Bunkamura シアターコクーン
作:四世 鶴屋南北
演出・美術:
出演:
信州・まつもと大歌舞伎「四谷怪談」
2016年7月11日(月)~17日(日)
長野県 まつもと市民芸術館 主ホール
作:四世鶴屋南北
演出・美術:串田和美
出演:中村獅童、中村勘九郎、中村七之助、中村国生、中村鶴松、真那胡敬二、大森博史、首藤康之、笹野高史、片岡亀蔵、中村扇雀 ほか
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佐久間真理子🌗 @sakumariko
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