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「NEWシネマ歌舞伎」の第2弾となる本作は、昨年2016年に「コクーン歌舞伎」第15弾として串田の演出により上演された作品を映像化したもの。獅童は上演当時を振り返って、串田の演出に驚いたと明かし、「自分なりに想像して、串田監督の想像している世界観に一歩でも近づけるように、頭を柔らかくして考えました」と述懐する。これを受けて串田は「別に驚かそうとかは思ってないですよ(笑)。でも新鮮であろうと思っています」と作品作りにかける思いを明かした。
また「シネマ歌舞伎」版の感想を問われた獅童は「とっても感動しました。『演劇は生だ』と言われているけれども、串田監督が『夏祭浪花鑑』を映像化するときにすごくこだわっていらして、今回も時間をかけて編集してくださった。1つの映画として楽しめる作品になっていると思います」と自信を見せ、一方の串田は「舞台を作っている人間は『これは残らないものなんだ』ということに、寂しさと同時に誇りみたいなものを感じながら、それを自分に言い聞かせて作品を作っています。その誇りに対して、自分を裏切っているような気持ちも実はあるんです。だからこそ作るんだったら『ちゃんと作ろう』と、襟を正すような気持ちで作りました」と制作にあたってのエピソードを披露する。
さらに獅童は「コクーン歌舞伎」の立役者である、故・中村勘三郎についても言及。「『コクーン歌舞伎』は、勘三郎兄さんにとって常に戦いだったと思います。串田監督の演出を受けて、僕らも古典に対して新たな発見があったり、演じるうえで『歌舞伎は自由なんだ』ということを改めて勉強させていただきました。今ではテレビや映画にも出演させていただいていますが、芝居については『コクーン歌舞伎』で培ったものが大きいと思います」と勘三郎と串田に謝辞を述べる。最後に串田が「舞台中継でもないし、劇映画でもない。新しい表現が生まれていると思うので、少しでも多くの方が『こういうものもあるんだ』と思って観てくださったらうれしいです」と観客にメッセージを送り、イベントを締めくくった。
「東海道四谷怪談」より「深川三角屋敷の場」にフォーカスした「北番」をベースとした物語が展開する本作。出演者には獅童のほか、中村勘九郎、中村七之助、首藤康之、笹野高史、片岡亀蔵、中村扇雀らが名を連ねている。
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