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宝塚宙組「エリザベート」に小池修一郎、朝夏まなとのトートは「核心ついている」

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宝塚歌劇団宙組「エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-」制作発表会にて、パフォーマンスする実咲凜音と朝夏まなと。

宝塚歌劇団宙組「エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-」制作発表会にて、パフォーマンスする実咲凜音と朝夏まなと。

7月から上演される宝塚歌劇団宙組「エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-」の制作発表会が、本日4月15日に東京・帝国ホテルにて行われた。

「エリザベート」は、ミヒャエル・クンツェが脚本・歌詞、シルヴェスター・リーヴァイが音楽を手がけたウィーン発の人気ミュージカル。19世紀後半のオーストリアを舞台に、自由奔放な生き方を求めた皇后エリザベートの数奇な運命を、彼女を愛する黄泉の帝王トートという抽象的な役を配して描く。日本では1996年に宝塚歌劇団が小池修一郎の潤色・演出により初演し、今年で日本初演から20周年。これまでに同劇団が899回上演し、今回は2014年の花組以来、9回目となる。

記者会見の前にはトート役の朝夏まなとがまず登場し、「愛と死の輪舞」を堂々とパフォーマンス。そこへ白いドレスをまとったエリザベート役の実咲凜音が加わり、2人で「私が踊る時」を歌い上げた。そして演出の小池と小柳奈穂子、宝塚歌劇団理事長の小川友次、三井住友カード株式会社代表取締役社長の久保健が加わり、会見がスタート。まず小川理事長が、「ちょうど初日には(宝塚での「エリザベート」上演)900回という節目にもなります。この作品がまた新たな1ページをどう宝塚の歴史に刻み込むのか、楽しみにしていただきたい」と挨拶する。

初演から今作に携わっている小池は、自身の前に久保氏が作品への愛あるコメントをしたことを受けて「1995年の9月に初演の制作発表があり、一路真輝さんが怖いメイクをしているということで、VISAの会長さんが会見の場でお怒りになられてですね(笑)。それがこんな日を迎えようとは。20年の重みを感じました」と感慨深げ。「21年前、生まれて初めて制作発表に出させていただいたので、スーツを新調しまして。それがこれでございます」と、思い出の詰まった装いで現れたこと明かす。また冒頭の朝夏、実咲による歌唱を受けて、「彼女たちは9代目なわけですけれども、朝夏のアプローチが、いろんなものをそぎ落として核心をついている気がして、『あーっ』と思いました。正直に申し上げて想像以上でした。歌が非常に歌えるようになったのも、彼女の精進の賜物だと思います」と誉めたたえる。「2代目の麻路さきさんが、『生きた人間ではないから、造形は自由。私は私のトート像を作る』と名言を残しているんですが、彼女(朝夏)は先輩がやってきたことを、ブレンドするというより、通り抜けて原点に帰ってるのかなと。非常に新鮮なトート像でした。これからの仕上がりが楽しみです」と期待を語った。

さらに実咲に関しては、「この役をやるのは相当の緊張感を強いられる。おそらく本人もやりたかった役なんじゃないかな、と思うので、朝夏まなとの核心を突いてくるであろうトートというものに対して、存在しうるエリザベート、になってほしいなと思いました。破綻なく演じると思うんですけど、そこを突き抜けて、破綻があってもいい。面白いエリザベート像を自分なりに見つけられるといいかなと思いました」とコメント。そして「これまでも演技者たちの個性とアプローチの仕方、試行錯誤を重ねる中で生まれる、それぞれのトート像があった。今回も新しい曲とか新しい場面があるということはないんですが、削ぎ落とされたトート像が観られるのではと楽しみにしております」とまとめた。

演出助手として何度も今作に携わってきた小柳は、今回が初めて演出家としての参加となり、「毎回同じことを掘り起こしてやってはいるんですが、組の色で変わっていくところがあって、そこがいい意味で歌舞伎的だなと思います。変わっていないように見えて、支えている水の下は変わっているというか。宙組はチームワークもとてもいいので、死の話ではありますが、とてもビビットな『エリザベート』が生まれるのではないかと思っております」と意気込みを語った。

2002年、入団1年目に花組の「エリザベート」に出演したという朝夏。「初ゼリフで『病人がいるんだ!』というひと言をいただいたんですが、このひと言が言えなくて。特訓していただいた覚えがあります。とても思い入れのある作品でトートという役に挑戦させていただくこと、とてもプレッシャーではありますが、先ほど先生がおっしゃった『核心をついた、そぎ落としたトート』とはなんなのか、自分なりに考えて突き詰めていきたい」と意気込む。また今作を初めて映像で観た際には、「これは本当に宝塚なのか、というくらい、すごくスタイリッシュで、とにかく歌で続くミュージカル。全体的に衝撃的でした」という第一印象を抱いたといい、役作りについては「今まで明るい役が多く、自分でも太陽のような存在になりたいと公言しているので、その真逆と言っていいトートに挑むにあたって、ネガティブなものの捉え方をしてみたり。人に迷惑をかけない範囲でちょっとやってみました」と工夫を述べた。

実咲は「記念すべき年にこの作品に携わらせていただくこと、とても奇跡のように思っております。目の前の壁はとても高いですが、新たなエリザベートをお届けできるように、魂を込めてがんばりたいと思います」と意気込み、初めて「エリザベート」を観たのは2009年、瀬奈じゅん率いる月組公演だったと述懐。「1幕最後の鏡の間で、エリザベートがまさしく今私が着ているこの衣装を着て振り返ったときの迫力に圧倒されて。その場面が印象に残っております」とコメントし、「資料が本当にたくさんありますので、その中で彼女の人生の喜怒哀楽をいかに私も体験できるかを、挑戦させていただきたい」と目標を語った。

「エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-」は、7月22日から8月22日まで兵庫・宝塚大劇場、9月9日から10月16日まで東京・東京宝塚劇場にて上演される。

宝塚歌劇団宙組 ミュージカル「エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-」

2016年7月22日(金)~8月22日(月)
兵庫県 宝塚大劇場

2016年9月9日(金)~10月16日(日)
東京都 東京宝塚劇場

脚本・歌詞:ミヒャエル・クンツェ
音楽:シルヴェスター・リーヴァイ
オリジナル・プロダクション:ウィーン劇場協会
潤色・演出:小池修一郎
演出:小柳奈穂子

出演

トート:朝夏まなと
エリザベート:実咲凜音
フランツ・ヨーゼフ:真風涼帆
ルキーニ:愛月ひかる
ルドルフ:澄輝さやと、蒼羽りく、桜木みなと(役替り)
ほか

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