次々と新たな作り手が頭角を表す演劇界。数ある劇団の中から、ジャケ買いならぬ“劇団名買い”で観劇に行った経験はないだろうか。チラシやニュース、SNSなどで目にする劇団名は、シンプルなものから不思議な音の響きを持つもの、「どういう意味?」と目を引くものまでさまざまだが、それには名づけ主の希望や願い、さらには演劇的活動戦略が込められているはず。このコラムでは多彩な個性を放つ若手劇団たちの、劇団名の由来に迫る。劇団名が持つ秘密と共に、未来の演劇界を担う彼らの活動の軸を紐解いていく。
46番目に登場するのは、京都を活動拠点とする
お寿司
Q. 団体名の由来、団体名に込めた思いを教えてください。
代表の南野詩恵が妊娠中に食べたくても食べたくても食べられなかったナマモノが、お寿司でした。
あの時に食べられなかったものを今まさに食べるぞ、あの時に出来なかったことを今まさにやるぞ。という気持ちを込めて、
また「全ての意味合いが取れても吉祥は残る」という大学時代の教授の教えより、言葉で祝う“寿”という文字が入ったおめでたい名前です。
Q. 団体の一番の特徴は?
劇作・演出・衣装(衣裳)を南野詩恵が担当しています。
戯曲、衣装(衣裳)、対話、多方向からのアプローチを重ね多層に散る事象を再編集する演出手法を用いて社会的応答へと昇華した作品を発表します。
衣装(衣裳)からじわじわと舞台の上で起きていることへと触覚を伸ばし、被服が身体との主従関係に手をかけた瞬間に、お寿司が誕生しました。
初めての作品は2016年に発表したお寿司「病気」です。
Q. 今後の目標や観客に向けたメッセージをお願いします。
舞台芸術は人間だれもに備わる力を再び信じることのできる場だと、南野は考えています。
起こったけれども過ぎてしまったことをもう一度目の前で起こして、過去を救い直す、許し直す、怒り直す、考え直す機会と位置づけ、より多くの方の人生の傍で演劇が機能することを目指します。
作品を必要としている方の元へ届けられるように努力します。
お寿司を必要としてくださっている方と一緒に、創作をしたいです。
お寿司
2016年に舞台衣装(衣裳)作家の南野詩恵によって立ち上げられた団体。京都を活動拠点とし、戯曲や衣装(衣裳)、対話などさまざまなアプローチで作品を立ち上げる。
南野詩恵 @osushieminamino
ステージナタリーさんにご紹介いただきました🍣
お寿司の由来などを話しております。
そしてお寿司は、
5月4日、5日、6日とストレンジシード静岡🌱去年に続き参加いたします。
静岡でみなさまにお会いできますように🤲 https://t.co/INbsNfktA8