左から中村橋之助、中村米吉。

ケイコレ〜稽古着ファッションをお届け〜 Vol.7 [バックナンバー]

中村米吉は品の良さ&中村橋之助はフレッシュに!

稽古着は柄に個性をにじませて

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ステージナタリーでは、アーティストの稽古着姿を通して、その素顔に迫る「ケイコレ」を展開中。この連載では、稽古中の彼らにこだわりが詰まった稽古着を披露してもらい、本番に向けた熱い気持ちを届けてもらう。

今回は、かれんさと芯の強さを兼ねそろえた女形の芝居に定評がある中村米吉と、立役としてのすごみとおおらかさが魅力の中村橋之助が登場。2人は、明日3月6日に開幕する南座「三月花形歌舞伎」で、「義経千本桜」から舞踊「吉野山」、“四の切“こと「川連法眼館」に挑む。そんな彼らに自主稽古と全体稽古での稽古着姿をシェアしてもらった。静御前らしい品の良さを感じさせる米吉、源九郎狐らしく、はつらつとした愛嬌がにじむ橋之助。2人の写真の違いにも注目してほしい。

Day1(自主稽古)

中村米吉

ご覧の通り浴衣です。

「吉野山」のお稽古で、汗をかきますので浴衣でお稽古いたしました。

この柄は小川縞と言いまして、我が家の本名である「小川」を図案化したもので、家の柄と言えるものです。

帯は浅草帯源さんの鬼献上の帯です。

浴衣姿の米吉。扇子を手に、凛とした佇まい。

浴衣姿の米吉。扇子を手に、凛とした佇まい。

中村橋之助

こちらは浴衣です。

普段この季節に浴衣を着ることはNGなのですが、今回のお役は汗だくになってしまうので特別に浴衣を着ています。

柄は、成駒屋の芝翫つなぎというものをアレンジしたものになっています。

汗だくになるので浴衣! 模様からも力強さが感じられる。

汗だくになるので浴衣! 模様からも力強さが感じられる。

Day2(自主稽古)

中村米吉

「四の切」のお稽古でしたので、こちらの稽古着を着ました。

絹と木綿が合わさった物ですので、手入れがしやすいと勧められて誂えたものです。

今回、この撮影のためにおろしました!

気品漂う紺色の着物。手には「義経千本桜」の台本。

気品漂う紺色の着物。手には「義経千本桜」の台本。

中村橋之助

こちらも若々しく綺麗な色。

クリーム色に近い色です。

ただ、汗がとても目立つので汗かくなーという日はあまり着ません(笑)。

淡い色の着物。愛嬌のあるポーズが、源九郎狐を思わせる。

淡い色の着物。愛嬌のあるポーズが、源九郎狐を思わせる。

Day3(全体稽古)

中村米吉

全体稽古初日、橋之助くんとご一緒です。

長時間の稽古になり、汗も相当かきますので、この日は化繊の洗濯機で洗えるお稽古着です。

帯も同じく帯源さんの鬼献上の色違いですが、こちらは使い込んで相当くたびれてきています(笑)。

全体稽古初日にパチリ。米吉(右)は落ち着いた雰囲気の濃い緑、橋之助(左)はフレッシュさを感じさせる、明るい紺色の着物。

全体稽古初日にパチリ。米吉(右)は落ち着いた雰囲気の濃い緑、橋之助(左)はフレッシュさを感じさせる、明るい紺色の着物。

中村橋之助

紺の袷(あわせ)です。

僕が普段一番着ているお稽古着です!

基本的に若手らしく若々しい色のものを選んでしつらえるようにしています!

帯も博多献上の明るい青の帯です。

橋之助が“一番着ている”稽古着。

橋之助が“一番着ている”稽古着。

稽古着におけるこだわりは?

中村米吉

これと言ったこだわりはありません。

女形ですので、品の良いものをとは思いますが……。

中村橋之助

色は基本的に若々しい綺麗な色を選ぶようにしています。

ちなみに、弟の福之助と着回しができるように一緒の寸法で作ってあります。

歌之助は細いので共有ができませんが(笑)。

「稽古着おしゃれだな!」と思う共演者は誰ですか?

中村米吉

皆さんそれぞれのお家らしさや、個性があって素敵だと思います。

中村橋之助

歌舞伎で“稽古着おしゃれだな!”ってとても難しい質問ですね(笑)。

米吉のお兄さんはいつも綺麗に着ていらして美しいなと思ってます!

いつか手にしたい憧れの稽古アイテムは?

中村米吉

稽古着含め、着物はもっとたくさんいろいろと欲しいなとは思っています。

あと、帯源さんの新しい帯を買いたいですね。

中村橋之助

今はもう手にしてしまっているんですが、天地金というお扇子を持つことが子供の頃からの夢でした。父がずっとお稽古で使っていたので、大人しか使えないお扇子だと思っていて(笑)。

自分でお稽古着や道具をそろえるようになってすぐ天地金にしました。

「三月花形歌舞伎」で特に注目してほしいポイントを教えてください。

中村米吉

今回、時代物の名作「義経千本桜」に若手の仲間たちと挑ませていただきます。

しかも、配役を公演ごとに変え、全部で4つのプログラムをお楽しみいただける意欲的なものとなっています。

今の我々だからこそできる舞台を作りたいと思っています。

よろしくお願いいたします!!

中村橋之助

今回の「三月花形歌舞伎」は、若手6人アンダー30歳が主体となる若手公演です!

こうしてお兄さん方と責任の重い立場で興行をさせていただくことも初めてで、興奮や不安などいろいろなものがありますが、一所懸命心も体も燃やして京都を盛り上げていきたいと思っています。

また、作品としては、「義経千本桜」の佐藤忠信というとても大きなお役をさせていただきます。

この歳でこのお役をさせていただけることはものすごく幸せなことで、逆立ちして南座から八坂さんまで歩けるくらいうれしいです(笑)。

しっかりとお客様の心に残る忠信として作品の中に存在できるよう。丁寧に勤めて参ります。

「三月花形歌舞伎」チラシ表

「三月花形歌舞伎」チラシ表

プロフィール

中村米吉(ナカムラヨネキチ)

1993年生まれ。播磨屋。中村歌六の長男。2000年に中村米吉の名を襲名して初舞台。2011年から女形を志し、「鬼一法眼三略巻 菊畑」で皆鶴姫、「与話情浮名横櫛」でお富、「松浦の太鼓」でお縫、「仮名手本忠臣蔵 七段目」で遊女お軽、「絵本太功記」で初菊などを勤める。またアメリカ・ラスベガスで行われた歌舞伎興行では、2015年に「鯉つかみ」傾城乙星役、2016年に新作歌舞伎「獅子王」白縫姫役で出演。2015年には「鳴神」の雲の絶間姫役の演技で十三夜会奨励賞、2021年には第42回松尾芸能賞で新人賞を受賞した。

中村橋之助(ナカムラハシノスケ)

1995年生まれ。成駒屋。中村芝翫の長男。2000年に中村国生の名で初舞台。2016年に四代目橋之助を襲名した。立役として「筆法伝授」や「車引」の梅王丸、「寿曽我対面」の曽我五郎時致などを演じる。歌舞伎作品以外でも「オイディプスREXXX」「恋、燃ゆる。~秋元松代作『おさんの恋』より~」「ミュージカル・ゴシック『ポーの一族』」などに出演。

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