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エビ中「アイドル原始時代」でKing of 学芸会の本領発揮

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私立恵比寿中学が昨日12月15日、東京・中野サンプラザにてワンマンライブ「私立恵比寿中学年忘れ大学芸会『エビ中のジャングル大冒険』」を開催した。

2012年は春に赤坂BLITZ、夏に日本青年館と、着実に“学芸会”のキャパシティを拡大させてきたエビ中。過去最大規模となった昨日の中野サンプラザ公演もチケットは即日完売となった。今回はさらに全国の映画館でパブリックビューイングが実施され、会場に足を運べなかった全国のファンもリアルタイムでステージの興奮を味わった。

開演前、期待の膨らむ場内にはBGMとして1990年代を中心としたヒットソングが流れる。途中、エビ中の“サブカル校長”こと藤井マネージャーが歌う槇原敬之「冬がはじまるよ」が流れると、気付いたファンからは失笑やコールが巻き起こった。そしておなじみのオープニング曲「ebiture」が会場に響きわたると、メンバー9人がステージ上へ。今年最後の学芸会は、タオルを振り回しながら歌うアッパーチューン「揚げろ!エビフライ」でにぎやかに幕を開けた。

エビ中が中野サンプラザのステージに立つのは、2011年4月に行われたももいろクローバー(現ももいろクローバーZ)のライブにゲスト出演して以来。真山りかは冒頭のMCで「2年前とは違って、私たち、そしてエビ中ファミリー(エビ中ファンの通称)の皆さんの力だけで今ここに立ってるんですよ!」と喜びを語った。9人それぞれ自己紹介を終え、次の曲に入ろうとしたところで、柏木ひなたが突然「ちょっと待ったー!」と流れを止める。「ちょっと気になることがあるんだけど。(ステージの)段の一番上のところに穴が開いてるの」と話すと、同じく穴が気になっていたというメンバーたちは3段に組まれたステージの最上段へと上っていく。

おびえるメンバーをよそに、鈴木裕乃は突然「鈴木行きまーす」と穴に飛び込んでしまう。あとを追うように次々メンバーが穴に飛び込んでいき、高所恐怖症の真山だけが取り残されてしまう。最後に真山が意を決して穴に飛び込むと、舞台は暗転。真っ暗な穴の下には、どこかで見たことのあるタイムマシン風の機械が用意されていた。星名美怜がレバーを動かすと、タイムマシン風の機械はメンバー9人を乗せて異空間へと進んでいく。再びステージに照明が灯ると、簡素なステージはいつの間にか蔦のからまるジャングルへと姿を変えていた。

9人がわけもわからずジャングルをさまよっていると、上空から大きな野鳥が飛んできて「あんまり見ない顔だな。君たちは誰だい?」と語りかけてきて「見たところ君たちは現代から来たんだろ? ここはアイドル原始時代。君たちのような子は丸焼きにされて食われちまうぞ」と舞台設定を丁寧に説明した。すると安本彩花が「お言葉ですが私たちはそんじょそこらのアイドルではありません」と反論。続けて瑞季が「大人にはキレのないダンスと不安定な歌唱力とか言われてるけど、そんなのはいつでも訂正させてみせますよ!」と宣言すると、客席からは大きな歓声が沸いた。9人は原住民たちに現代のアイドルとしての実力を見せつけるべく、再び歌を歌い始めた。

荒ぶる原住民に追い出されたエビ中メンバーは、今度は気が付くと洞窟の中へ。みんなとはぐれて2人きりになった松野莉奈と柏木は「とりあえず歌おう」と、どこからともなく現れたDJタミフルとのトリオで、夏の日本青年館にて誕生したユニット「トリオ・ザ・インフルエンザ」の新曲「そろそろくるぞ」を披露。続いて瑞季&廣田あいかによるR&B風ミドルナンバー「Kindness」、杏野なつ&星名がヤカンを手にカップ焼きそばについて歌うピンク・レディーのパロディ「for you」、鈴木&安本が宙吊りのブランコに乗ってさわやかに歌唱する80's王道アイドル風ソング「たそがれシアター」、真山が謎のキャラクター・ダンディ井上を引き連れソロで熱唱するスウィングジャズ「老醜ブレイカー」と、初お披露目のユニット曲が飛び出した。

ユニット曲を歌う間に原住民に囲まれてしまったエビ中の9人。「ねえ真山。気持ちよく歌ってるところ悪いけど、囲まれちゃった」と瑞季が状況を説明すると、9人はこれを打破すべく「パクチー」と「ほぼブラジル」を熱唱。今回初披露となった新曲「パクチー」は力強いビートが特徴的なダンスナンバーだ。

原住民たちを歌で撃破したエビ中の前に、今度はステージ上空から巨大な石像が舞い降りてくる。石像は「わしは無関心地蔵じゃ。わしはあらゆることに関心がない。しかしお前たちは少し騒ぎすぎじゃ」とメンバーに怒りをぶつける。静かにしているのが一番苦手なエビ中は、歌で無関心地蔵の感情をゆさぶるべく4曲続けてパフォーマンスすると、地蔵は「なんだこの感動は……」と暗く沈んだ目から光を放った。「気に入ったぞお前ら。改めて訊く。お前ら名は?」という地蔵からの質問に9人が「私たち、私立恵比寿中学です!」と元気に返答すると、地蔵は「あっぱれだ! さあもう1曲聴かせてくれ!」とリクエスト。最後に新曲「頑張ってる途中」を熱唱し、物語は大団円を迎えた。

アンコールで歌われたのは「放課後ゲタ箱ロッケンロールMX」と「えびぞりダイアモンド!!」、そして11月28日発売のベストアルバム「エビ中の絶盤ベスト ~おわらない青春~」で初音源化となった「約束」の3曲。さらにダブルアンコールでは同じくベストアルバムで初音源化された青春ソング「イッショウトモダチ」が歌われた。大勢のファンの前で大きく成長した姿を見せた9人だったが、最後の挨拶では感極まって泣き出してしまう場面も。感動のうちに幕を下ろすかに思われたが、そこはエビ中。最後の最後に突然会場が暗転し、スクリーンにはサブカル校長の姿が写し出される。校長はスクリーン越しに、2013年3月31日、東京・よみうりランド オープンシアターEASTにて次の学芸会が開催されることを発表した。メンバーはヒザから崩れ落ちてしまったり、感動の涙を流しながら抱き合ったりと大騒ぎ。さらにキャパを拡大した初の“野外学芸会”ではどのようなステージが展開されるのか、ファンは楽しみにしておこう。

2012年12月15日(土)東京都 中野サンプラザ
私立恵比寿中学年忘れ大学芸会「エビ中のジャングル大冒険」セットリスト

01. 揚げろ!エビフライ
02. エビ中一週間
03. スターダストライト
04. 仮契約のシンデレラ
05. チャイム!
06. 梅
07. オーマイゴースト?~わたしが悪霊になっても~
08. そろそろくるぞ / トリオ・ザ・インフルエンザ(松野莉奈、柏木ひなた、DJタミフル)
09. kindness / 瑞季&廣田あいか
10. for you / 杏野なつ&星名美怜
11. たそがれシアター / 安本彩花&鈴木裕乃
12. 老醜ブレイカー / 真山りか&ダンディ井上
13. パクチー
14. ほぼブラジル
15. Go! Go! Here We Go! ロック・リー
16. 売れたいエモーション!
17. ザ・ティッシュ~とまらない青春~
18. フレ!フレ!サイリウム
19. 頑張ってる途中
<アンコール1>
20. 放課後ゲタ箱ロッケンロールMX
21. えびぞりダイアモンド!!
22. 約束
<アンコール2>
23. イッショウトモダチ

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