昨年11月8日の初日・福岡公演から12月28日の愛知公演まで、あいにくの延期となった北海道公演を除く全国9カ所を約2カ月にわたって巡ってきたTRiDENT。年をまたいで行われたツアーファイナルには多数の熱心なオーディエンスが詰めかけ、フロアをびっしりと埋め尽くした。
天井知らずの熱狂空間
立錐の余地もないフロアは開演前から言い知れぬ熱気に満ち、無人のステージへ向けて時折野太い声援が飛ぶ。アメリカンパンクロック中心の客入れSEが控えめに響き渡る中、にわかにその音量が上がって場内が暗転すると、堰を切ったように怒号のような歓声が噴出した。間髪をいれずにスリリングなエレクトロサウンドのオープニングSEが打ち鳴らされ、ステージが激しい光の演出で彩られる。湧き起こる手拍子と掛け声は、観衆のはやる気持ちと正比例するようにぐんぐんと加速。会場のボルテージは、バンドの登場を待たずに早くも最高潮の様相を呈した。
そこへNAGISA(Dr)、ASAKA(Vo, G)、SERINA(B, Cho)の順でTRiDENTの3人が舞台袖から姿を現し、満員のフロアをうれしそうに見渡しながら笑顔で手を振ると、さらなる大歓声が場内を満たす。そして舞台上手に陣取ったASAKAがレスポールを、下手のSERINAが5弦ジャズベースを構えたところで、中央後方のドラムセットに鎮座するNAGISAがSEのBPMに合わせてアグレッシブなフィルインを繰り出し始め、ASAKAによる「『BLUE DAWN TOUR』ファイナル! 全員でブチ上げていくぞー!」という高らかな絶叫とともに「NEW ERA」でライブの幕が切って落とされた。
ASAKAが金色のポニーテールを生き物のように躍動させながら奏でるメカニカルなリフやパワーコード、リードプレイと、終始菩薩のような微笑みをたたえたSERINAから放たれるアタッキーかつパンチーなベースライン、涼しげな表情とは対照的なツインペダルを駆使した手数の多いフレージングでアンサンブルを牽引するNAGISAの華やかなビートが三位一体に。同期トラックも効果的に交えながら唯一無二のTRiDENTサウンドが構築されていく。そこにフロント2人の調和したまっすぐな歌声が重なり、否応なくオーディエンスを叫ばせ、腕を上げさせ、ジャンプやクラウドサーフを誘発した。
ASAKAの放った「このツアーで一番熱い日にしようぜー!」という言葉を経てエネルギッシュかつスリリングなラウドチューンが次々に畳みかけられ、その後も天井知らずの熱狂空間が形成される。「DISCORD」や「Haha!」では3人のソロ回しが、「DISTINATION」ではASAKAのタッピングソロとSERINAのスラップソロに続いてNAGISAのスティック投げが披露されるなど、叩き上げのライブバンドとしての矜持を体現するステージが熱っぽく展開された。
「踏ん張れたのはみんなのおかげ」
ライブ中盤には、TRiDENTの楽曲としては比較的ポップでさわやかな部類に属する「MIRACRAID」「恋のマジックポーション」が立て続けにプレイされる。ともにテレビアニメ「ポーション、わが身を助ける」のタイアップ楽曲であることから、ASAKAが「みんなアニメは観てくれてましたか? 観てないよって方はぜひ……めっちゃ感動するんで、ホンマに。テレビで曲が流れるの」と熱弁し、「ぜひ2期があることと、2期に抜擢されることを願っといてください(笑)」と訴えかける。また「MIRACRAID」で初めて作曲を担当したNAGISAからは、持ち前ののんびりした口調で「うちらがファイナルにどんなセットリストを持ってきているか……ナメんなよー。帰れないようにしてやるー」との挑発的な言葉が淡々と発せられた。
その言葉通り、パンキッシュな疾走ナンバー「JUST FIGHT」や、会場中がシンガロングで一体となる「iCON」「CRY OUT」など、めくるめくアッパーチューンを問答無用とばかりに畳みかける彼女たち。SERINAは沸騰するフロアを満面の笑みで見つめながら、「ツアーファイナル、そんなもんですかー!」とさらに熱狂を煽っていく。その一方で、メジャーデビュー作「BLUE DAWN」のリード曲「黎明ノ詩」の披露前には、それまでのほがらかなMCとは打って変わってASAKAが神妙な口ぶりでファンへの感謝を口にするひと幕も。
彼女は「メジャーデビューというバンド人生の目標の1つを叶えるまでに、うちらはめちゃくちゃ長い長い時間がかかりました。あきらめそうになったときに踏ん張れたのは、紛れもなくみんなのおかげです。みんなの応援のおかげで私たちは今があります。本当に本当にありがとう」と述べ、温かな拍手を呼び込む。そして「メジャーに行ってゴールじゃないから。こっからが本番やと思ってます。今までたくさん支えてもらった分、次はうちらがみんなの支えになりたい」とファンに語りかけた。
メジャー初ツアーは晴れやかな大団円へ
その後、TRiDENTは客席の大合唱と目まぐるしいムービングライト演出が交差した「IMAGINATION」に続き、ラストナンバーとして「カントリー・ロード」を披露。性急なダブルタイムビートでオーディエンスのタオル回しやサークルモッシュを引き起こす。終盤の「ラララ」のパートでは、シンガロングがバンドの放つ爆音を飲み込むほどの大音量に達した。会場が清々しい大団円ムードで満たされたのち、ライブはアンコールへ。3人は「約束の東京ドームへ向かって進んでいけるように願いを込めて!」と前置きしたうえで、開放的なメロディックパンクチューン「シグナル」を熱演。会場内すべての人の表情をハッピースマイル一色に塗りつぶし、充実のメジャー初ツアーに晴れやかな終止符を打った。
また、公演中にはTRiDENTの活動6周年を記念したフリーライブ「天下無双!無敵の無料ワンマンライブ」が5月5日に東京・Veats Shibuyaで行われることが発表された。詳細はオフィシャルサイトなどで確認を。
セットリスト
「TRiDENT BLUE DAWN TOUR 25-26」2026年1月23日 WWW X
01. NEW ERA
02. Bite the bullet
03. DISCORD
04. KICKASS
05. DISTINATION
06. Haha!
07. MIRACRAID
08. 恋のマジックポーション
09. JUST FIGHT
10. iCON
11. CHANGE
12. CRY OUT
13. 黎明ノ詩
14. IMAGINATION
15. カントリー・ロード
<アンコール>
16. シグナル
今後の公演情報
TRiDENT 6th Anniversary「天下無双!無敵の無料ワンマンライブ」
2026年5月5日(火・祝)東京都 Veats Shibuya
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