懐かしい!
「マカロックツアーvol.20」は8月31日に北海道・Zepp Sapporoでスタートし、全国のZepp会場5カ所を回ったFCツアー。この記事では最終日25日のZepp DiverCity(TOKYO)公演の模様をレポートする。
ツアーファイナルのチケットはソールドアウト。Zepp DiverCity(TOKYO)は筋金入りのマカロッカー(マカロニえんぴつファンの呼称)で埋め尽くされ、はっとり(Vo, G)、高野賢也(B, Cho)、田辺由明(G, Cho)、長谷川大喜(Key, Cho)、サポートの高浦“suzzy”充孝(Dr)の登場で歓喜の声にあふれる。マカロニえんぴつはファンクラブ公演の幕開けにぴったりの「OKKAKE」でにぎやかなアンサンブルを奏でると、瑞々しいバンドサウンドが炸裂する「サウンドオブサイレン」「眺めがいいね」を投下。はっとりは思わず「懐かしい!」と叫び、「On guitar 兄貴!」の合図で田辺がキレのあるギターを轟かせた。
楽園の案内人が降臨
はっとりが「労働ってお好きですか? 時間と体力をお金に変える作業はお好きですか? ライブハウスで汗と涙を思い出に変えるのはお好きですか?」と投げかけるとそのまま「働く女」に突入。長谷川のキーボードを軸とした洒脱なサウンドに観客はすっかり酔いしれる。「オタクしかいない日だからコアな曲やるよ。そういうの好きでしょ?」と言うはっとりに続いて、高野は「喜んでくれる人の顔を見るために音楽を作ってるじゃん?」とメンバーに目配せ。高野作曲の「イランイラン」に移ると、息の合ったツインギターや、生き生きと躍動する高野のベースが印象的に響いた。
ライブ前半はインディーズ期の楽曲が並ぶが、よりコアなマカロッカーに向けた選曲も。熱波師の資格を持つ田辺がサウナ愛を詰め込んだハードロックチューン「TONTTU」が始まれば、ステージがスモークに包まれ、ライトで真っ赤に染まる。まるで火の海のような舞台で、田辺はフライングVを荒々しくプレイ。楽園の案内人“TONTTU”とやりとりするセリフパートを経て、耳をつんざくようなはっとりのハイトーンと田辺のシャウト混じりの低音ボーカルが鮮烈なインパクトを与えた。続いて、すでに廃盤となっている2014年リリースのライブ会場限定シングルから「サンキュー・フォー・ザ・ミュージック」が披露されると、先ほどまでの強烈な世界観から一変して牧歌的なムードに。温かな合唱が場内にこだまする。その後、愛を高らかに届ける新曲「いつか何もない世界で」やファンに高い人気を誇る「ネクタリン」も届けられた。
田辺が脱ぐ
「嵐の夜にそっと」という歌詞で始まる「月へ行こう」のあとには「春の嵐」へ。繊細でどこかノスタルジックなアンサンブルが紡がれ、マカロッカーは心地よさそうに手を揺らした。深い余韻の残るフロアで、はっとりは「こういう機会がないと過度に古い曲はやらないから、FCツアーはいい機会になってます」「まったく売れていなくて、特別なものは持っていないなと塞ぎ込んでいたあの頃。今この曲を聴くと、あの頃にもう大事なものはそろっていて、あとは準備するだけだったんだなと思いました」としみじみ語る。そんな言葉のあと、メンバーは2016年リリースの会場限定シングル「メイビーネイビー / enough」より「enough」を情感豊かに披露。「洗濯機と君とラヂオ」「哀しみロック」「ワンドリンク別」というキラーチューンを怒涛の勢いで畳みかけ、フロアを大きく揺らした。会場に集まったのは紛うことなきマカえんファンということもあり、はっとりは普段のライブ以上にシンガロングを煽った。アッパーチューンの連続に盛り上がりはピークを迎え、田辺はシャツを脱いでタンクトップ姿に。鍛え上げた肉体で衝動のままに音を鳴らした。
「愛の波」「愛の手」というエモーショナルなロックナンバーを終えると、はっとりは「最近は自分の殻にこもる曲ばかり書いていて。今度はマカロニえんぴつをあなたが救い出してくれるんじゃないかと期待しているからだと思います。あなたあってのマカロニえんぴつです。これからも似た者同士、手をつないでいきましょう」とメッセージを伝える。そしてマカえんにとってより特別な思い入れのある「静かな海」「ヤングアダルト」で本編を終えた。
レアなアンコール
終演後のアナウンスが流れたあとも、アンコールを求めるマカロッカーの声はやまない。熱烈なラブコールに応え、マカえんはめったに行わないアンコールでもう1曲披露。ライブ定番「ハートロッカー」を熱演し、この日一番の大合唱を巻き起こした。余力を使い果たすようなストイックなパフォーマンスで最後までオーディエンスを楽しませたマカえんは充実した表情で舞台を去った。
マカロニえんぴつは10月3日に新曲「化け物」を配信し、12月10日にメジャー3rdフルアルバム「physical mind」をリリース。2026年1月から4月にかけてホールツアー「マカロックツアーvol.21 ~心を覗いてシラけるより、ことばのシワだけ増やしてゆけ篇~」を行う。
セットリスト
「マカロックツアーvol.20 ~むしろウチらが追っかける!愛を掴んでホールドオン篇~」2025年9月25日 Zepp DiverCity(TOKYO)
01. OKKAKE
02. サウンドオブサイレン
03. 眺めがいいね
04. 働く女
05. イランイラン
06. TONTTU
07. サンキュー・フォー・ザ・ミュージック
08. いつか何もない世界で
09. ネクタリン
10. 恋人ごっこ
11. 月へ行こう
12. 春の嵐
13. enough
14. 八月の陽炎
15. 然らば
16. 洗濯機と君とラヂオ
17. 哀しみロック
18. ワンドリンク別
19. 愛の波
20. 愛の手
21. 静かな海
22. ヤングアダルト
<アンコール>
23. ハートロッカー
公演情報
マカロックツアーvol.21 ~心を覗いてシラけるより、ことばのシワだけ増やしてゆけ篇~
2026年1月17日(土)埼玉県 狭山市市民会館 大ホール
2026年1月18日(日)埼玉県 狭山市市民会館 大ホール
2026年1月23日(金)兵庫県 アクリエひめじ(姫路市文化コンベンションセンター) 大ホール
2026年1月24日(土)和歌山県 和歌山県民文化会館 大ホール
2026年1月31日(土)石川県 金沢歌劇座
2026年2月1日(日)新潟県 新潟県民会館 大ホール
2026年2月7日(土)広島県 広島文化学園HBGホール
2026年2月8日(日)山口県 KDDI維新ホール
2026年2月11日(水・祝)鳥取県 米子コンベンションセンター BiG SHiP
2026年2月14日(土)高知県 高知県立県民文化ホール オレンジホール
2026年2月15日(日)香川県 レクザムホール(香川県県民ホール) 大ホール
2026年2月21日(土)宮城県 仙台サンプラザホール
2026年2月22日(日)青森県 リンクステーションホール青森(青森市文化会館)
2026年2月26日(木)愛知県 Niterra日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
2026年2月27日(金)愛知県 Niterra日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
2026年3月6日(金)静岡県 アクトシティ浜松 大ホール
2026年3月11日(水)東京都 東京ガーデンシアター
2026年3月12日(木)東京都 東京ガーデンシアター
2026年3月15日(日)北海道 札幌文化芸術劇場hitaru
2026年3月16日(月)北海道 札幌文化芸術劇場hitaru
2026年3月25日(水)福岡県 福岡サンパレス
2026年3月26日(木)福岡県 福岡サンパレス
2026年3月30日(月)大阪府 フェスティバルホール
2026年3月31日(火)大阪府 フェスティバルホール
2026年4月4日(土)沖縄県 沖縄コンベンションセンター劇場棟
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マカロニえんぴつ「physical mind 完全生産限定盤(OKKAKE盤)」
[CD+Blu-ray] 2025年12月10日発売 / TOY'S FACTORY / PPTF-8190~8191
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たえ @taetae_1118
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