美狂乱はギタリスト兼リーダーの須磨邦雄によって1974年に結成されたプログレッシブロックバンド。1983年発表の2ndアルバム「パララックス」は完成度の高さから傑作と評された。バンドは日本におけるプログレッシヴロックの創成期を担い、“和製キング・クリムゾン”の異名をとった。
「ブラッドライナーズ」のレコーディングは須磨邦雄の息子である須磨和声(Vn, Cho)や実姉の三枝晴美(Vo)を加えたメンバーにより、須磨邦雄らの生まれ故郷であり活動拠点でもある静岡県富士宮市で行われた。計9曲入りのCDは紙ジャケット仕様で発売され、ジャケットとブックレットには写真家・内藤忠行のアートフォトを使用。ブックレットにはメンバーによるセルフライナーノーツも掲載される。
須磨邦雄(G, Cho)によるセルフライナーノーツ
作品テーマは血族。
自身と血族者との系譜を取り上げたアルバムです。
2つ違いの姉は独特の音楽感を持っていた。
少ない情報から進むべき方向を開拓していく行動力も持っていた。
小学校5年生の頃、理解のある両親から与えられたドレッドノートタイプのデカいYAMAHAのアコギと音楽雑誌の付録のコード譜で、当時流行りの楽曲を毎日弾き倒していた。
ピアノ教室にも通っていた姉を私は影に隠れて羨ましがっていたものだった。
エリートの姉と何も持っていない弟という、何処にでもあるごく普通の家族の関係だった。
負けず嫌いの私はそんな姉をギャフンと言わせたいと常々思っていて、家にあった足踏みオルガンでテレビアニメのテーマ曲を耳コピして張り合うのだが、演奏状態を鼻であしらわれたものだった。
ただ、エレキギターに関してはちょっと状況が違った。貧乏長屋住まいの須磨家の隣りに住んでいた5歳上の住人が、当時爆発したエレキブームに乗っかり何処からか手に入れたギターとアンプを大音量で掻き鳴らしたのだ。びっくりした私は何事かを知り何の抵抗もなく直ぐに夢中になった。
それ以来姉とは互いの方向性を尊重し合い独自の方法論で歩む事になった。
今もそこは、お互い譲れない一線はあるものの互いを認め合っている間柄だ。
息子に関しては世の常として、単純に自分の理想を押し付けた形になるのだが、彼も当然の事としてそれを受け入れ邁進していることは親として嬉しい。やはり、血として何の抵抗もなく同じ方向を向いた進化は須磨家にも紛れもなく存在している。それを改めて確認したアルバムとなった。
美狂乱「ブラッドライナーズ」収録曲
01. ショート・フィルム
02. Lock Me
03. 砂の宮殿
04. Check1・2・3
05. 夢の出口
06. BloodlinerⅡ
07. グリム
08. 地殻変動
09. BloodlinerⅠ
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美狂乱「ブラッドライナーズ」
[CD] 2025年9月12日発売 / June Dream / IACD11600
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