混沌、調和、そして熱狂 Bialystocksの音楽への追求心たぎる2ndツアー終了

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Bialystocksの全国ツアー「Bialystocks 2nd Tour 2023」の追加公演が9月10日に東京・EX THEATER ROPPONGIで開催された。

「Bialystocks 2nd Tour 2023」EX THEATER ROPPONGI公演の様子。(Photo by Kana Tarumi)

「Bialystocks 2nd Tour 2023」EX THEATER ROPPONGI公演の様子。(Photo by Kana Tarumi)

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6月に東京・東京キネマ倶楽部で開幕し、Bialystocksが初めて5都市を巡ったこのツアー。彼らは朝田拓馬(G)、Yuki Atori(B)、小山田和正(Dr / ex. ソノダバンド)、秋谷弘大(Syn, G)というサポートメンバーを迎えた6人編成で全国を回り、楽曲に大胆なアレンジを施したり、ライブ中に斬新な仕掛けを用意したり、音楽への追求心を昇華させたような内容でファンに驚きと興奮をもたらした。彼らにとって最大規模のワンマンであった追加公演では、6人にコーラスのオオノリュータローと早川咲も加えた8人編成となり、これまで以上に迫力のあるサウンドで全22曲が奏でられた。

菊池剛(Key)(Photo by Kana Tarumi)

菊池剛(Key)(Photo by Kana Tarumi)[拡大]

暗闇の中で流れる「Winter」の旋律を用いたSEが、観客のライブへの期待感を加速させる。ライブの始まりを告げたのは、セットリストの後半に配されることの多いキラーチューン「Nevermore」だ。冒頭ブロックではその後も1stアルバム「ビアリストックス」の収録曲が極めて高い完成度で届けられた。ノスタルジックなメロディの「ただで太った人生」から菊池剛(Key)のシンセでシームレスにつながった「差し色」では、ほかの楽器がフェードアウトしたのち、Atoriがスポットライトを浴びながら巧みなベースソロで観客の視線と鼓膜を独占。およそ3分半にわたるプログレッシブな独奏がフィナーレを迎えると、フロアから大きな拍手と歓声が送られた。

甫木元空(Vo)(Photo by Kana Tarumi)

甫木元空(Vo)(Photo by Kana Tarumi)[拡大]

続いて跳ねるようなアレンジが新鮮な「朝靄」から、不穏で美しいコーラスワークが光る「All Too Soon」へ。その終盤、複雑なリズムを刻むドラムとベースの上で、菊池と朝田がバトンを渡し合うように、あるいは競り合うようにセッションを繰り広げた。カオティックなまでに白熱した演奏が調和を取り戻した瞬間、甫木元空(Vo)が完璧なタイミングで歌声を乗せる。観客は拳を突き上げ、大きな歓声でメンバーたちの熱演を称えた。

メンバーの熱演を撮影する甫木元空(左)。(Photo by Kana Tarumi)

メンバーの熱演を撮影する甫木元空(左)。(Photo by Kana Tarumi)[拡大]

「夜はまだまだ終わらない」。そんな「All Too Soon」のフレーズの通り、見どころに満ちたライブはまだまだ終わらない。中でも聴衆に強いインパクトを残したのが「あくびのカーブ」のパフォーマンス。この曲では、アウトロで熱烈なセッションを披露するAtori、小山田、朝田を残してメンバーが一時退場。そして甫木元がムービーカメラを持って登場し、演奏する彼らを撮影してステージ上のスクリーンにリアルタイムで映し出した。映画監督 / 映像作家としても活躍する甫木元の撮影姿に、フロアは大きな盛り上がりを見せる。さらにそこへギターを持った菊池と秋谷が合流し、朝田と一緒にトリプルギターを披露するという、要素盛りだくさんのステージが展開された。

「Bialystocks 2nd Tour 2023」EX THEATER ROPPONGI公演の様子。(Photo by Kana Tarumi)

「Bialystocks 2nd Tour 2023」EX THEATER ROPPONGI公演の様子。(Photo by Kana Tarumi)[拡大]

星のような電灯がステージ上部、雪のようなライトがメンバーの足元を照らした「Winter」から、ライブはいよいよ終盤へ。「頬杖」では甫木元のフェイクが冴え渡り、「I Don't Have a Pen」ではただでさえ高揚感あふれるアウトロがロングバージョンで披露され、さらなる熱狂を生み出した。最新曲「Branches」で幻想的な空間を作り上げたBialystocksは、ポップチューン「Upon You」で観客と一体に。そして「全6カ所、それぞれのリアクションがあり、楽しい日々でした。また一緒に音楽ができたらと思っております」と甫木元がツアーの所感を述べたのち、「光のあと」をエネルギッシュに演奏してステージをあとにした。

「Bialystocks 2nd Tour 2023」EX THEATER ROPPONGI公演の様子。(Photo by Kana Tarumi)

「Bialystocks 2nd Tour 2023」EX THEATER ROPPONGI公演の様子。(Photo by Kana Tarumi)[拡大]

アンコールは美しいメロディの「日々の手触り」でスタート。菊池は観客に感謝の気持ちを伝え、本公演を一緒に作り上げたサポートメンバーを1人ずつ紹介した。さらに彼らは10月頃に新曲をリリースすること、2024年1月18日にBialystocksの2人編成ライブを開催することをアナウンス。新たな告知でファンを喜ばせ、最後に展開がドラマチックな「雨宿り」を情感たっぷりに披露して自身最長のツアーを締めくくった。

各音楽配信サービスでは本公演のセットリストをなぞるプレイリストを公開中。スペースシャワーTVでは本公演のダイジェストが10月12日22:00より放送される。

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「Bialystocks 2nd Tour 2023」2023年9月10日 EX THEATER ROPPONGI セットリスト

01. Nevermore
02. コーラ・バナナ・ミュージック
03. 花束
04. またたき
05. EMPTYMAN
06. Over Now
07. ただで太った人生
08. 差し色
09. 朝靄
10. All Too Soon
11. 灯台
12. フーテン
13. あくびのカーブ
14. Winter
15. Thank You
16. 頬杖
17. I Don't Have a Pen
18. Branches
19. Upon You
20. 光のあと
<アンコール>
21. 日々の手触り
22. 雨宿り

スペースシャワーTV「Bialystocks 2nd Tour 2023[追加公演]EX THEATER ROPPONGI(2023.09.10)」

2023年10月12日(木)22:00~23:00

Bialystocks 二人編成ライブ 2024 冬

2024年1月18日(木)東京都 渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール

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Bialystocks @bialymusic

MEDIA - 📝Live Report
#Bialystocks_Media

音楽ナタリー (@natalie_mu) にて
"Bialystocks 2nd Tour 2023"[追加公演]
at. EX THEATER ROPPONGI
のライブレポートが掲載されました!
https://t.co/W4MjyyZvaR

#Bialystocks_2nd_Tour
#ビアリストックス https://t.co/ExNkWM4KEY

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