2016年より毎年各メンバーの誕生日前後にソロライブを行っているエビ中。昨年よりその輪に加わった風見は、16歳の誕生日である8月25日を前に、弾けるような笑顔と透き通った歌声で成長期の自身を存分にアピールした。
エビ中のライブでおなじみのオープニングSE「ebiture」が場内に響くと、客席のエビ中ファミリー(私立恵比寿中学ファンの呼称)は期待に満ちた眼差しでステージを見つめる。そんな中、真っ白な衣装に身を包んだ風見はステージではなく、客席の後方から登場。意表を突かれて驚くファンをよそに「みんなー! こっちだよー!」と無邪気な声を上げ、「Lon de Don」でにぎやかにライブをスタートさせた。風見は歌いながら客席を練り歩き、ステージに到着するとそのまま「サクラ・ゴーラウンド」を伸びやかに歌い上げる。自己紹介を挟み、さらに「YELL」「踊るガリ勉中学生」とエビ中のポップチューンが立て続けにパフォーマンスされた。「踊るガリ勉中学生」の間奏のセリフパートでは、風見が突如ステージ袖から白い犬のぬいぐるみを取り出し、「『犬の散歩』ってタイトルなのに犬要素がまったくないと思って持ってきました!」「これね、お母さんとお姉ちゃんが買ってくれたの! 名前募集してます!」と楽しげに熱弁した。
「みんながコールを全部『ののか!』って言ってくれてうれしいです」とソロライブならではの感想を語った風見は、本人のこだわりが詰まった衣装をアピール。一見かわいらしい衣装だが、風見の「大人っぽいものを着てみたい」という思いから、背中と肩は肌を露出したデザインとなっている。続いてステージに黒電話が運び込まれ、風見がそっと歌い出したのは、薬師丸ひろ子の「あなたを・もっと・知りたくて」。大人びたムードを持つこの曲で、風見は情感のこもった艶やかな歌声を響かせた。さらに「皆さんの大事な人を思い描きながら聴いてください」と、aikoの「ボーイフレンド」を歌唱。くるくると表情を変えながら歌う風見と、その姿を一心に見つめる観客によって、場内は温かなムードに満ちた。
「今年は直接聞いていきたいと思います!」と手を挙げた風見が展開したのは、エビ中メンバーのソロライブではおなじみとなっている質問コーナー。風見は「みんなで遠吠えしたいです」というエビ中ファミリーの願いを叶えるべく、会場に集まった全員と一斉に「ワン!」と吠え、「16歳の目標は?」という質問には「目標はあとで言おうと思ってるから、やりたいことを言うね! バンジージャンプがしてみたいです!」と、さまざまな質問に臨機応変な対応を見せた。このコーナーではそのほか、風見がエビ中以外で目標にしているアーティストが上白石萌音であること、身長が伸びて小林歌穂の次にグループで長身であることも明らかになった。
エビ中のバラードナンバー「宇宙は砂時計」「ちがうの」を立て続けに熱唱した風見は、伏せていた目をしっかりと客席のファンへ向けると、「質問にもありましたが、16歳の目標を話したいと思います」と切り出す。風見はエビ中“転入”(加入)からここまでの活動を振り返り、「風見和香とはこういう感じなんじゃないだろうかっていうのを自分なりに見つけられた気がするんです。16歳は『エビ中にはののかまるがいないとエビ中らしくないよね』って言われるくらいの自分らしさを突き詰めたいです」とまっすぐな思いを口にした。
さらに「『ごめん』より『ありがとう』を多く言えるようになりたいです!」と付け加え、晴れやかな表情を浮かべた風見は、質問コーナーで目標に挙げていた上白石の「HAPPY」をカバー。愛犬・QOOとともに散歩をしている姿がステージ後方のスクリーンに映し出される中、出会えた喜びを歌うナンバーで高らかな歌声を響かせた。この日最後の1曲としてパフォーマンスされたのは、エビ中の「スターダストライト」。この曲中のみ写真撮影可能であることがアナウンスされると、観客は慌ててスマートフォンを取り出し、風見の姿を写真に収める。大サビでは銀テープが発射され、フロアをきらびやかに彩った。
アンコールでは、風見の幼少期のエピソードをもとに彼女の家族が作成したクイズ企画「覚えてるかな? チビののかまるクイズ」が行われ、同期メンバーの桜木心菜と小久保柚乃もサプライズゲストとして登場。2人は「赤ちゃんのとき前髪の分け目」「小学生のときに好きだった給食の第1位」「家族で出かけた際に食べたパンケーキに書かれていたイラスト」など、本人の記憶もおぼろげな風見家秘蔵のエピソードを題材にした難題を次々と出題した。回答を間違えると、これも家族の発案により、罰として風見の顔に墨が塗られることに。「和香の顔に落書きするために出てきた!」と笑う出題者2人の大胆な筆致で、風見の顔は正解不正解関係なく、みるみる黒く染められていく。風見はクイズの合間に「私の顔まだかわいいですか?」と何度も客席のファミリーに問いかけ、ファミリーはそのたびに「まだかわいいよ!」と声をかけた。
ラストの問題が終わり颯爽とステージをあとにする桜木と小久保を見送った風見は、「正直に言って? かわいくないよね……?」と不安げに眉を寄せるも、「かわいい!」という声援に「まあいっか! かわいいってことにしよう!」と開き直り、アンコール曲「きっとインフィニティー!」をハイテンションにパフォーマンス。墨まみれの弾けるような笑顔で、2度目のソロライブを締めくくった。
風見和香生誕ソロライブ「ののかまると犬の散歩~みんなで吠えよう!~」2023年8月17日 東京・Zepp DiverCity(TOKYO)セットリスト
01. Lon de Don
02. サクラ・ゴーラウンド
03. YELL
04. 踊るガリ勉中学生
05. あなたを・もっと・知りたくて(オリジナル:薬師丸ひろ子)
06. ボーイフレンド(オリジナル:aiko)
07. 宇宙は砂時計
08. ちがうの
09. HAPPY(オリジナル:上白石萌音)
10. スターダストライト
<アンコール>
11. きっとインフィニティー!
★まさよし隊員💋🐶💜@★ @dorimasayoshi
ナタリーの記事は、ほんま現場の熱伝えてくれる。ありがとう
【ライブレポート】エビ中・風見和香16歳は「自分らしさを突き詰める」アンコールは墨まみれで満面の笑み(写真35枚) https://t.co/p4D00McjC7