原由子13年ぶりソロライブでキャリア縦断した22曲披露、ラストのサプライズに会場興奮

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原由子(サザンオールスターズ)が神奈川・鎌倉芸術館で3月6日と7日の2日間にわたってワンマンライブ「婦人の肖像(Portrait of a Lady)」を開催した。彼女がソロライブを行なったのは、2010年7月に同会場で実施された「原由子スペシャル『はらばん』鎌倉ライブ」以来13年ぶり。2日目の模様は全国13都市16館の劇場でライブビューイングも行われ、日本中で多くの人々が彼女のひさびさのソロライブを目撃した。この記事では2日目のライブをレポートする。

原由子(撮影:西槇太一)

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原由子の鎌倉芸術館ワンマンライブの様子。(撮影:西槇太一)

原由子の鎌倉芸術館ワンマンライブの様子。(撮影:西槇太一)[拡大]

新型コロナウイルスの感染拡大後はほとんどのライブで声出しが禁止されていたが、政府の行動制限の緩和を受けて、今回のライブはマスク着用を条件に観客の声出しを解禁。ライブが始まって原がステージに現れると、場内は興奮に満ちた歓声があふれ、原は笑顔で手を振ってそれに応えた。そして彼女は1曲目として、自身がリードボーカルを担当するサザンオールスターズの曲「鎌倉物語」を挨拶代わりに披露。スクリーンに映る、江ノ島や江ノ電などを描いた水彩画をバックに、鎌倉の会場に足を運んでくれた来場者たちをもてなすように優しい歌声を届けた。バンドメンバーは斎藤誠(G)、小倉博和(G)、角田俊介(B)、河村“カースケ”智康(Dr)、曽我淳一(Key)、山本拓夫(Sax)、西村浩二(Trumpet)、金原千恵子(Violin)、笠原あやの(Cello)、村石有香(Cho)の10名。彼らの卓越したダイナミックな演奏が、原の透明感のあるボーカルを支えていた。

原由子の鎌倉芸術館ワンマンライブの様子。(撮影:西槇太一)

原由子の鎌倉芸術館ワンマンライブの様子。(撮影:西槇太一)[拡大]

続けて「涙の天使に微笑みを」「少女時代」と、90年代の原の代表曲と言える2曲を歌った彼女は、「まさか高齢者になって『少女時代』を歌うことになるなんて、この曲を作ったときには夢にも思いませんでしたけど、とっても幸せなことだと思っています」と笑顔に。そしてここからは、昨年10月にリリースされた最新アルバム「婦人の肖像 (Portrait of a Lady)」の曲を中心に、過去の人気曲も織り交ぜながらライブが進行していく。「オモタイキズナ」ではダンサーも登場し、曲中に登場する男女の心情を表現するようなパフォーマンスを展開。旅心を掻き立てるような「花咲く旅路」「旅情」「京都物語」が3連続で披露されたのち、軽快なモータウンビートの「恋は、ご多忙申し上げます」では総立ちの観客が肩を揺らしながら手拍子をした。

メンバー紹介の際、金原と笠原は桑田佳祐「銀河の星屑」をバイオリンとチェロで演奏してみせ、村石は自らの代表曲であるアニメ「キテレツ大百科」オープニングテーマ「お料理行進曲」を歌唱。客席が沸く中、原は「私も行進曲を作ってみたので、聴いてみてください」と言い、Netflixシリーズ「ぐでたま ~母をたずねてどんくらい~」の主題歌「ぐでたま行進曲」をパフォーマンスした。

原由子(撮影:西槇太一)

原由子(撮影:西槇太一)[拡大]

原由子(撮影:西槇太一)

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ここまで原は全曲キーボードを弾きながら椅子に座って歌っていたが、ジャジーなムードの「夜の訪問者」はハンドマイクでステージに立ち体を揺らしながら歌い、「ヤバいね愛てえ奴は」「Good Times~あの空は何を語る」はアコースティックギターを爪弾きながらフォーキーな演奏を展開。ライブ終盤に差し掛かると「あじさいのうた」「鎌倉 On The Beach」「ハートせつなく」と新旧の人気曲で会場を盛り上げた。そして本編ラストは「スローハンドに抱かれて(Oh Love!!)」「じんじん」という原由子流のロックンロールナンバー2曲。エリック・クラプトンをモチーフにした「スローハンドに抱かれて(Oh Love!!)」の最後でDerek and the Dominos「いとしのレイラ」を思わせるギターのメロディが流れると、そのままノンストップで「じんじん」に突入し、ステージから客席に向けて銀テープが発射された。ツイストを踊るダンサーたちに囲まれながら原もハンドマイクで体を揺らして歌い、割れんばかりの声援に包まれながらライブはフィナーレを迎えた。

サプライズ出演した桑田佳祐と原由子が「いつでも夢を」を歌う様子。(撮影:西槇太一)

サプライズ出演した桑田佳祐と原由子が「いつでも夢を」を歌う様子。(撮影:西槇太一)[拡大]

アンコールでは4曲を披露。43年前に初めてリードボーカルを担当したサザンオールスターズ「私はピアノ」を歌った彼女は、観客に向けて「一緒に歳を取って応援してくれた皆さん、ありがとうございます。最近いろいろ心配なことも多いですけど、お互い元気にがんばりましょうね!」と呼びかけた。最後に彼女が吉永小百合と橋幸夫のカバー「いつでも夢を」を歌い始めると、途中で舞台の袖から桑田佳祐が歌いながら登場。このサプライズ演出に、客席からは歌声を掻き消すほどの叫び声が響き渡った。桑田は膝をついて、小さな花束を原に渡し、そのまま2人は息の合ったデュエットを披露。間奏で桑田は原に「13年ぶりだって? 何やってんの! 毎年やろう!」と精力的にライブ活動をすることを勧めていた。なお、原によると今回のライブの選曲などは桑田が中心となってサポートしていたとのこと。ライブが終わってからも夫婦漫才のような2人のトークは続き、桑田が「原由子の夫でございます」と挨拶すれば、原はそれに「桑田佳祐の妻です」と応え、桑田が原の名前を「竹内まりやです」と紹介する冗談に対し、原はすかさず「(山下)達郎の妻です」と頭を下げていた。

原にとって13年ぶりとなったライブは、自身のボーカリストとしてのキャリアを縦断したセットリストで22曲が披露され、大盛況のうちに閉幕した。なお各ストリーミングサービスでは、このライブのセットリストで構成されたプレイリストが公開されている。

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原 由子 スペシャルライブ 2023「婦人の肖像(Portrait of a Lady)」2023年3月6・7日 鎌倉芸術館 セットリスト

01. 鎌倉物語
02. 涙の天使に微笑みを
03. 少女時代
04. 千の扉~Thousand Doors
05. オモタイキズナ
06. 花咲く旅路
07. 旅情
08. 京都物語
09. 恋は、ご多忙申し上げます
10. ぐでたま行進曲
11. 夜の訪問者
12. ヤバいね愛てえ奴は
13. Good Times~あの空は何を語る
14. あじさいのうた
15. 鎌倉 On The Beach
16. ハートせつなく
17. スローハンドに抱かれて(Oh Love!!)
18. じんじん
<アンコール>
19. いちょう並木のセレナーデ
20. 私はピアノ
21. 初恋のメロディ
22. いつでも夢を

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