グループ結成当初より“3年以内にZeppでワンマンライブ開催”を目標に活動を行ってきたリルネードは、目標の舞台での本公演を1つの区切りとしてグループを解散することを6月に発表していた。Zepp DiverCity(TOKYO)はリルネード史上最大のキャパシティながら場内は満員。会場に足を運べなかったファンも生配信で彼女たちの晴れ舞台を見守った。
定刻を10分ほど過ぎて会場内の照明が落とされると、ステージ後方のスクリーンに、これまで公開されたミュージックビデオなどから制作された3人のオープニング映像が流れる。映像が終わると舞台裏で円陣を組む彼女たちの声が届き、フロアではメンバー登場前から拍手喝采。ライブでお馴染みの「Overture」に乗せ、白のレースを基調とした衣装を身にまとい登場した3人は「ラビンNν」で最後のライブをスタートさせた。続けて披露されたのは、かわいくなりたい気持ちを歌った「東京プリンセス」。栗原舞優は「リルネードラストライブ、楽しんでいきますよ!」と観客を煽る。「Sweet Second Date」でデート前の高まる気持ちをキュートに表現したかと思えば、振り付けを
4曲を一気に歌った3人は、ここでそれぞれ自己紹介を行い、桐原美月は身振り手振りを交えながら公演タイトルを読み上げる。蔀祐佳が6月の解散発表からこの日までの体感を「新幹線!」と乗り物の速度に例えると、栗原も「私はジェット機くらいの速さだったよ」と答えた。豪華なステージセットに大興奮の3人は「図面で想像していたよりも立体的!」と盛り上がるが、ステージ袖のスタッフからメンバーにMCを巻くようにと指示が入る。「今日はいっぱい曲をやるから!」と「純白のリルネード」でライブを再開すると、アップテンポなナンバー「ラッタパリニャ」で熱の入ったパフォーマンスを披露し、続く「オトメ・オルメタ」ではオーディエンスも巻き込み一緒に踊った。
ライブはまだ序盤ではあるものの、3人はここで3年間の思い出を振り返ることに。蔀はファンとメンバーに感謝を伝え、「本当にこのグループでよかったです」と素直な思いを口にする。「私がしゃべり終えちゃうとライブが進んで着々と終わりが近付いてきちゃうから、終えたくない気持ちもあります。でもここで終わりにしないといけないと言うことで」と言葉を区切ると、蔀は「みんなだーいすきです! 3年間楽しかったー!」と大きな声で叫んだ。「明日もリリイベしたいよね」という蔀の言葉には、観客も拍手で賛同した。桐原はリルネードがデビュー時からの目標としていたステージに立てている喜びとファンへの感謝を語るも、「この先の目標を3人で語れないんだと思ったら寂しい気持ちがあります」と切ない気持ちを打ち明ける。「ファンの皆さんが大きい愛情で抱きしめてくれたから、寄り道はしてもここまでまっすぐ来ることができました」と自身の思いを話した彼女は「みんな本当に私のこと好きそうじゃん? 好きじゃん? 私はその愛に応えられた自信があるし、みんなのことを幸せにできたと思います!どうですか?」と大きな声で問いかけた。栗原はリルネードの初ライブで観客が3人だったことを思い返しつつ、3年で目標のZeppを満員にできたことをしみじみと喜ぶ。特別な個性のなかった自分が「リルネードにはまゆちゃんが必要なんだよ」「まゆちゃんが好きなんだよ」というメンバーやファンの言葉に励まされ変われたこと、「夢は叶うんだ」と実感できたリルネードでの3年間について語った栗原は「青春を捧げてよかったなと思うグループでした」と達成感に満ちた笑顔を見せた。
3人の言葉に温かくも感傷的なムードが広がる中、次に披露されたのは新曲「スプラウト」。スポットライトに照らされた桐原、蔀、栗原は、ゆったりとしたバラードソングをピアノの旋律に乗せてしっかりと歌い上げた。続く「フォークソング」で優しい歌声を届けた3人がアウトロで姿を消すと、暗転したステージ上で「きらめき、いま、見えるでしょ?」のミュージックビデオが上映される。MVが終わると、メンバーカラーの衣装にチェンジした3人がステージへ。「もうわたしを好きになってる君へ」でライブは後半戦へと突入し、続く「ティーンエイジ」では人差し指を左右に揺らすようなメンバーの振り付けに合わせ、観客もサイリウムを揺らす。小さなフラッグを手にパフォーマンスされた「サルネ!」では、曲の途中で栗原のフラッグが壊れるアクシデントが発生。続く「マダガスカルはどこですか?」でも音声トラブルが起きてしまったが、3人は想定外のハプニングも楽しみながら乗り切った。
最後の晴れ舞台のために用意された新衣装は「プリキュア」をイメージしたデザイン。メンバーは衣装のお気に入りポイントについてハイテンションで話し始めるが、またもステージ袖のスタッフから「巻いてください」の指示が出てしまう。3人は物足りなさそうな表情を浮かべながらも「最後だからしょうがないな!」とMCを締めくくり、表情豊かに「魔法のドレスコード」をパフォーマンス。「今夜、ロマンチック劇場で」をポップに歌い上げたあと、「夏のレコードがまわりだす」では「皆さんも一緒に!」と曲名にちなんだレコードを回すような振り付けを真似るようにオーディエンスに声をかけて盛り上がり、畳みかけるように「ふたりのサマーデイズ」を艶のある声で歌唱した。3年の間に増えた手持ちの楽曲をこの日のセットリストに全部詰め込んだことや、新曲が制作陣からの卒業メッセージであったことに触れた3人は、ライブの残りが2曲であることを明かす。「ラストスパート、まだまだ楽しめますかー?」という栗原の声に大きな拍手で応えたオーディエンスは、「ぎゅっとして!」で一斉にジャンプ。ラストナンバー「王道的なLOVEソング」では、力いっぱいパフォーマンスする3人のラストステージに華を添えるように3色の銀テープが勢いよく発射された。
アンコールの拍手を受けてTシャツ姿で再度ステージに立ったリルネードは、自分の担当カラーを点したサイリウムを手に「クレイジーアラーム」を披露した。「アンコールありがとうございます!」と会場を見渡した3人は、カメラマンを呼び込みファンと一緒に記念撮影。蔀は「人生で一番緊張しながら迎えた」というこの公演について「今まで見た景色で一番広いなと感じました。これがみんなの愛の器の広さなんだなって」と話し、桐原はシンプルに「楽しい」とひと言。栗原は「超幸せ! 本当に皆ありがとう! 大好き!」と思いを伝え、さらに「大きなステージを1周したい!」と、便乗した蔀とともにステージ上をぐるりと駆け回ってその広さを堪能した。そして、3人は最後に披露する曲タイトルを声をそろえて読み上げようとするも、蔀が曲名を間違えてしまい、やり直しに。栗原の「時を巻き戻そうか!」というひと声で、3人は先ほどまで行われていたMCまで強引にタイムスリップし、改めて曲名をコールした。ミラーボールがきらめくステージで、リルネードが3年間を締めくくる最後の1曲として選んだのは「きらめき、いま、見えるでしょ?」。表情豊かにパフォーマンスを終え、栗原は「私たちの曲を皆さんがこれからも聴いてくれたら、私たちは残り続けます。私たちのことを忘れないでください。リルネードっていう素敵なアイドルがいたことを皆さんが覚えていてくれたら、それが私たちの幸せです」と観客に語りかけた。そして3人は声をそろえて「以上、私たちがリルネードでした!」と元気いっぱいに挨拶し、深く頭を下げた。
それでも観客のアンコールを求める拍手は鳴り止まず、これに応えて勢いよく飛び出してきた3人は、この日2度目となる「王道的なLOVEソング」を披露。ステージの上手から下手までゆっくりと移動しながら会場中のファン全員に笑顔を振り撒きながら歌った3人は、手をつなぎマイクを通さずに「ありがとうございました!」と挨拶をし、ステージをあとにした。誰もいなくなったステージ後方のスクリーンに歴代のアーティスト写真などを使用した映画風のエンドロールが流れ出す。映像には当日の舞台裏やステージに立つメンバーの写真も。最後にアンコールで撮影したばかりの集合写真がメンバーのコメントとサイン入りで大映しになり、会場には割れんばかりの拍手が鳴り響いた。
なお当日ZAIKOで生配信されたこの日のライブの映像は、10月5日までアーカイブされている。
リルネード 3rd Anniversary Live「Rirune! Rirune! Rirune! ~どんな星になったってキミをみてるよ~」2022年9月28日 Zepp DiverCity(TOKYO)セットリスト
01. ラビンNν
02. 東京プリンセス
03. Sweet Second Date
04. 恋愛ちゅー
05. 純白の
06. ラッタパリニャ
07. オトメ・オルメタ
08. スプラウト
09. フォークソング
10. もうわたしを好きになってる君へ
11. ティーンエイジ
12. サルネ!
13. マダガスカルはどこですか?
14. 魔法のドレスコード
15. 今夜、ロマンチック劇場で
16. 夏のレコードがまわりだす
17. ふたりのサマーデイズ
18. ぎゅっとして!
19. 王道的なLOVEソング
<アンコール>
20. クレイジーアラーム
21. きらめき、いま、見えるでしょ?
<ダブルアンコール>
22. 王道的なLOVEソング
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リルネードが結成3周年&解散ライブで全曲披露、目標のZepp DiverCityで「3年間楽しかったー!」 https://t.co/aXfkyuLeEV