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清志郎ゆかりのアーティストが武道館でR&Rショー6時間

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忌野清志郎ゆかりのアーティストが一堂に会するライブイベント「忌野清志郎 ロックン・ロール・ショー 日本武道館 Love&Peace」が5月2日、東京・日本武道館にて開催された。

この日のイベントには仲井戸“CHABO”麗市、泉谷しげる奥田民生、金子マリ、斉藤和義ザ・クロマニヨンズサンボマスター東京スカパラダイスオーケストラトータス松本ハナレグミ浜崎貴司高野寛、原田郁子、細野晴臣真心ブラザーズ宮沢和史矢野顕子YUKIゆずといった豪華アーティストが集結。演奏陣もRCサクセションのメンバー仲井戸(G)と新井田耕造(Dr)をはじめ、藤井裕(B)、Dr.kyOn(Key)、梅津和時(A.Sax)、片山広明(T.Sax)、Leyona(Cho)といった清志郎ゆかりのメンバーが顔を揃え、清志郎の映像とともににぎやかなロックンロールショーが繰り広げられた。

会場には今も清志郎と彼の遺した楽曲を愛するファン1万2000人が集結。16:00を過ぎた頃に会場が暗転すると、ステージ上に用意されたスクリーンには自転車に乗る清志郎の姿が映し出され大歓声が巻き起こった。清志郎が乗った自転車はそのまま武道館に到着。衣装に着替えた清志郎の姿が映し出され、おなじみの「武道館ベイベー!」のMCにあわせてステージが天井へ移動すると、赤い絨毯が敷かれたステージ上にはバンドメンバーとゲストボーカリストたちの姿があった。

ライブのオープニングナンバーは、RCサクセションの代表曲「雨あがりの夜空に」。宮沢和史、浜崎貴司、高野寛、ゆず、奥田民生、斉藤和義、トータス松本がフロントに立ち、ロック史に残る名曲を入れ替わり立ち替わり歌っていった。

豪華な1曲目が終わると、ここから長時間にわたるコラボライブに突入。まずは仲井戸が自身も作詞作曲に加わった清志郎の楽曲「激しい雨」を歌唱した。「RCサクセションがきこえる RCサクセションが流れてる」という歌詞が印象的なこの曲を、仲井戸は感情を込めて歌った。

続いてLeyonaが「Sweet Soul Music」「ダンスミュージック☆あいつ」を熱唱。タイトなドレスに身を包んだLeyonaは、梅津和時とセクシーなダンスを披露し会場を沸かせた。また、かつてRCサクセションのライブでコーラスを務めていた金子マリは、自身の息子であるKenKen(B)と金子ノブアキ(Dr)をステージに招き入れ、バンドメンバーとともに「MIDNIGHT BLUE」をセッション。「俺も清志郎も、2人を子供の頃から知ってるんだよ」と語る仲井戸は、若手プレイヤー2人とのフレッシュなセッションを心ゆくまで楽しんでいるようだった。

ギターを抱えてステージに立った斉藤和義は「清志郎さん、また替え歌が怒られちゃいますよ。ざまーみやがれ!」と、自身の最近の活動にも通ずる意味深な発言。会場が沸いたところで、続けて「JUMP」「ドカドカうるさいR&Rバンド」と極上のロックナンバーを立て続けに披露した。

トータス松本は、中学時代から憧れだったRCサクセションのメンバー、仲井戸と新井田と同じステージに立てることについて「ただの中学生に戻ったみたいな気持ち。感無量です」と喜びのコメント。「すべてはALRIGHT(YA BABY)」「よそ者」といったソウルフルなナンバーを歌い、圧倒的なボーカルパフォーマンスで観客を感動させた。

ここで一旦ライブは休憩。再びスクリーンが降りてくると、タモリや桜井和寿(Mr.Children)、吉井和哉、SMAP、山下久美子、RHYMESTER、三浦友和、Chara、及川光博、志磨遼平(毛皮のマリーズ)、高橋幸宏、黒柳徹子など清志郎を敬愛するアーティスト/著名人たちのコメント映像が上映。それぞれが思い思いの熱い言葉で、清志郎に対するリスペクトを表現していった。

映像が終わると、アリーナ中央に設置されたサブステージに泉谷しげるが登場。「暗いんだよ、灯りつけろよコノヤロー!」と悪態をつき、アコースティックギター1本で「雨あがりの夜空に」を歌い始めた。しかし、サビの前で歌詞を間違え演奏を中断。「忘れちゃった。どうせみんな、またエンディングでこの曲歌うんだろ! 俺が間違えたらお前らが代わりに歌うんだよ!」と叫ぶと、予定になかった「サマータイム・ブルース」を突然歌い始めた。これには観客も大興奮。曲の合間には「そんなに安全、安全言うなら、お台場や九段下に原発作れよ、石原!」とアジテートする一幕も。無事「サマータイム・ブルース」を歌い終えるとギターをステージ下のスタッフに投げ、今度はアカペラで「ラヴ・ミー・テンダー」を歌い始めた。この泉谷ならではの即興に、会場からは惜しみない拍手と大歓声が送られた。

その後、サブステージにはゆず、真心ブラザーズ、サンボマスターが登場。サンボマスターはアコースティックセットで「トランジスタ・ラジオ」「世界中の人に自慢したいよ」を演奏し、山口隆(Vo, G)はエモーショナルなボーカルで会場のファンを魅了した。

再びメインステージに戻り、今度は東京スカパラダイスオーケストラが演奏をスタート。オリジナルナンバー「Break into the Light ~約束の帽子~」に続いて、大森はじめが歌う「危ないふたり」、茂木欣一が歌う「トランジスタ・ラジオ」が披露された。ライブ中のMCでは、谷中敦(B.Sax)が「今日5月2日は忌野清志郎さんの命日なだけではなく、俺たち東京スカパラダイスオーケストラの初代ドラマー、青木達之の命日でもあるので気合い入ってます!」と力強く語る場面も。2人の魂を背負ったスカパラの面々は、いつも以上にパワフルでエモーショナルな演奏で武道館の観客をヒートアップさせた。

続いてサブステージに戻り、原田郁子が清志郎と共作した「銀河」をピアノで弾き語り。清志郎が通っていた中学の後輩にあたるハナレグミは、地元・国立のとある坂を歌った「多摩蘭坂」をエレキギター1本で歌った。また、「ゆずっぽく見えるけど、ゆずじゃないよーっ!」と言って観客を笑わせた浜崎貴司と高野寛は、絶妙のコンビネーションで「君が僕を知ってる」「デイ・ドリーム・ビリーバー」を演奏。矢野顕子は普段使っているものとは違うキーボードで苦戦しながらも、これまでもライブでよく歌ってきた「恩赦」と、清志郎と何度もステージで歌った「ひとつだけ」を気持ちを込めて披露した。

サブステージでのライブが終わると、メインステージのスクリーンで竹中直人によるグッズのコマーシャル映像が上映。続いて間寛平、加藤登紀子、武田真治、布袋寅泰、坂本冬美、曽我部恵一、田中和将(GRAPEVINE)、佐藤タイジ(THEATRE BROOK)、坂本龍一、PANTA、オノ・ヨーコなどからのコメントが紹介され、中でもオノ・ヨーコは「あなたが歌った『イマジン』は、ジョン・レノンのメッセージを日本語でわかりやすく伝えようとしていて、大好きだった」と清志郎に対する感謝の言葉を語った。

イベントもいよいよ終盤戦に突入。メインステージに登場した宮沢和史は「この場で歌えるのが夢のようです」と話すと、「ぼくの自転車のうしろに乗りなよ」「うわの空」を熱唱した。続いて登場した細野晴臣は「風邪ひいて弱ってるんだけど、放射能のせいかもしれない」と冗談を言いつつ、高野寛と一緒に「幸せハッピー」を歌い上げた。

YUKIがステージに現れると、ステージ上は華やかさを増す。彼女は「自由」「不思議」といったミステリアスなナンバーを、独自の解釈で歌っていった。そして、ギターを抱えて登場した奥田民生は「スローバラード」を清志郎にも負けないほどの迫力あるボーカルで観客をノックアウト。続く「チャンスは今夜」では、「このRCの曲を聴いて、音楽の仕事をやりたいなと思ったんですけど、現実はこの歌詞の世界とは違いました」と言って会場の笑いを誘いつつ、エネルギッシュな歌とギターで自身の存在感をアピールした。

ザ・クロマニヨンズはバンドの4人のみで、清志郎の歌世界を表現。MCも甲本ヒロト(Vo)の「ロックンロール!」という叫び声だけで、「ROCK ME BABY」「ベイビー!逃げるんだ。」をヘヴィな演奏でカバーしていった。そして3曲目の「いい事ばかりはありゃしない」は、前2曲とは異なるエモーショナルな歌と演奏で観客を圧倒。ヒロトはいつも以上に感情のこもった歌で、ファンを魅了した。

ヒロトが「今日はここに出れて本当に良かった。この後は、いよいよ忌野清志郎の登場だ!」と語ってステージを降りると、スクリーンには在りし日の清志郎の姿が。RCサクセション時代から何度も行われてきた武道館公演の模様が、次々と上映されていく。約40分にもおよぶこの映像は、1981年の初武道館公演から2008年の「忌野清志郎 完全復活祭」まで、さまざまな年代のものが含まれていた。

清志郎の映像ライブが終わると、いよいよイベントもクライマックスへ。金子マリ、Leyonaがステージ中央に立ち、仲井戸との3人で「ブン・ブン・ブン」を歌い会場を盛り上げる。そして最後に奥田民生、斉藤和義、トータス松本を再びステージに呼び込み「雨あがりの夜空に」を大合唱した。最高の盛り上がりの中、約6時間におよぶイベントはついに終了。仲井戸は「雨あがりの夜空に」の歌詞の一節を暗唱してから、「マイベストフレンド、アワーベストフレンド、忌野清志郎に大きな拍手を!」と目に涙をにじませ叫んだ。

「忌野清志郎 ロックン・ロール・ショー 日本武道館 Love&Peace」セットリスト

01. 雨あがりの夜空に [宮沢和史、浜崎貴司、高野寛、ゆず、奥田民生、斉藤和義、トータス松本]
02. 激しい雨 [仲井戸“CHABO”麗市]
03. Sweet Soul Music [Leyona]
04. ダンスミュージック☆あいつ [Leyona]
05. ラッキーボーイ [金子マリ]
06. MIDNIGHT BLUE [金子マリ with KenKen、金子ノブアキ]
07. JUMP [斉藤和義]
08. ドカドカうるさいR&Rバンド [斉藤和義]
09. すべてはALRIGHT (YA BABY) [トータス松本]
10. よそ者 [トータス松本]
11. 雨あがりの夜空に ~ サマータイム・ブルース [泉谷しげる]
12. ラヴ・ミー・テンダー [泉谷しげる]
13. 金もうけのために生まれたんじゃないぜ [ゆず]
14. イマジン [ゆず]
15. ファンからの贈り物 [真心ブラザーズ]
16. 2時間35分 [真心ブラザーズ]
17. トランジスタ・ラジオ [サンボマスター(アコースティックセット)]
18. 世界中の人に自慢したいよ [サンボマスター(アコースティックセット)]
19. Break into the Light ~約束の帽子~ [東京スカパラダイスオーケストラ]
20. 危ないふたり [東京スカパラダイスオーケストラ(Vo:大森はじめ)]
21. トランジスタ・ラジオ [東京スカパラダイスオーケストラ(Vo:茂木欣一)]
22. 銀河 [原田郁子]
23. 多摩蘭坂 [ハナレグミ]
24. 君が僕を知ってる [浜崎貴司+高野寛]
25. デイ・ドリーム・ビリーバー [浜崎貴司+高野寛]
26. 恩赦 [矢野顕子]
27. ひとつだけ [矢野顕子]
28. ぼくの自転車のうしろに乗りなよ [宮沢和史]
29. うわの空 [宮沢和史]
30. 幸せハッピー [細野晴臣+高野寛]
31. 自由 [YUKI]
32. 不思議 [YUKI]
33. スローバラード [奥田民生]
34. チャンスは今夜 [奥田民生]
35. ROCK ME BABY [ザ・クロマニヨンズ]
36. ベイビー!逃げるんだ。 [ザ・クロマニヨンズ]
37. いい事ばかりはありゃしない [ザ・クロマニヨンズ]
38. よォーこそ [RCサクセション/ライブ映像]
39. ドカドカうるさいR&Rバンド [RCサクセション/ライブ映像]
40. 可愛いリズム [RCサクセション/ライブ映像]
41. エンジェル [RCサクセション/ライブ映像]
42. 上を向いて歩こう [RCサクセション/ライブ映像]
43. JUMP [忌野清志郎/ライブ映像]
44. いい事ばかりはありゃしない [忌野清志郎/ライブ映像]
45. ブン・ブン・ブン [仲井戸“CHABO”麗市、金子マリ、Leyona]
46. 雨あがりの夜空に [仲井戸“CHABO”麗市、奥田民生、斉藤和義、トータス松本、金子マリ、Leyona]
47. 毎日がブランニューデイ [忌野清志郎/映像]

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