花譜ら5人の魔女からなるV.W.P、その存在を“現象”にした初ワンマン

花譜、理芽、春猿火、ヰ世界情緒、幸祜からなるバーチャルアーティストグループ・V.W.Pが、4月16日に東京・チームスマイル・豊洲PITにて初ワンマンライブ「V.W.P 1st ONE-MAN LIVE『現象』」を開催した。

5人それぞれが一堂に介するオープニングムービーを経て、ステージに登場したのは春猿火と幸祜の2人。ピアノの切ないメロディにストリングスの音色が絡むイントロから2人は「古傷」をパフォーマンス。ライブ序盤にはヰ世界情緒と春猿火による「牢獄」、理芽とヰ世界情緒による「泡沫」など、V.W.Pとして発表された楽曲のみならず、それぞれのソロライブで披露されてきたコラボ曲が歌われていく。4曲目に披露されたのは花譜と理芽による「魔法」。CDに収録されたバージョンとは異なるライブアレンジが施されたこの曲を、2人は身振り手振りを交えながら情感豊かに歌い上げ、観る者を高揚させた。

幕間に読まれるポエトリーの中で花譜が「現象を巻き起こそう」と呼びかけたところで、ステージに5人全員が集結。バンドメンバーが演奏を始めると彼女たちは動きを合わせて体を揺らしながら「共鳴」を歌い始める。ここからV.W.Pはカンザキイオリが手がける“魔女の系譜曲”として「宣戦」「祭壇」をパフォーマンス。花譜や理芽、ヰ世界情緒が透明感のあるボーカルを響かせれば、ラッパーとして活動する春猿火は卓越したフロウで疾走感を、ロックシンガーとして活動する幸祜はその歌声で力強さを楽曲にもたらし、5人はV.W.Pとして息ぴったりのパフォーマンスを繰り広げていく。MCではこの日の衣装が「花魁鳥 Revolutions」と呼ばれる特別なものであることが明かされ、「いつもの衣装も好きだけど、新しい衣装も好き」と笑顔で語り合う。活動を続けていくことでどんどん好きなものが増えていくことが“1つ目の現象”だと着地させたところで、彼女たちはライブを再開。「電脳」「言霊」「輪廻」とすでにMVが公開されている人気曲を立て続けに披露すると5人の姿が消え、アニメーションのムービーが流れ始めた。

劇場版アニメの予告編かのように作り込まれたアニメ映像の上映を経て、ライブは第2部として再び開幕。第2部では花譜と春猿火による「残火」、幸祜と理芽による「素的」などライブ冒頭とは異なる組み合わせのデュエットが披露される流れに。これらの楽曲は“魔女の派生曲”として雄之助や笹川真生といったクリエイターが作曲したもので、彼女たちは楽曲によってボーカルの表情を変えながら提供曲を歌いこなしていく。再び5人がステージにそろうと、彼女たちはヰ世界情緒を中心としたフォーメーションで「変身」を歌唱。ここからライブ終盤に向けてV.W.Pは理芽をセンターに「玩具」、幸祜をセンターに「秘密」、春猿火をセンターに「定命」と各メンバーをフィーチャーした楽曲でグループとしての表現の幅広さを見せつけていった。

最後のMCで春猿火は「私たちは1人ひとりいろんな思いを持ってソロで活動してきたけど、そんな5人がこうしてグループとして活動できていることが夢のよう。ここにいる大好きな4人と一緒に歌えていることが、すごく心強いし、このグループにいれることを誇りに思っています」と自身の気持ちを口にし始めると、メンバーそれぞれが自身の活動について語り始める。花譜は「歌が、今までの活動が、私たちを巡り合わせてくれました。そのことが本当にうれしく、この関係をとても尊く思っています。『偽物かもしれないけど』という歌詞が歌の中にもありますが、たとえそうだとしても、私たちを見てくれている観測者のあなた方が私たちを本当にしてくれています」とオーディエンスに感謝の言葉を述べた。その後、彼女たちはこの日最後の楽曲「魔女（真）」を歌唱。この曲はバーチャルとリアルの狭間で揺れ動く心情を歌った花譜の楽曲「魔女」が仲間を迎えてV.W.P用の楽曲として生まれ変わったもので、5人は声を合わせてライブを大団円に導いた。盛大な拍手が会場内に鳴り響く中、5人は「V.W.Pでした。大好きだよ」とオーディエンスにメッセージを残し、ステージから姿を消した。