メジャーデビューを決めたTOMOO、目の前の“YOU”に「大丈夫」と繰り返し伝えたワンマン

TOMOOが2月6日に東京・WWW Xにてワンマンライブ「TOMOO one-man live "YOU YOU"」を開催した。昼夜2公演行われたうち、本稿では昼公演の模様をレポートする。

客電が落ち、秒針が時を刻む音が鳴り響く中でライブのオープニングムービーがスタート。TOMOOがしっかりとした足取りで会場入りする映像に合わせてステージインした彼女は、ハンドマイクを手に「HONEY BOY」を歌い始める。ピアノの弾き語りというスタイルでライブをすることも多い彼女だが、4人のバンドメンバーを従えた編成で臨んだこの日の公演では演奏をバンドに委ねて歌に専念する楽曲もあり、身振り手振りを交えながらその伸びやかな歌声を届けていった。2曲歌い終えたところでTOMOOは「初めてTOMOOのライブを観にきてくれた人？ 2回目の人？」と、オーディエンスに問いかける。およそ7割のオーディエンスが“はじめまして”であることを把握したTOMOOは「なんと由々しき。めっちゃはじめましてじゃん」と驚きつつ、「こんなときにここに来てくれてありがとうございます」と会場に集まったオーディエンスに感謝の言葉を伝えた。代表曲の1つ「らしくもなくたっていいでしょう」の演奏中には自然と手拍子が鳴り始め、会場内は心地よい一体感に包まれた。

キーボードの前に座ったTOMOOはステージドリンクについての話をし始め、「音楽業界の人たちはコーヒー好きが多い」「40年後くらいにはステージでコーヒーを飲んでみたい」と自身の憧れを語り始める。オーディエンスの頭の中にコーヒーの香りを連想させた彼女は、歌詞の中に「コーヒー」という言葉が出てくる「雨粒をつけたまま」を弾き語りでパフォーマンス。MC中にバンドメンバーはステージからはけており、TOMOOは弾き語りで未発表の新曲「Cigarette」を含む3曲を披露した。

ライブ中盤には「TOMOO'S RADIO」と題した映像が上映され、映像内ではTOMOOがファンから募集したメールをもとに自身の趣味嗜好や、この日のワンマン「YOU YOU」に込めた思いを語った。「心の矢印が『me』じゃなくて『you』に向いているときに心が動かされる」と、ライブタイトルの由来を明かしたところで番組は終了し、ライブは「いってらっしゃい」で再びスタート。TOMOOの代表曲として広く知られる「Ginger」では軽快なドラムソロからTOMOOのピアノソロにつなげるライブならではのアレンジでファンを沸かせた。「まだパワーは残ってますか？ まだ元気は残ってますか？」と何度も呼びかけたTOMOOは「ラス1」と宣言し、「恋する10秒」をパフォーマンス。計12曲を届けた彼女は晴れ晴れとした笑顔でフロアに向けて挨拶をして、ライブ本編の幕を閉じた。

ライブ本編の余韻が冷めやらぬ中、ステージ上のスクリーンにTOMOOの告知映像が映し出される。映像では彼女が3月30日に配信シングル「酔ひもせす / グッドラック」をリリースすること、今年の夏にポニーキャニオン内のレーベル「IRORI Records」よりメジャーデビューを果たすこと、さらに8月7日に東京・LINE CUBE SHIBUYA（渋谷公会堂）にてワンマンライブを開催することが発表され、会場内は彼女を讃える盛大な拍手に包まれた。再びステージに姿を現したTOMOOは「信じてきたこと、信じたかったことを壊さないように、心を大事にしながら音楽を届けられる人たちに出会えた」と、新しい環境での音楽活動についてファンに説明。さらにこれまでの活動を振り返った彼女は、音楽活動をする中で「あなたはメンタルがとても弱い」と言われたことを明かしながら「この弱さはあなたと生きるための弱さとして、ここから見えることを書いていきたい」と自身の思いを伝えた。最後に「大丈夫です。大丈夫ですよ。みんないるので」とつぶやいた彼女は目の前のキーボードの鍵盤に指を落とし、「高台」を弾き語りで披露。鳴り止まない拍手が会場内にこだまする中、TOMOOはオーディエンスに向けて何度も手を振り、笑顔でステージをあとにした。