9mmが9年ぶりビルボードライブ東京で“いつも通り”の熱演、AC 9mmは定番曲を大幅アレンジ

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9mm Parabellum Bulletが12月13日に東京・Billboard Live TOKYOにて自主企画「カオスの百年 vol.15」を開催した。

9mm Parabellum Bullet(撮影:西槇太一)

9mm Parabellum Bullet(撮影:西槇太一)

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9mmのBillboard Live TOKYO公演は2012年の「MTV Unplugged」以来約9年ぶり。今回彼らは2部制でライブを行い、1stステージには菅原卓郎(Vo, G)、中村和彦(B)、かみじょうちひろ(Dr)によるアコースティック編成のAC 9mm、2ndステージには普段のバンド編成で出演した。

1stステージ

AC 9mm(撮影:西槇太一)

AC 9mm(撮影:西槇太一)[拡大]

村山☆潤(Piano)(撮影:西槇太一)

村山☆潤(Piano)(撮影:西槇太一)[拡大]

AC 9mmがオープニングナンバーに選んだのは「名もなきヒーロー」。サポートメンバーの村山☆潤(Piano)が奏でる旋律に合わせ、菅原はいつもよりどことなく優しい歌声を響かせる。続いて4人はライブ定番曲「ハートに火をつけて」「キャンドルの灯を」を気持ちスローテンポで演奏。印象的なギターリフがピアノに置き換わり、ジャジーなムードが漂った。「Answer And Answer」ではアコースティック編成ながらハッとするような音圧がオーディエンスを魅了。「Cold Edge」「黒い森の旅人」はバラード調のアレンジで披露された。

かみじょうちひろ(Dr)(撮影:西槇太一)

かみじょうちひろ(Dr)(撮影:西槇太一)[拡大]

この日、会場では9mmにちなんだ限定ドリンクメニューを提供。1stステージに用意されたのは楽曲「黒い森の旅人」をイメージしたウイスキーベースのカクテルで、多くの観客が注文しグラスを傾けつつ演奏を楽しんだ。9mmのライブでは菅原がほとんどのMCを担当しているが、AC 9mmは3人でトークを展開するのも特徴の1つ。限定ドリンクやグッズなどについて話し合う中、かみじょうだけ会話がうまく噛み合わず、「俺がしゃべるとなんかスベらされる……」とうろたえるひと幕も。かみじょうが「そもそも、前に出たい人間じゃないんですよ。だからフロントマンじゃなくドラムを選んだわけで」とこぼすと、菅原と中村はカラフルに光り輝く特殊なドラムセットを指差し「説得力がない!」と声をそろえて抗議。そんな3人の応酬により、会場にはリラックスしたムードが広がった。

菅原卓郎(Vo, G)(撮影:西槇太一)

菅原卓郎(Vo, G)(撮影:西槇太一)[拡大]

その後、AC 9mmは石川さゆり「ウイスキーが、お好きでしょ」、山本リンダ「どうにもとまらない」をカバー。跳ねるようなリズムの「太陽が欲しいだけ」では、菅原がステージ前方に歩み出て頭を振りながらアコースティックギターを掻き鳴らした。「品がなくてすみません。Billboard Liveでヘッドバンギングなんて……もっとやろうと思います」と話し拍手を浴びた菅原。それに対し、かみじょうが「MC上手ね。お前はどうなのよ」と中村を煽る。突然のパスを受けた中村は「そろそろ20年の付き合いになるけど、かみじょうくんとの会話、難しいな……」とつぶやき、会場の笑いをかっさらった。そしてAC 9mmはメランコリックな「星に願いを」、ライブ定番曲「Black Market Blues」、初期曲「(teenage)disaster」を続けてプレイ。ラストはカントリー調にアレンジした「The Revolutionary」でステージを締めくくった。

2ndステージ

9mm Parabellum Bullet(撮影:西槇太一)

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2ndステージの始まりを告げたのは大音量のSE。9mmとサポートギターの爲川裕也(folca)が登場するやいなやキラーチューン「Discommunication」「ハートに火をつけて」を投下すると、段状の客席からたくさんの拳が上がった。彼らの演奏は「カルマの花環」から「生命のワルツ」にかけてますます熱を帯び、中村と滝善充(G)は楽器を振り回すアグレッシブなパフォーマンスで観客を圧倒。その後9mmはインスト曲「The Revenge of Surf Queen」で緻密な音を積み重ねた先に爆発するかのような盛り上がり見せ、力強いスローナンバー「いつまでも」につないだ。

滝善充(G)(撮影:西槇太一)

滝善充(G)(撮影:西槇太一)[拡大]

2ndステージで提供された限定ドリンクは、滝考案の「白夜の六本木」。麦焼酎「いいちこ」のソーダ割りに生搾りのグレープフルーツやシロップをブレンドしたサワーカクテルだ。1stステージと同様、観客の多くが限定ドリンクを注文していたが、息つく間もない展開に、その手はグラスよりもステージへ向けられていた。「Billboard Liveでこんなにツーバスを鳴らすバンドが出たことはないんじゃないでしょうか。俺たちはいつも通りライブをしようと思います」と宣言した菅原がアコースティックギターを手にすると、バンドは9年前のBillboard Live TOKYO公演でも披露した「フライデーナイト・ファンタジー」をプレイ。ノスタルジックな情景の浮かぶメロディによって会場に充満した哀愁は「夏が続くから」でさらに増し、冬の大海原を思わせる「カモメ」で最高潮に到達。晴れやかでどこか切なさがにじむ「スタンドバイミー」では、テンポがハーフに落ちるアウトロでバンドのグルーヴが炸裂した。

菅原卓郎(Vo, G)(撮影:西槇太一)

菅原卓郎(Vo, G)(撮影:西槇太一)[拡大]

「来年の9mmの予定を発表します」と切り出した菅原は、「カオスの百年 vol.16」を結成18年記念日である3月17日に東京・EX THEATER ROPPONGIで開催すること、そしてアルバムをリリースすることをアナウンス。「俺たちも早くアルバム聴きたいです。3月17日も9月9日も俺たちにとって、カレンダーに必ず印が付く日になって、正月が3回あるような気持ちで生きてます。来年もよろしくお願いします」という言葉に、客席から大きな拍手が巻き起こった。「このステージでぶちかますのを楽しみにしてた曲をやっていいですか? いけるかー!」という菅原の煽り文句ののち投下されたのは、9mmの曲の中でもトップクラスにハードな「新しい光」。かみじょうが刻むタイトなリズムに全員が食らいつき、座席が振動するほどの爆音を轟かせる。彼らは最後に「太陽が欲しいだけ」「Punishment」をド派手なステージングとともに届け、舞台をあとにした。

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