fuzzy knotがZepp Tokyoで初ワンマン、最高のスタートを切った「Beginning of knot」

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シドのShinji(G)とRayflowerの田澤孝介(Vo)によるロックユニット・fuzzy knotが11月14日にワンマンライブ「fuzzy knot Live 2021 ~Beginning of knot~」を東京・Zepp Tokyoにて開催した。

「fuzzy knot Live 2021 ~Beginning of knot~」の様子。(撮影:江隈麗志)

「fuzzy knot Live 2021 ~Beginning of knot~」の様子。(撮影:江隈麗志)

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今年4月に配信シングル「こころさがし」でデビューし、この日が初ライブとなったfuzzy knot。ライブのタイトル通り、彼らの“Beginning”を見届けるため、多くのファンが会場に足を運んだ。開場中のBGMにはShinjiと田澤のルーツとも言える1980年代から90年代にかけてのJ-ROCKの名曲が次々と流れ、90年代の音楽を織り交ぜたサウンドを特徴とするfuzzy knotの世界へと観客を誘う。会場内に漂うファンの期待感が高まった頃、SE「Beginning of knot」を背に、まっさらな“新人”であることを象徴するような純白の衣装に身を包んだShinjiと田澤が登場。Shinjiは人差し指を高く掲げると「深き追憶の残火」のダイナミックなイントロをサポートメンバーの工藤嶺(B)と与野裕史(Dr)とともに奏で、ライブの幕開けを告げた。哀愁をにじませたシンフォニックな音に乗せて田澤は力強く凛とした歌声を響かせ、その後ろでは松明を思わせる炎が揺らめき、幻想的な空気を醸し出す。

田澤孝介(Vo)(撮影:江隈麗志)

田澤孝介(Vo)(撮影:江隈麗志)[拡大]

この日のライブは6月にリリースされた1stアルバム「fuzzy knot」軸に、新曲を織り交ぜたセットリストをもとに進行。田澤の「楽しんでいこうぜ!」という言葉から始まった「ダンサー・イン・ザ・スワンプ」では、Shinjiが衣装の裾を翻し、舞うようにしながら軽快にギターをプレイし、「ダイナマイトドリーム」では田澤が爽快なサウンドに負けじと伸びやかに歌い上げる。曲中にShinjiと田澤は背中合わせになり視線を交わすなど、息の合った様子を見せ、初ライブとは思えない堂々としたステージングでたちまちオーディエンスの心を掌握した。

Shinji(G)(撮影:江隈麗志)

Shinji(G)(撮影:江隈麗志)[拡大]

「こんばんはfuzzy knotでーす! いよいよこの日を迎えることができました。やっとこれでfuzzy knotがいることを証明できます」と関西弁のトーンで陽気に挨拶をした田澤。彼は「体に制限はかかっておりますが、気持ちに制限はかかってませんので」と述べ、コロナ禍においても心では自由にライブを楽しんでほしい旨を口にしたのち、90年代のJ-ROCKを彷彿とさせるド派手なサウンドの新曲「ペルソナ」をお披露目した。続いてShinjiがブルージーなフレーズをじっくりと聴かせたギターソロを経て始まったのは「愛と執着とシアノス」。田澤の心に迫ってくるような情感たっぷりの歌声と、Shinjiが鳴らす情熱的なギターサウンドが一体になってフロアに広がっていく。さらに2人は「トリックスター・シンドローム」ではタイトル通り、ギミックに富んだサウンドを炸裂させ、 「Sunny Days」では太陽を想起させる温かなライティングの下で、メジャーコード全開の晴れ晴れとしたアンサンブルを紡ぎ、曲に込めた前向きなメッセージをオーディエンスに伝え、音楽性の幅広さを証明した。

キャリアのある2人らしい盤石のパフォーマンスが繰り広げられる一方で、MCはどこか初々しいものに。Shinjiは田澤との出会いやfuzzy knot結成秘話を語ったほか、このライブを機に親しみを込めて田澤を呼び捨てにすることを宣言。しかし、何度も田澤のことを“さん付け”で呼んでしまい、本人や観客を和ませていた。そんなShinjiのトークに田澤は絶妙なタイミングでツッコミを入れ、2人がパフォーマンスだけでなく、MCにおいても相性抜群であることを伺わせた。

「fuzzy knot Live 2021 ~Beginning of knot~」の様子。(撮影:江隈麗志)

「fuzzy knot Live 2021 ~Beginning of knot~」の様子。(撮影:江隈麗志)[拡大]

「fuzzy knot Live 2021 ~Beginning of knot~」の様子。(撮影:江隈麗志)

「fuzzy knot Live 2021 ~Beginning of knot~」の様子。(撮影:江隈麗志)[拡大]

「ノリのいい、小粋に決められる曲」という田澤の紹介で披露されたのは、ブラスサウンドも取り入れたファンクテイストの新曲「Set The Fire !」。そろいのサングラスを着用したShinjiと田澤は、豪快なサウンドを盛り上げるように飛び交う火炎を背にステージを縦横無尽に動き回る。それに合わせてオーディエンスも体を揺らし新曲を全身で楽しんでいた。Shinjiが爪弾く清涼感のあるフレーズが印象的な「こころさがし」をはじめ、歌謡曲的なアプローチを打ち出した妖しげな「Joker & Joker」、火花を散らすような激しいステージングが目を引いた「#109」、田澤とShinjiのハーモニーが響いた優しい聴き心地の「キミに降る雨」と1stアルバムの終盤を飾るナンバーを続けて披露した2人。「キミに降る雨」の余韻が残る中で田澤は「終わってしまうのが寂しいのですが、終わりがあるから次がある。理屈関係なく最高のスタートをfuzzy knotとして切ることができました。本当にありがとうございました」と観客に向かって感謝の思いを伝え、12月27日に東京・日本武道館で行われるライブイベント「JACK IN THE BOX 2021」への出演をはじめ、新曲のリリースや2022年1月に開催するワンマンライブなど、今後のスケジュールを一気に発表。そしてライブに足を運び、自分たちの音楽を聴くオーディエンスがいることが存在証明になることを改めて述べ、「明けない夜はないと信じて、fuzzy knotは突っ走っていきますのでこれからもよろしくお願いいたします」と、「夜明け前」を意味するタイトルの新曲「Before Daybreak」につなげた。眩い光に包まれたステージで、Shinjiと田澤はお互いの背中を預けるようにしながら、希望にあふれたナンバーをプレイ。「fuzzy knotの第一歩に立ち会ってくれてありがとうございました。(皆さんと)僕らの“結び目(knot)”は固く結ばれたんじゃないかと思います」という田澤の言葉をもって、fuzzy knotの初ライブは終幕した。

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fuzzy knot「fuzzy knot Live 2021 ~Beginning of knot~」2021年11月14日 Zepp Tokyo セットリスト

01. 深き追憶の残火
02. ダンサー・イン・ザ・スワンプ
03. ダイナマイトドリーム
04. ペルソナ
05. 愛と執着とシアノス
06. トリックスター・シンドローム
07. Sunny Days
08. Set The Fire !
09. こころさがし
10. Joker & Joker
11. #109
12. キミに降る雨
13. Before Daybreak

DANGER CRUE 40th Anniversary JACK IN THE BOX 2021 supported by MAVERICK DC GROUP

2021年12月27日(月)東京都 日本武道館

fuzzy knot Live 2022 ~S.T.F.~

2022年1月14日(金)大阪府 BIGCAT
2022年1月21日(金)東京都 新宿BLAZE
2022年1月22日(土)東京都 新宿BLAZE

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音楽ナタリー @natalie_mu

【ライブレポート】fuzzy knotがZepp Tokyoで初ワンマン、最高のスタートを切った「Beginning of knot」
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#fuzzyknot https://t.co/EyRl6um3Y8

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