THE BACK HORN「アサイラム」濃密世界をお台場で再現

2010年12月6日 22:46 81 1 音楽ナタリー編集部

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10月から開催されているTHE BACK HORNのワンマンツアー「THE BACK HORN『KYO-MEIツアー』～アサイラム～」のセミファイナル公演が、12月1日にZepp Tokyoで行われた。

THE BACK HORはツアー終了後、12月20日に年末恒例の「マニアックヘブン」を新木場STUDIO COASTで開催。大晦日は「COUNTDOWN JAPAN 10/11」に出演する（撮影：エグマレイシ）。

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写真は「THE BACK HORN『KYO-MEIツアー』～アサイラム～」Zepp Tokyoの模様（撮影：エグマレイシ）。

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写真は「THE BACK HORN『KYO-MEIツアー』～アサイラム～」Zepp Tokyoの模様（撮影：エグマレイシ）。

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2年ぶりのオリジナルアルバム「アサイラム」を携えてのツアーとなった今回は、全国津々浦々で計25公演を実施。この日はツアーの中でも最大規模の会場での開催となり、大勢のファンが各地から集結した。

会場が暗転し重低音の強いSEをバックにメンバーが登場すると、オーディエンスは「ウォー！」と怒号のような歓声を上げバンドの登場を歓迎。菅波栄純（G）と山田将司（Vo）も手を高く掲げ観客に挨拶する。

ライブは「アサイラム」からの楽曲を中心に構成。松田晋二（Dr）のカウントから始まった1曲目「雷電」では、菅波が奏でるエキゾチックなリフに、山田が艶のあるボーカルを重ね、禍々しい音像でフロアを支配していく。分厚いアンサンブルを響かせた2曲目「ラフレシア」に続いては、オーディエンスのoiコールが一体感を生み出す「声」。突き抜けていくサウンドで、会場が開放感に満たされていく。

「今日はセミファイナルということで、いい空間を作っていきたいと思います」という松田の挨拶に続いて、ノイジーなギターとドライブ感あるベースが炸裂する「再生」。丁寧にギターを奏でる菅波の傍らで、山田と岡峰光舟（B）はところ狭しと暴れまくる。さらに「罠」「カラビンカ」「怪しき雲行き」と攻撃的なナンバーを畳み掛け、ツアーで鍛えあげられたタフなバンドサウンドをみせつけた。

山田が吹くノスタルジックなピアニカが印象的なレゲエ調の「ヘッドフォンチルドレン」を経て始まったのは、岡峰と菅波による漫才さながらのMCコーナー。菅波は「すごい盛り上がりで楽しい！」と笑顔で語るも、突然「今日、俺めし食うの忘れてた」と言い放ち、岡峰と食に関するトークを展開。個性的な店主のいる定食屋で岡峰が水を勝手に入れようとして怒られた話や、菅波が地方の定食屋でゴマや小銭をぶちまけた話を披露し笑いを取る。一瞬、岡峰がデザインを手がけたパーカーやフラッグの話になるも、菅波が「ツアーの総集編ということで……」と再び話を地方の食事ネタに戻そうとする場面も。それに対しメンバーから「もういんじゃね？」とツッコミが入り、MCのバトンが松田に渡される。松田はドラム席を立つと「アサイラム」に込めた熱い思いを吐露。「音楽ってずっと残っていくものだから、今後とも『アサイラム』を末永くよろしく」と観客に語りかけた。

そして披露されたのは「アサイラム」から、穏やかな歌声が染みる「海岸線」。4人が丁寧に重ねるゆったりとしたサウンドに、観客は体を揺らしながら聴き入る。イントロのギターが鳴った瞬間に悲鳴が起こった「冬のミルク」の後は、再び攻撃モードに突入。うねるベースラインとドラムの乱打が不穏なサウンドスケープを演出した「閉ざされた世界」、激走するメロディラインと鋭利なギターが光る「ペルソナ」といったナンバーがフロアの狂騒を加速させる。山田の咆哮が観客の興奮に火をつけた「コバルトブルー」では、クラウドサーファーが発生。会場の熱気はこれ以上ないほど高まり、ステージはスモークがかかったような状態となった。

終盤では松田が「Zepp Tokyo！もう一発いきましょう」と叫び、ライブアンセムの「戦う君よ」を熱演。山田は途中でマイクをフロアに向けて、オーディエンスに合唱を促し一体感を作り出す。歌い終えると「どうもありがとう。ツアーはもうすぐ終わるけど、何も終わるわけじゃない。我々THE BACK HORNとともに、これからも歩いていこう」と朴訥とした口調で語った。本編ラストはアルバム「アサイラム」のラストを飾る「パレード」。自らの手で未来を作っていくことを歌った、疾走感あふれる1曲をメンバーは全身全霊で届けた。

アンコールでは、鳴り止まない拍手に応えて4人が汗だくのまま登場。松田は「濃密な空間です。ありがとう」とオーディエンスの反応を称え、「アンコールはみんなで一緒になって盛り上がっていこう！」と絶叫。ライブの定番曲「刃」と「無限の荒野」を熱演し、再び会場の一体感を作り出していく。こうして「THE BACK HORN『KYO-MEIツアー』～アサイラム～」Zepp Tokyo公演は熱狂が渦巻く中で終幕した。

THE BACK HORN「KYO-MEIツアー」～アサイラム～ Zepp Tokyo公演セットリスト

01. 雷電
02. ラフレシア
03. 声
04. 再生
05. 罠
06. カラビンカ
07. 怪しき雲行き
08. ヘッドフォンチルドレン
09. 海岸線
10. 冬のミルク
11. 閉ざされた世界
12. ペルソナ
13. コバルトブルー
14. 戦う君よ
15. パレード
＜アンコール＞
16. 刃
17. 無限の荒野