ヒット曲連発のB'z無観客ライブ「5 ERAS」開幕!ファンへの感謝と仲間との絆を伝える

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B'zの無観客配信ライブ「B'z SHOWCASE 2020 -5 ERAS 8820-」の初日公演が10月31日に東京・Zepp Haneda(TOKYO)で行われた。

B'z(写真提供:VERMILLION RECORDS)

B'z(写真提供:VERMILLION RECORDS)

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B'zの2人は今年それぞれソロツアーの開催を予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大を受けて延期することに。水面下で決定していた初のZepp Hanedaでのレジデンシー公演も見送りとなってしまったが、「何かできること、今しかできないこと」を模索した結果、バンドとして初の配信ライブ開催に踏み切った。5週連続で行われるライブでは、1988年のデビューから2020年までの32年間を「5つの時代=5 ERAS」に分け、各時代の楽曲が5日間にわたって披露される。ステージセットは全公演で変化するこだわりようだ。初日は1988年から1993年までに発表された楽曲からなるセットリストが組まれた。

会場であるZepp Hanedaのロケーションを紹介するオープニングムービーを経て、画面に松本孝弘(G)と稲葉浩志(Vo)の姿が。2人がデビュー曲「だからその手を離して」をプレイし始めるとSNSのタイムラインは大盛り上がり。まばゆい照明を浴びながら、2人は32年前にリリースしたナンバーを気合いたっぷりにパフォーマンスした。間奏では松本のエフェクターを踏む足元やギターを弾く手元がフィーチャーされ、配信ライブらしいカメラワークがファンを魅了する。さらにバンドメンバーの増田隆宣(Key)、大賀好修(G)、田中一光(Dr)、徳永暁人(B)の姿が画面に映し出されると、SNSのタイムラインはさらににぎわいを見せた。

松本孝弘(G)(写真提供:VERMILLION RECORDS)

松本孝弘(G)(写真提供:VERMILLION RECORDS)[拡大]

2曲目として披露されたのは大ヒット曲「BLOWIN'」。稲葉はサビでは優しい眼差しでカメラを見据え、アウトロでは視聴者のシンガロングを求めるように挑発的に指先を動かした。「B'zの……B'zの『SHOWCASE』にようこそ!」と稲葉が口火を切ると、松本が伸びやかなフレーズを弾き「星降る夜に騒ごう」へ。会場の四方に設置された巨大なLEDスクリーンには流星の映像が投影され、ステージの中央では設置されたミラーボールが回り、ドリーミーな空間を作り出す。その中で稲葉はポジティブなメッセージを込めた歌詞を、ファンに語りかけるように歌い上げた。ゆっくりとレーザー光線が会場を行き来する中で披露された「BE THERE」で稲葉は「どんなに時代が流れても 君だけはそこにいて Be there anytime」とラストフレーズに力を込め、松本はほのかな哀切をたたえた旋律をじっくりと奏でた。

ひと呼吸を置いたところで稲葉がハンドクラップをし始め、田中の刻む軽快なリズムに合わせて「Komachi Angel」とシャウト。太陽のようにギラギラと渦巻く映像を背に、2人はB'zをスターダムに押し上げた30年前のナンバーである「太陽のKomachi Angel」を披露する。曲のクライマックスで稲葉は松本の近くに歩み寄り、ソーシャルディスタンスを保ちながらも普段のライブと変わらない阿吽の呼吸を見せた。その後、アコースティックギターを抱えた稲葉は、「おひさしぶりです。お元気でしたか? 皆さん、さぞお元気なことでしょう」「目の前に皆さんがいないので勝手が違うのですが、ひさしぶりに仲間と集まって演奏できる喜びを噛み締めて、感謝の気持ちを込めながら観ている皆さんの胸に届くように歌って演奏して参りたいと思います」とカメラに向かって語りかけた。

稲葉浩志(Vo)(写真提供:VERMILLION RECORDS)

稲葉浩志(Vo)(写真提供:VERMILLION RECORDS)[拡大]

松本が弾くソリッドなギターの音色をきっかけに始まったのは、ミディアムテンポの「Easy Come, Easy Go!」。LEDスクリーンには、きらびやかな光が格子模様を描く映像が映し出され、清涼感あふれる楽曲のサウンドを彩った。曲が終わると同時に松本がゆっくりフロアに降りると、ゴールドの衣装に身を包んだ女性のホーン隊が彼を囲む。そこから続いたのは、ダイナミックでゴージャスなホーンの音色が炸裂する「GIMME YOUR LOVE -不屈のLOVE DRIVER-」。フロアで稲葉と松本が掛け合いを見せたかと思えば、稲葉はカメラ目線で挑発的にシャウトを繰り出し、画面の向こうのファンを煽った。なお、このブロックでひときわ出色だったのは、夕日の映像を背にパフォーマンスされた「ALONE」。稲葉はマイクを両手で握りしめ、歌詞の言葉1つひとつに感情を込めるように力強い歌声をまっすぐに響かせ、その横で松本は1音1音を丁寧な手つきで奏でる。曲のクライマックスでは「I was born to fall in love. You know, we're all alone. Hold your dreams it never ends. Naked eyes in the sky」というフレーズをバンドメンバーを含む全員が歌い、力強いハーモニーを紡いだ。

稲葉浩志(Vo)(写真提供:VERMILLION RECORDS)

稲葉浩志(Vo)(写真提供:VERMILLION RECORDS)[拡大]

ステージ上の全員がフロアに移動したタイミングで稲葉が「どうですか?」と松本にたずねると、彼は「いいですね。こういうのもね、長い間やってますけど、まだまだやってないことっていっぱいあるんですね」としみじみ。2人がトークを繰り広げていると、突然チャイムが鳴り始めLEDのスクリーンには黒板や教壇などの映像が。稲葉は「初期の頃の『LIVE-GYM』で、バンドのメンバーとフォークソング同好会のようなことをやったり、寸劇とかやってましたね。情熱のすべてをそこに注いでたこともあり、青春という感じでしたけど……」と昔話で盛り上がる。そして稲葉の「今回は思い出しながら、こういう演出でフォークソング同好会っぽい感じで曲をやろうかなと思います」という言葉を合図に、松本はトライアングル、稲葉はベル、徳永は縦笛、大賀は鍵盤ハモニカ、増田はウクレレ、田中はタンバリンを手にする。そこから演奏されたのは、朴訥としたムードの「あいかわらずなボクら」。全員がマイクリレーのようにボーカルを取り、松本がくしゃみをするというかわいらしい演出でこの曲は締めくくられた。続いて6人は横一列に並んだまま、今度は「Baby, You're My Home」を視聴者に届ける。楽曲のサウンドに合わせて、LEDには夕日が差し込んだような教室の映像が浮かび、会場はノスタルジックなムードに。温かな余韻を残しつつ稲葉は「フォークソング同好会これにて終了したいと思います」と宣言すると、「起立・礼・解散!」とメンバーに呼びかけステージに帰還した。

ほのぼのとしたブロックから一転して、「TONIGHT(Is The Night)」を皮切りに稲葉と松本は大人な色気を全開にしたパフォーマンスを展開。増田のしっとりとしたピアノが印象的なバラード「どうしても君を失いたくない」を歌い終えたところで稲葉は、「次の曲はぜひ気持ちを一つにして踊りたいなと思ってますが、どうですか? 皆さん、ここでひとつ踊ろうじゃないですか?」と画面の向こうに呼びかける。松本の軽妙なギターに乗せて、稲葉はマイクスタンドを抱え、エネルギッシュに「恋心(KOI-GOKORO)」を熱唱し始める。するとLEDスクリーンにはそれぞれの場所で踊るファンの姿が。それを前に稲葉もおなじみの振りを踊り、楽器隊が最後の一音を鳴らした瞬間に「センキュー!」と弾けるような笑顔で叫んだ。

松本孝弘(G)(写真提供:VERMILLION RECORDS)

松本孝弘(G)(写真提供:VERMILLION RECORDS)[拡大]

ライブの後半戦に差し掛かった頃、松本が立ち上る炎に囲まれながら凄味を感じさせるギターソロを披露。彼が弾く重厚でグルーヴィなギターソロに導かれるように「『快楽の部屋』」になだれ込むと、稲葉は鮮やかな色彩のレーザーとサイケデリックな映像を背にキレのある歌声を聴かせ、歌詞に合わせるように腰に手をあて艶めかしく体を揺らした。息つく間もなく始まった「ZERO」では、カメラが全方位から稲葉と松本の姿を捉え、迫力のあるアングルからステージの様子を切り取っていく。「生きるなら ひとりじゃない」というフレーズに稲葉が力を込めた「RUN」を経て、ラストナンバーとして披露されたのは「裸足の女神」。稲葉は「目の前に皆さんがいるわけではありませんが、熱気を感じながらやれている気持ちでした。最後にもう1曲やりたいので、皆さんも一緒に歌ってください」と述べたあと、オルガンの音色に乗せて目を閉じてサビの一節を感情を込めながらゆっくりと歌い上げる。この曲で使用された照明は白を基調としたシンプルなもの。バンドのありのままをフィーチャーするような演出の中で、松本と稲葉は肩を並べ、リリースから27年以上経った今も広く愛されているライブの定番曲を堂々と奏でる。さらに曲の終盤ではLEDに過去のスタジアムライブの客席エリアの映像が映し出され、Zepp Hanedaは自然とB'zとファンが作り出す一体感のある空間へと変わった。全17曲を披露し終えたあと、松本は「素晴らしい!」と述べ、稲葉は「(観客の姿は)見えないけど、素晴らしい熱気を感じましたね。どうもありがとう、また来週!」と「B'z SHOWCASE 2020 -5 ERAS 8820-」の初日に幕を下ろした。

なお「B'z SHOWCASE 2020 -5 ERAS 8820-」はこのあと、11月7日、14日、21日、28日に開催される。今週末開催のDay2公演でも厳選された楽曲が、この日限りの演出と共に披露されるので楽しみにしておこう。チケットや公演に関する情報は特設サイトにて確認を。

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B'z「B'z SHOWCASE 2020 -5 ERAS 8820- Day1」2020年10月31日セットリスト

01. だからその手を離して
02. BLOWIN'
03. 星降る夜に騒ごう
04. BE THERE
05. 太陽のKomachi Angel
06. Easy Come, Easy Go!
07. GIMME YOUR LOVE -不屈のLOVE DRIVER-
08. ALONE
09. あいかわらずなボクら
10. Baby, You're My Home
11. TONIGHT(Is The Night)
12. どうしても君を失いたくない
13. 恋心(KOI-GOKORO)
14. 『快楽の部屋』
15. ZERO
16. RUN
17. 裸足の女神

「B'z SHOWCASE 2020 -5 ERAS 8820-」

Day2

2020年11月7日(土)19:00~

Day3

2020年11月14日(土)19:00~

Day4

2020年11月21日(土)19:00~

Day5

2020年11月28日(土)19:00~

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B'z @Bz_Official

【NEWS】ナタリー:B’z 5ERAS “Day1” 配信ライブレポート

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