毎年夏に行われている恒例のライブシリーズ「夏のバカ騒ぎ」。当初、今年の公演は8月1、2日に埼玉・メットライフドームで開催される予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて中止に。メンバーの「ファンの方と夏を楽しみたい」という熱い思いから1日限りのオンラインライブとして行われることになった。
過去の「バカ騒ぎ」のオープニングムービーに合わせてメンバーのコメントが流れたのち、ライブはおなじみのSE「overture ~ももいろクローバーZ参上!!~」で幕開け。画面には水玉模様の衣装に身を包み、海に臨む野外ステージに立つももクロの姿が映し出された。4人は疾走感あふれるロックナンバー「stay gold」を1曲目に披露し、続いてポップな映像エフェクトと共にGReeeeNの提供曲「背番号」を歌唱。自己紹介明けの「GODSPEED」ではメンバーが別のステージに移動する様子をドローンカメラが追いかけていく。彼女たちはマリンルックのダンサーを従えてさわやかなパフォーマンスを繰り広げ、さらにオリエンタル調のEDMナンバー「リバイバル」などを畳みかけた。
メンバーが順番に研究テーマを発表し、東京03の飯塚悟志がナレーションでツッコミを入れるVTRコーナー「ももクロ夏の自由研究」を挟み、画面は楽屋風の屋内ステージの映像に切り替わる。4人は百田夏菜子の「もーーーーーーー誰だよ!私のゼリー食べたの!?」という歌い出しで始まる「武陵桃源なかよし物語」を歌唱し、冷蔵庫内に設置されたカメラに向かって視線を送るというミュージックビデオのようなパフォーマンスを展開した。そして曲が終わるとライブ前の楽屋の録画映像が流れ、冷蔵庫にあった百田のゼリーを食べた犯人が玉井詩織であることが判明。楽曲の発表から4年以上の時を経て、歌詞の中のミステリーが解明された。その後、ももクロは野外のプールサイドに並んで「ロードショー」を披露。エレクトリックな音飾に呼応するようにまばゆい照明が4人を照らし、ウォーターキャノンによって大量の水が打ち上がる。感動的な雰囲気のナンバー「希望の向こうへ」では高城れにが透き通った歌声を響かせ、画面越しにモノノフ(ももクロファンの呼称)の涙を誘った。
ももクロがプロデュースするエナジードリンク「ももクロ笑成Z」の発売が決定したことを告知したあと、4人はビーチサンダルに履き替え始める。紫のゴーグルを装着した高城がうきうきした表情で視聴者の期待を高めたところで、メンバーは水風船や水鉄砲でお互いを濡らしながら夏曲「ココ☆ナツ」を歌い、プールに敷かれたシートの上を全力疾走して水上のステージへ。佐々木は恐怖で走り出せずその場にへたり込んでいたが、突如乱入した元プロレスラーの飯塚高史に追い回され、悲鳴を上げながら必死にプール内を移動した。続く「ワニとシャンプー」ではメンバー全員が飯塚に追いかけられて歌うどころではなくなり、ビート板を使って逃走。プールから上がった佐々木は1人楽屋に避難し、タオルで体を拭いたり、パピコを食べたりするというマイペースかつ茶目っ気たっぷりな様子を見せた。はしゃぎ倒して息を弾ませたももクロは次に代表曲「行くぜっ!怪盗少女 -ZZ ver.-」を披露し、百田のエビ反りジャンプで有名なラストのサビ前のパートになると4人で手をつないで一斉にプールへダイブ。しかし佐々木はメンバーを裏切って1人プールサイドに残り、ももクロらしいドタバタ劇を見守るモノノフたちを笑わせた。
ライブ中盤にはメンバーがクルーザーに乗って“タオル曲”の「ツヨクツヨク」とポップチューン「Re:Story」を歌う映像や、「ももクロ夏の自由研究」の百田の研究テーマ「一番楽しい夏のアクティビティ ナニ乗る?」を検証するためにマリンスポーツのハリケーンボートを体験しに行くVTRが上映される。日が落ちすっかり暗くなった会場で、ももクロはそのハリケーンボートに挑戦する映像を交えながら「上球物語 -Carpe diem-」をパフォーマンス。ラテン調のアッパーチューンが響き渡る中、ボートから川に落ちて号泣する佐々木の姿が映し出されるという、シュールかつカオスな絵面が視聴者に配信された。その後、4人は獅子舞と一緒ににぎやかなライブを繰り広げ、CHAIの提供曲「MORE WE DO!」を歌いながら会場に設けられた縁日コーナーを満喫。ひさびさの披露となった「ももいろ太鼓どどんが節」では、和太鼓奏者のヒダノ修一と一彩の力強い演奏をバックにさわやかな汗を流した。
モノノフに夏全開のステージを届けたももクロはここまでの感想を語り合ったのち、人気曲「走れ! -ZZ ver.-」でライブを再開。途中、玉井の私服と同じ服を着たお笑い芸人・永野が登場してメンバーを驚かせ、ラストのサビでは暗転した会場の中で4人の持つペンライトがまばゆい光を放った。続いてガラス張りのチャペルの中に移動したももクロは、ピアノの生演奏に合わせて「キミノアト」をしっとりと歌い上げる。再び屋外に出たあとはGLIM SPANKY提供のブルースロックナンバー「レディ・メイ」をクールに歌唱し、ほんの1時間前にプールではしゃいでいたとは思えない大人びた姿でモノノフを魅了した。
配信画面のコメント欄にあふれるアンコールの声に応え、再びカメラの前に登場したももクロは、炎の映像演出と共にスタジアムロックナンバー「Nightmare Before Catharsis」を披露。曲中、メンバーへのドッキリ企画としてゾンビメイクを施したダンサーが現れると、4人は慌てふためきつつも、ゾンビを交えてライブを続行した。さらにヒャダインこと前山田健一作曲のバラード曲「Hanabi」では夏の夜空に大きな花火が打ち上がり、ももクロのライブを鮮やかに彩る。絶景を前にテンションが上がったメンバーは、最後にゲスト出演者全員を迎え、「コノウタ」をラストナンバーとして歌唱した。
ラストの挨拶では高城が「こうやって制限がある中でもみんなと一緒ならなんでも楽しいんだ、さすがモノノフさんだなと改めて実感しました。それぞれ違う場所にいてもひとつになれるんだなと思いました。そんなモノノフさんがやっぱり大好きです!」と笑顔を弾けさせ、佐々木は「今年の夏をどれだけ楽しめるかっていうのは個々の気持ち次第だと思うんですけど、モノノフさん、私たちももクロ、スタッフさんたちは『この状況でも絶対に楽しんでやるぞ!』という思いがすごく熱くて、今日は楽しい配信ができたと思います」と達成感にあふれた表情を見せる。また玉井は「ここまでライブを大事にずっとやってきたので、お客さんと同じ空間にいられないことは寂しいんですけど、皆さんにこれから先の楽しみを見つけてもらえるように新しいことに挑戦していきたいと思います」と語り、百田は「楽しい時間や心が動く時間を届けることによって、次がんばれる力になれるような存在でいたいなって。私たちがやっていることはそういうお仕事なんじゃないかって思っています。画面越しでも会いに来てくれるのはすごくうれしいですし、その期待に全力で応えられるようにみんなで試行錯誤したのもすごく新鮮でした」「今できることを続けていかなきゃいけない毎日の中で、ちょっとでも楽しいと思ってもらえる、笑顔になってもらえる時間をお届けしたいなと思っています」とコロナ禍におけるももクロとしての決意を表明。コメント欄が「世界のももクロNo.1」という言葉で埋め尽くされる中、ももクロ通算10回目の夏のライブが締めくくられた。
なおABEMAでは8月29日10:00から9月27日24:00まで「ももクロ夏のバカ騒ぎ2020 配信先からこんにちは」の完全版を配信。8月5日12:00から9月27日23:59まで視聴チケットが販売される。
ももいろクローバーZ「ももクロ夏のバカ騒ぎ2020 配信先からこんにちは」2020年8月2日 セットリスト
SE. overture ~
01. stay gold
02. 背番号
03. 仮想ディストピア
04. GODSPEED
05. 『Z』の誓い -ZZver.-
06. リバイバル
07. 武陵桃源なかよし物語
08. ロードショー
09. 希望の向こうへ
10. ココ☆ナツ
11. ワニとシャンプー
12. 行くぜっ!怪盗少女 -ZZ ver.-
13. ツヨクツヨク
14. Re:Story
15. 上球物語 -Carpe diem-
16. MORE WE DO!
17. ももいろ太鼓どどんが節 feat. ヒダノ修一
18. 走れ! -ZZ ver.-
19. キミノアト
20. レディ・メイ
<アンコール>
21. Nightmare Before Catharsis
22. Hanabi
23. コノウタ
太田忠司 @tadashi_ohta
【ライブレポート】ももクロがプールや花火で大はしゃぎ!オンラインで夏全開のステージ届けた「バカ騒ぎ2020」(写真94枚) https://t.co/PwuFqwUUXz