本日7月5日に
気鋭のMCやDJが参加し、加山雄三の楽曲をリビルドした内容で話題を集めたリミックスアルバム「加山雄三の新世界」の発売から今年で3年が経つ。神奈川・リビエラ逗子マリーナ内の会場で行われた無観客ライブには加山の声がけによって
開演時間になると大海原が映し出され、赤やピンクをモチーフにした花の髪飾りと顔にラインストーンを施したコムアイが登場。海をバックにしたオープンテラスで「海 その愛」をたおやかに歌い、加山の「海よ 俺の海よ」というサンプリング音声に耳を傾けながら海を見渡した。続いてスチャダラパーの出番になり、SHINCO(DJ)が「ブラック・サンド・ビーチ~エレキだんじり~」をスピン。BOSE(MC)は「晴れたー!」と喜び、ANIは「逗子マリーナ貸し切りー」とフロウをはさんだ。BOSEは「集まったときになかなかの曇り雨だったけど、歩くパワースポットの加山さんがいるから晴れましたよ!」と梅雨の晴れ間を喜び、「サマージャム2020」「サマージャム'95」という海のロケーションにぴったりの夏ソングを届けた。
逗子マリーナの室内に場面が切り替わり、最初のトークコーナーには加山、コムアイ、BOSE、ももクロから佐々木彩夏と高城れにが参加。雨模様から晴れに転じたことからBOSEが「これが“4時のバカっ晴れ”ですか?」と問いかけると、加山は「それは海の人間が使う言葉なんだけどさ、本当に晴れたね」「最後まで楽しんでいただこうと思うから、がんばろうね」と語った。また“StayHome”期間の話題になると加山は「家の中に缶詰になっても大丈夫なんだ。ゲームやればいいからさ。海で航海するとそれこそなんにもすることがないから慣れてるって話なんだな」と器の大きさをにじませ、逗子マリーナについては「船(光進丸)があった頃は年中来ていた。西伊豆から航海すると楽しいルートだった」と振り返った。またももクロの佐々木と高城は共に横浜出身ということもあり、逗子や江ノ島、湘南の海には昔から馴染みがあることを話し、コムアイは通っていた学校の最寄りが湘南台で「寝過ごすと片瀬江ノ島駅に着くことがありました」と思い思いに湘南の海にまつわる思い出を語った。
オープンテラスのステージでは川辺ヒロシがDJ卓の前で「夜空の星」「夕陽は赤く」に新たな解釈を加えたリミックスを披露。加山、BOSE、ANI、RHYMESTERのMummy-Dのトークコーナーでは加山がラップについて「俺はMASTERKEYから始まってるんだよ。もう20年前かな。いいなあと思ってラップをやってみたかったけどさ、俺がやるとお経になっちゃうんだよ(笑)」とDJ MASTERKEYがきっかけでラップやヒップホップに興味を持ったことを明かす。Mummy-Dは「加山さんはゲームもやってるし、驚かない」、BOSEは「確かBABYMETALのことも僕は加山さんから教えてもらった」と、加山のアンテナの張り方について言及した。またMummy-Dが貴重な加山との共演の機会に「バンドが最後の曲のアウトロを弾いているうちに、加山さんはタクシーに乗って帰っちゃうって本当ですか?」と質問。加山は笑いながら「わかんないよ。そういうことは珍しいんじゃないかな」と答えた。
続いては宮城・仙台から中継でDJ Mitsu The Beatsが出演し、「君といつまでも(Together Forever Mix)」をスピン。この曲は「加山雄三の新世界」において、2018年1月に57歳の若さでこの世をさったヒップホップミュージシャンの
再び逗子マリーナのテラスに映像が切り替わり、RHYMESTERが「ONCE AGAIN」を投下。宇多丸(MC)が「画面の前の皆さんも人差し指を突き上げて!」と呼びかけ、「雨上がり」「風はまた吹く」などこの日のロケーションにうってつけのリリックが並ぶ。3人は指を突き上げて、カメラの向こうの視聴者に向けてコール&レスポンスを求めた。約3カ月ぶりだというライブにテンションが高まった3人。DJ JIN(DJ、MC)の歌い出しから加山の楽曲「旅人よ」をハモリ、加山のサンプリングされた歌声をふんだんに交えつつ、アグレッシブなラップを畳みかけた。宇多丸が「続いては本当にお嫁に来てしまいましたね! PUNPEE!」とバトンをつなぐ。先日、秋元才加との結婚を発表したPUNPEEはフォーマルなスーツ姿で登場。「お嫁においで」をパフォーマンスし、海風を浴びながら軽快なステップを踏んだ。トークパートではPUNPEEが結婚発表時に加山から祝福コメントをもらったお礼の品を手渡した。プレゼントの中には秋元からの手紙も入っており、加山はトークそっちのけで手紙にじっくりと目を運んでいた。
またRHYMESTERによる「旅人よ」のパフォーマンスを生で観た加山が「RHYMESTERはゆったりしたリズムからうまいことノッていくんだよね。素晴らしいよ」とリミックスの感想を語る。宇多丸は「加山雄三の新世界」参加にあたって楽曲のマルチトラックを受け取り、そのおかげもあって「ハーモニーも研究して作った」「楽器から歌までどれもいい音でした」と述べ、PUNPEEも「ボーカルのデータとかも音が凝っていてすごい」とパラデータについて言及。加山は「俺はうるさいんだな。これでもダメだ、となんべんもやり直すから」とレコーディングにおけるこだわりを明かした。トークコーナーではその後、ゲームやヒップホップの話題、コロナ禍で提唱される“新しい生活様式”について、さらには宇宙の話題にまで話がおよんだ。
イベント終盤、オープンテラスにはももクロ、サイプレス上野とロベルト吉野が登場。トロピカルなサウンドのトラックに乗せ、「蒼い星くず」でももクロが畳みかけるようなラップを披露し、上野が合いの手を挟む。続けてサ上とロ吉の結成20周年を記念したコラボ作品「サ上とロ吉と」から、「More & More feat. ももいろクローバーZ」を演目として用意し、ステージでの共演を実現させた。最後のトークコーナーにはBOSE、上野、ももクロの百田夏菜子と玉井詩織が参加。百田は海を望むステージでのライブに「めちゃくちゃ気持ちよかったです! 夏が始まるなって感じ」とコメントした。また横浜市戸塚区を拠点とする上野は「結成した頃、20年前か。ヒマすぎて逗子マリーナにしょっちゅう来てました。さっき、そこの公園で当時を思い出しちゃって、おセンチになってました」と逗子マリーナでの思い出を振り返った。
陽が沈み、空が夕焼けに染まる頃、大トリとして加山がテラスに立ち、室内からの呼びかけに「準備できてるよ。ありがとうございます。新しい世界はきっといい世界になるよ」と述べる。遠くに江ノ島を望む海をバックに、加山は名曲「海 その愛」で昔と変わらないダンディな歌声を響かせ、夕焼けと波の音をバックにイベントは感動的なフィナーレを迎えた。加山は「みんなどうもありがとうね」と優しく感謝を伝え、配信は終了した。このライブのアーカイブは配信チケット購入者を対象に明日7月6日23:59まで公開されている。
なお8月8日には若大将の芸能生活60周年を記念して「加山雄三の新世界」のアナログ盤が発売される。
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加山さん、ありがとうございました!!!!!!!
【ライブレポート】加山雄三「新しい世界はきっといい世界になるよ」豪華ゲストとの逗子マリーナ無観客ライブ大成功(写真10枚) https://t.co/MH2jDaQu2A