昨年1月に行われた東京・ステラボール公演にて「『ゲイでもアイドルになれる!』in 中野サンプラザ」の開催を発表した二丁魁。12月には最年少メンバー・きまるモッコリの脱退というグループの危機に直面した彼らだが、過去最大規模のワンマンライブを成功させるべく、ここまで歩みを止めることなく活動を続けてきた。そしてライブ当日、チケットは1階席、2階席共にソールドアウト。大勢のおなカマ(二丁魁ファンの呼称)が中野サンプラザホールに集まった。
ぺいにゃむにゃむの影アナで観客の期待が高まる中、ステージの紗幕が上がるとメンバーが文字の書かれたサイコロを振って「ゲイでもアイドルになれる!」という文章の完成を目指すコミカルなオープニングムービーが流れる。映像内で長時間の挑戦を経て見事ミッションを達成したミキティー本物、ぺいにゃむ、白鳥白鳥は、大きな歓声に包まれながらおなカマの前へ。登場するやいきなり新曲「GAY STAR」を初披露し、会場をざわつかせつつも、すぐにおなカマを楽曲の世界観に引き込んだ。
満員の会場を見渡して挨拶を述べた二丁魁は、ここからメンバーカラー4色の柱が立つシンプルなセットのステージで怒涛のノンストップライブを展開。代表曲である「青春は何度でもやり直せるなんて嘘だ」「そっ閉じ 青春」や、2015年発表の初のオリジナル曲「The frog in the well knows nothing of the great ocean ~カエルのうた~」などを休むことなく畳みかけていく。3人は「ホモサピエンス」や「(1+1)×0=0」をじっくりと歌い上げたかと思えば、マイクスタンドを使ってアッパーチューン「鶴は千年 亀は万年 僕の数年」を熱唱し、おなカマと共に力強く拳を突き上げる。続く「ピンポンダッシュ」ではまばゆいミラーボールの光がステージを彩った。
ライブ中盤にはぺいにゃむの「これからもおなカマと歩み続けます! ゲイでもアイドルになれる!」という叫びを合図に、「マイノリティーサイレン」と「BUG IS LIFE」をマッシュアップしたナンバーが披露される。3人はおなカマと盛大なシンガロングを繰り広げ、会場に一体感を生み出した。続けて「see you next life」「リバ」「耳をすませば」といった情熱的な楽曲を次々にパフォーマンスした彼らは、おなカマと出会うまでのことをつづった「アンハッピーバースデー」を歌唱。曲の終盤には客席に向かって色とりどりのテープが勢いよく発射された。
アンコールでは、3人がきまるのメンバーカラーである青のあじさい柄の新衣装を着てステージへ。ミキティーは「今ステージにいるのは私たち3人だけど、この先いつでも一緒だと思えるような時間を過ごしてきて。ステージにいてもきまるくんのことをずっと感じているし、きまるくんの分までみんなに希望を届けられるような存在になりたいということで、こういう衣装にしました」ときまるへの思いを吐露した。そしてミキティーの「おなカマときまるくん、私たち二丁魁の全員をひっくるめた曲になっています。今日しか歌わないんですけど、目に焼き付けくれたらうれしいです。4人で歌う最後の曲になります」という曲紹介を経て、二丁魁はもう1つの新曲「あの青い水平線の向こう側」を歌唱。ステージ上段に並ぶメンバーにはそれぞれの担当カラーのスポットライトが当てられ、ミキティーとぺいにゃむの間に空いたスペースにも青い光が降り注いだ。また、きまるのために設けられたパートでは彼の過去の音声を組み合わせた歌声が流れ、青のペンライトを振るおなカマの涙を誘った。
場内がセンチメンタルな空気で包まれる中、メンバーは「唯一まともだったきまるくんがいなくなって、ヤバい3人が残っちゃったね(笑)」と笑い合い、観客を煽りながら「まるもうけ」「シワの数だけ被GAY妄想」を歌う。最後、ミキティーはメッセージ入りのハート型の紙が舞う客席に向かって「またアイドルとして一歩ずつ進んでいきます。私たちの手作りでいろんな思い出を一緒に作りたいと思いますので、これからもどうぞ応援よろしくお願いします!」と改めて決意表明。中野サンプラザホールを笑顔で満たし、ワンマンライブの幕を閉じた。
3人がステージから立ち去ったあと、ステージ上のスクリーンには特報の文字が。3月20日に神奈川・Yokohama Bay Hallでミキティー本物の生誕祭「Maybe26年前 横浜でborn!!」、5月1日に東京・EX THEATER ROPPONGIで結成9周年ライブ「ゲイでもアイドルになれるんじゃ9?」が行われること、オフィシャルファンクラブ「おなカマ倶楽部」、通称「おなクラ」がオープンすることが発表され、客席から歓声が沸き起こった。
二丁目の魁カミングアウト「『ゲイでもアイドルになれる!』in 中野サンプラザ」2020年1月8日 中野サンプラザホール セットリスト
01. GAY STAR
02. 青春は何度でもやり直せるなんて嘘だ
03. そっ閉じ 青春
04. 病める時も 健やかなる時も
05. ボクの夢はお嫁さん
06. The frog in the well knows nothing of the great ocean ~カエルのうた~
07. 三原色カタルシス
08. TOO SHY SHY PEOPLE
09. ホモサピエンス
10. (1+1)×0=0
11. LOUE
12. 若くない者のすべて
13. 鶴は千年 亀は万年 僕の数年
14. ピンポンダッシュ
15. マイノリティーサイレン+BUG IS LIFE
16. see you next life
17. リバ
18. 耳をすませば
19. アンハッピーバースデー
<アンコール>
20. あの青い水平線の向こう側
21. まるもうけ
22. シワの数だけ被GAY妄想
二丁目の魁カミングアウト ミキティー本物生誕祭「Maybe26年前 横浜でborn!!」
2020年3月20日(金・祝)神奈川県 Yokohama Bay Hall
二丁目の魁カミングアウト 結成9周年ライブ「ゲイでもアイドルになれるんじゃ9?」
2020年5月1日(金)東京都 EX THEATER ROPPONGI
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二丁目の魁カミングアウト、満員の中野サンプラザに響かせた“4人”の歌声 https://t.co/cBLocAupjW