DYGL、予定調和を吹き飛ばす「Bad Kicks」ワンマン完走

DYGLのワンマンツアー「Bad Kicks Tour」が5月28日の愛知・CLUB UPSET公演で終幕。この記事では5月25日の東京・WWW X公演の様子をレポートする。

2月に配信リリースされたシングル「Bad Kicks」を携えて行われた今回のツアーは3会場でワンマンライブが実施された。大入りとなったフロアから歓声が飛び交う中、DYGLの4人は落ち着いた様子でステージに登場。彼らはライブ冒頭、「I'm Waiting For You」「Let It Out」といったメロウなナンバーで来場者を歓迎した。「Let's Get Into Your Car」でNobuki Akiyama（Vo, G）は伸びやかな歌声で会場を包みこみ、「Slizzard」ではYotaro Kachi（B）、Kohei Kamoto（Dr）が力強いリズムでオーディエンスをリード。フロアの熱気を徐々に高めていった。

Akiyamaが「（『Slizzard』は）酔っぱらいの歌なんですけど、僕らも死ぬほど昨日飲んで……」と前日の様子を明かして場を和ませつつ、中盤に入ると4人は「Crazy」や「Sightless」、AkiyamaとYosuke Shimonaka（G）の弾くきらびやかなギターフレーズが絡み合う新曲（タイトル未定）など、ミドルテンポのナンバーを続けて披露。心地よいムードを生み出し、ライブを進行した。

ノスタルジックな雰囲気が漂う「Thousand Miles」の演奏が終わると、Akiyamaは「2018年にロックンロールを信じている人たちがこれだけいるのは、うれしい限りです」と来場者への感謝の思いを語った。続けて彼は「東京はいろんなところが合理的にできているんですけど、地方や海外にはなんであるのか、よくわからないような場所があるんです。そういうのが好きで、街をいつも散策してます」とツアー先での楽しみについて触れ、「合理的で予定調和なものが僕は嫌で。そんな思いを込めて作った曲です」という紹介のもと「Bad Kicks」を披露。四つ打ちのリズムをメインに据えた、力強いアレンジで観客たちを楽しませた。

伸びやかなギターサウンドで魅せる新曲（タイトル未定）ののち、ライブ後半ではメンバーの美しいコーラスワークが印象的な「Happy Life」「I've Got to Say It's True」など、おだやかな雰囲気の楽曲群が次々とプレイされた。Akiyamaの「無駄だと思っても、好奇心を持って生きていきましょう。無駄なんてない！」というMCのもと演奏された「Waste Of Time」を経て、4人はラストナンバーとして「Don't Know Where It Is」をプレイ。曲調が激しくなるにつれ、フロアの熱気も急上昇していた。

アンコールに入ると、4人は昨年4月発表の最新アルバム「Say Goodbye to Memory Den」のオープニングを飾る「Come Together」で再び観客たちを沸かせた。そして「世界のどこかでまた会いましょう！」というAkiyamaの宣言のあと、最後に演奏されたのは「All I Want」。Akiyama、Shimonaka、Kachiのアグレッシブなステージングに合わせてフロアも大いに揺れ、ワンマンはフィニッシュを迎えた。