「君のいない世界~hideと過ごした2486日間の軌跡~」は、hideと音楽制作を共にしてきたI.N.A.が、hideと過ごした日々をつづった書籍。トークショーに登場したI.N.A.は、書籍を書いた理由について「僕とhideさんがどういうふうに音楽を作っているのかを通して、hideさんの人柄とか語られることのなかった人間像を伝えられたらと思って書くことにしました」と述べたほか、「読んで悲しくなるような表現はないので安心してください。自分本位で書いていることもなくて、ただ見てきたことをただ書いているだけです。僕と松本秀人が作っていたhideの音楽を感じてもらえたらうれしいです」とイベント参加者に呼びかけた。
I.N.A.はTwitterでハッシュタグ「#君のいない世界」を付けて書籍のレビューを投稿する企画が展開中であることに触れ、「皆さんのレビューを読んで、やっぱり書いてよかったなと思いました」と笑顔を見せた。また彼は4月に
トークショー後半にはゲストとして松本裕士氏(hide実弟でヘッドワックスオーガナイゼーション代表取締役)と、hide存命時にレコード会社で宣伝担当をしていた姉帯恒氏(hide没後20年プロジェクト「hide 20th Memorial Project」プロデューサー」)というhideと縁の深い2人が参加。松本氏と姉帯氏は「ヒデラ被害者の会、1号と2号です」と冗談交じりに挨拶をして会場の笑いを誘った。その後、4月末に東京・お台場で行われた没後20年メモリアルライブイベント「hide 20th memorial SUPER LIVE『SPIRITS』」を振り返った3人。松本氏は「もともとは横須賀でやれたらとお話をいただいていましたが、結果的に、場所にも天気にも恵まれて、すばらしいメモリアルイベントになりました」とメモリアルライブを振り返り、「稲田さんはX JAPANとhide with Spread Beaverとこの本と、映画『HURRY GO ROUND』と大忙しで。この年齢になってこれだけ稼働していただくのは申し訳ないなと思いながら」とI.N.A.に感謝の言葉を送った。
このほか、hideの命日にあたる5月2日に発売されたhideの言葉、音声、映像をまとめたボックスセット「hide1998~Last Words~」の話題に話がおよび、I.N.A.が「あの赤いやつ開けた?」と話を振ると、松本氏が「開けると出てくる液体は宇宙食ふうになってますけど絶対に飲まないでください」と遊び心のあるパッケージ内容になっているボックスセットの中身について言及。さらに松本氏は「hideさんが生きている当時、最後に『CDを氷詰めにしてお客さんに送りつけよう』という企画が本人から出てたんです」と話し、運送会社への協力まで得て話を進めていたというエピソードも明かした。
また映画「HURRY GO ROUND」について、姉帯氏は「ちょっと特殊なドキュメンタリーで、矢本悠馬さんという若手の俳優さんを起用しています。長らくのhideさんファンもいれば、新しくファンになったという方も最近増えてきました。矢本さん自身は音楽の情報番組にも出てますし、自分でフェスに行くなど音楽には非常に詳しい方なんですが、hideさんについては知っているけど詳しくはないということで、今回そういった方にもhideさんを知ってもらえればというのがこの映画の大きな枠組みになっています」と説明した。そこに松本氏が「こうやって話してますけど、(姉帯氏は)hideさんに飲まされて、西麻布でバーのカウンターから落っこちてた人だからね」と口をはさむ場面もありつつ、姉帯氏は「そういうシーンは映画に出てこないです(笑)」と念押し。続けて松本氏はI.N.A.が先日、酒の席で“イナラ”になったことを暴露するも、I.N.A.が「僕は平和主義だから酔ってもラップバトルだよ」とほほえむなど、和やかなムードの中でさまざまな話題に花を咲かせた。
イベントの終盤、松本氏は書籍とI.N.A.について「当時の稲田さんとhideさんが作業していた風景を思い出しました。コンピュータに向かって黙々と作業している姿を見て、『カッコいい人だな』と当時から思ってました。あのときの2人は日本とロサンゼルスでの孤独で寂しい環境の中、黙々と作業を続けていました。2人が『ファンに早く音を聞かせてあげたい、楽しませてあげたい』という思いを抱いて音楽を作っていた様子を懐かしく思います」と述べ、「今でも皆さんにこうやって来ていただいたり、楽しく遊んだりしていただけていることを何よりうれしく思っています」とコメント。姉帯氏は「hideさんと一緒にお仕事をさせていただいた時間は本当に貴重でした。あのときに教わったことが今のベースになっていますし、僕なりの恩返しでいろんな方にhideさんのことを知ってもらえればと思います」と述べた。そして最後にI.N.A.は「このような素人が本を出させていただいて、ヤマハの皆さんには感謝しています。本を読んでいただいて、hideさんのこと、そしてhideの音楽をもっと多くの人に伝えていけたら幸せです」と述べてトークショーを終えた。
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