ハロプロ20周年の「ひなフェス」初日はレジェンド続々登場

ハロー！プロジェクト所属のアイドルによるライブイベント「Hello! Project ひなフェス 2018」が、神奈川・パシフィコ横浜展示ホールA / Bで3月31日、4月1日の2日間に渡って開催された。ここでは初日2公演の模様をレポートする。

ハロー！プロジェクト所属アーティストが一堂に介し、ソロ＆シャッフルユニットなど1日限りのプログラムが展開される恒例の春コンサート「ひなフェス」。今年はハロプロ創立20周年ということもあり、モーニング娘。の1期メンバーや各時代を彩ったOGたち、さらには太陽とシスコムーンも登場し、アニバーサリーイヤーの「ひなフェス」を華々しく盛り上げた。

3月31日の昼公演は、モーニング娘。1期メンバー、太陽とシスコムーンをフィーチャーした「Hello! Project 20th Anniversary!! プレミアム」。オープニングからモーニング娘。1期メンバーの中澤裕子、安倍なつみ、飯田圭織、石黒彩、福田明日香の5人が登場し、デビュー曲「愛の種」を歌い会場を沸かせた。中澤は「みんな生きてたかい？ 私生きてたよー！」と当時からのファンに挨拶し、のちに卒業と新加入を繰り返すモーニング娘。の歴史において初めての卒業メンバーとして1999年にグループを離れた福田は「こんな日が迎えられるなんて、本当にうれしいです」としみじみ。石黒は「ライトがついた瞬間にこれだけの人が喜んでくれるなんて……最高だね」と喜び、飯田は「コンサートがあると思ったら、自然と前髪を切ってたね。ジョンソンになって来ました」と前髪をそろえた懐かしい髪型とかつてのニックネームで挨拶した。続いては安倍が現役メンバーの譜久村聖、小田さくらをコーラスに従えてバラードナンバー「ENDLESS HOME」を熱唱。安倍は「私たちは16ビートを意識するように言われてたけど、みんなは倍ぐらいだよね」と現役メンバーのキレのよさを称賛した。その後、飯田、石黒に矢口真里を加えたタンポポ1期メンバーが「ラストキッス」と「たんぽぽ」を歌うと、場内は一面たんぽぽの花を思わせるサイリウムの黄色い灯りに包まれた。

冒頭からレジェンドの登場で沸き立つ中、ここからは現役ハロプロメンバーが続々と登場。ハロプロ研修生、一岡伶奈、高瀬くるみ、清野桃々姫、稲場愛香、つばきファクトリー、こぶしファクトリー、カントリー・ガールズがショーケース的にパフォーマンスを行い、それぞれの個性をアピールした。幕間のMCでは、太陽とシスコムーンの「Magic of Love」を歌い継いでいるJuice=Juiceのメンバーが太シスを紹介し、ステージへと呼び込む。「ガタメキラ」のイントロに乗せて稲場貴子、信田美帆、小湊美和がメインステージに姿を現わすと、場内割れんばかりの大歓声が。上海で子育て中のRuRuを欠いた状態ながら、3人は現役当時と変わらぬパワフルな歌声で観る者を圧倒した。2曲目の「月と太陽」ではフロア上空の巨大なミラーボールが激しく旋回。「宇宙でLa Ta Ta」では元体操選手である信田の連続バック転も飛び出した。3人はアリーナを囲む花道を1周しながら、最後にフィリーソウルテイストのディスコチューン「Magic of Love」を歌い、仲良く肩を組み「センキュー！」と笑顔でステージをあとにした。

その後は「ひなフェス」恒例シャッフルユニットのコーナーへ。このコーナーでは事前に抽選会によって選ばれたメンバーがソロや1日限定ユニットとして登場するが、初回は山木梨沙（カントリー・ガールズ）がソロで後藤真希の「スクランブル」を、和田彩花（アンジュルム）、中西香菜（アンジュルム）、一岡の3人がBuono!の「ロッタラ ロッタラ」をカバー。最後はこぶしのレパートリーであるKANの「桜ナイトフィーバー」を現役メンバー全員で歌い、メインステージと花道を埋め尽くす圧巻の光景を作り上げた。

Juice=Juice、アンジュルム、モーニング娘。'18のパフォーマンスを挟み、最後は再びモーニング娘。1期メンバーがステージへ。メジャーデビュー曲「モーニングコーヒー」はアップテンポに進化した最新アレンジ“20th Anniversary Ver.”で披露され、「抱いてHOLD ON ME!」では大サビのフレーズ「ねえ笑って」でスクリーンに飯田の顔が大写しになり、往年のファンは大盛り上がり。最後は出演者全員でモーニング娘。最大のヒット曲「LOVEマシーン」を歌い、にぎやかに昼公演のステージを終えた。

隣接するパシフィコ横浜展示ホールC / Dでは、生活環境と自然とのバランスを保つために必要な「里山」の存在意義や価値観を再確認しつつ、そこに人が集う美しいライフスタイルを提案するイベント「遊ぶ。暮らす。育てる。SATOYAMA & SATOUMIへ行こう 2018」が展開され、ハロプロメンバーも多数参加した。KDDIとハロプロによる「音のVR」ブースにはモー娘。の譜久村、アンジュルムの和田、竹内朱莉、佐々木莉佳子が登場。ブース内に設置されたタブレット端末を使い、360°仕様の映像と音響に対して観たい、聴いたい部分にズームできる「音のVR」技術を、モー娘。とアンジュルムが登場するデモ映像で体験した。和田は「まさに楽屋の雰囲気が動画の中に収まっていて。私たちはみんなが同時にしゃべるから普段は誰が何言ってるかわからないんですけど、ズームすると『この人こういうことしゃべってるんだ！』って知れて楽しかったです」、譜久村は「モーニング娘。のは『I WISH』を歌いながらお手紙を読む動画で、1つの作品ができあがったと思って感動しました」とそれぞれデモを体験した感想を語った。

夜公演の「モーニング娘。20th Anniversary!! プレミアム」はモーニング娘。'18とOGメンバーの矢口真里、吉澤ひとみ、高橋愛、藤本美貴、道重さゆみ、田中れいな（LoVendoЯ）による「Mr.Moonlight ～愛のビッグバンド～」で幕開け。発表当時この曲でセンターを務めた吉澤をはじめとするOGメンバーの顔が会場のスクリーンに映し出されるたびに、場内には大きな歓声が響きわたった。MCでは吉澤が「ひさびさに踊ったんですけど、みんなのノリ方も成長してるなと思いました」と語り、矢口は「OGのみんなから息切れが聞こえる」と観客の笑いを誘う。また矢口から若さを保つ秘訣を聞かれた道重は「自分に自信を持つことですかね。でも今日はちょっと点数低くて……100点ですね」と答え、モー娘。時代からのぶれないキャラクターで会場を沸かせた。

軽快なトークのあと、吉澤は稲場、野村みな美（こぶしファクトリー）とプッチモニ「BABY! 恋にKNOCK OUT!」を、矢口はモー娘。の小田、石田亜佑美、横山玲奈とミニモニ。「ミニモニ。ひなまつり！」を歌唱してオーディエンスを盛り上げる。ハロプロのリーダーであるアンジュルム和田と共に改めて「ひなフェス」の趣旨を説明した譜久村は、「ハロプロ知ってる人って人生の10割得していると思う」とモー娘。OGメンバーのパフォーマンスを観た感想を口にした。

その後ハロプロ研修生が「Hello! まっさらの自分」、一岡、高瀬、清野、稲場の4人が℃-ute「Midnight Temptation」を披露。つばきファクトリーは「笑って」「ハナモヨウ」といったメジャー2ndシングルの表題曲2曲、こぶしファクトリーは応援ソングである最新シングル曲「これからだ！」などを届け、カントリー・ガールズは「リズムが呼んでいるぞ！」でメンバー1人ずつコール＆レスポンスを繰り広げて観客を楽しませた。「ひなフェス」恒例のソロ曲とシャッフルユニットのコーナーでは、モー娘。の飯窪春菜がお気に入りのメンバーであるこぶしファクトリーの井上玲音からのエールを受けて登場し、真野恵里菜「黄昏交差点」をソロで歌唱。さらに譜久村、竹内、森戸知沙希（カントリー・ガールズ）、植村あかり（Juice=Juice）が歌うBuono!「Independent Girl～独立女子であるために」のあとには、全グループによる「桜ナイトフィーバー」が届けられた。

ライブ後半にはJuice=Juiceが4月18日発売のトリプルA面シングルより「SEXY SEXY」「Vivid Midnight」、アンジュルムが代表曲「大器晩成」など、モー娘。が「花が咲く 太陽浴びて」や結成20周年を記念した楽曲「五線譜のたすき」を熱演。再びモー娘。OGメンバーが登場するブロックでは藤本がハロプロ研修生を従えて「ロマンティック 浮かれモード」を披露し、イントロが流れた瞬間に場内は大歓声で包まれた。また田中が「Rockの定義」、道重が「ラララのピピピ」とそれぞれ自身のソロ曲を歌ったほか、高橋、道重、田中の3人が「Give me 愛」、吉澤、高橋、藤本、道重、田中の4人が「悲しみトワイライト」といったモー娘。のナンバーを堂々とパフォーマンス。そして全グループによる「浪漫 ～MY DEAR BOY～」で「ひなフェス」1日目のラストは締めくくられた。