AL、新曲盛りだくさんの1年半ぶりワンマン

ALが11月27日に大阪・BIGCAT、30日に東京・LIQUIDROOMでワンマンライブ「AL LIVE 2017」を開催した。この記事では東京公演の様子をレポートする。

「AL LIVE 2017」は彼らにとって、2016年5月のツアー「AL 1st Tour」の最終公演以来およそ1年半ぶりのワンマンライブ。2016年4月発売の1stアルバム「心の中の色紙」と2018年1月17日にリリースを控える2ndアルバム「NOW PLAYING」からのナンバー、さらに未発表曲がアンコールを含め計21曲届けられた。

場内に静かに弦を爪弾く音が響いたあと、大歓声に迎えられステージに現れたAL。彼らは「よろしくー！」と両手を上げた長澤知之（Vo, G）のギターフレーズから、「心の中の色紙」でライブを開始する。4人のグルーヴィなアンサンブルが響くと、ステージのバックにはランプのように温かな照明がきらめいていた。小山田壮平（Vo, G）がポツリと「ありがとう」と言うと、続いてはドライブ感のある「HAPPY BIRTHDAY」の演奏へ。後藤大樹（Dr, Cho）のパワフルなドラミング、藤原寛（B, Cho）のアグレッシブなベースライン、そして長澤と小山田の叫ぶようなボーカルを受け、オーディエンスは体を揺らしたり手を挙げたりと思い思いにライブを楽しんでいた。

小山田の郷愁を帯びた歌声が印象的な「ランタナ」の演奏後、メンバーはそれぞれチューニングを実施する。これを終えると突如、厳かにコーラスを重ねて「メアリージェーン」へ。オーディエンスの目がステージへと奪われる中、後半で4人はさらに複雑なアンサンブルを披露しフロアを圧倒した。彼らが衝動的なパフォーマンスを見せた「Mt. ABURA BLUES」では、長澤と小山田が顔を見合わせて叫び合うシーンも見られ、会場からは大きな拍手と歓声が上がる。そんなファンの声を受けた小山田は「こんばんは、ALです。めっちゃいい……んですか？ ありがとう！」とはにかむと「ライブですから。皆さん最後まで楽しんで！」とメッセージを贈った。

またこの日、ALは来年1月発売の12曲入りアルバム「NOW PLAYING」からおよそ半数ほどの楽曲を披露。ときに観客の体を揺らしたり、ときに圧倒的な演奏で目を釘付けにしたりとさまざまな空気感のナンバーでファンを惹き付けた。そして長澤は「ありがとうございました」と礼をするも、本編ラストのナンバーを前に暗転しようとしていたところで突然「寛、全然しゃべってない」と藤原について言及。再びステージに明かりが灯ると小山田は「寛は今日、着替えを山手線に置いてきました」と明かし、それに対して藤原が「たぶん今、（山手線内を）グルグルと回ってると思う」と返す。そんなメンバーのゆるいトークに客席から温かな笑いが起こったのち、4人はそれぞれスポットライトを浴びながら温かな音で「花束」を演奏し始める。後半、後藤のダイナミックなドラミングを合図に小山田と長澤はエモーショナルなハーモニーを響かせていた。

アンコールでは小山田の口から3月にツアーが行われることが告知され、ファンから喜びの声が上がる。アンコール1曲目は客電が点いたアットホームな空気感の中で「北極大陸」が届けられた。後藤の叩くカホン、藤原のベース、小山田と長澤のアコースティックギターの温かくにぎやかなアンサンブルが会場を彩っていく。小山田と長澤がエレキギターへと持ち替え、後藤がドラムセットの前にスタンバイしたところで、長澤は「じゃあ3月に会いましょう」とコメント。4人はこの日、ノスタルジックな「さよならジージョ」で観客とお別れした。

なおALは3月のツアー「2nd Tour 2018」にて全国7カ所でライブを行う。バンドのオフィシャルサイトでは、12月10日までチケットの先行予約を受付中。