人間椅子が過去最大の会場・Zepp DCで見せた新境地

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人間椅子がライブツアー「異次元からの咆哮~リリース記念ワンマンツアー~」のツアーファイナルとして、昨日11月19日に初の東京・Zepp DiverCity TOKYO公演を実施。近年着実にライブの動員を増やしてきた彼らだが、この日の舞台となったZepp DiverCity TOKYOは単独公演としては最大規模の会場となった。

人間椅子とは?

和嶋慎治(G, Vo)、鈴木研一(B, Vo)、ナカジマノブ(Dr, Vo)による3ピースバンド。1989年に出演したTBSテレビ系「平成名物TV イカすバンド天国」で高い評価を獲得し、1990年7月にメルダックより「人間失格」でメジャーデビューを果たす。その後インディーズでの活動や、ドラマーの交代などを経ながらも、コンスタントにライブやリリースを重ねていく。Black Sabbath風のハードロックと地元・青森の津軽民謡を掛け合わせた独自のサウンドや、江戸川乱歩などに影響を受けた文学的な歌詞、確かなテクニックに裏打ちされたライブパフォーマンスで、音楽ファンの厚い支持を集め続けている。2012年、ももいろクローバーZのシングル「サラバ、愛しき悲しみたちよ」に収録された「黒い週末」に和嶋がギターで参加したことが話題に。2013年にはオジー・オズボーンのオーガナイズにより千葉・幕張メッセで開催されたロックフェス「OZZFEST JAPAN 2013」に出演し、そこでのパフォーマンスが大きな評判を呼ぶ。2015年1月に約23年ぶりとなる東京・渋谷公会堂でのワンマンライブを成功させた。2018年にはBSジャパンの連続ドラマ「三島由紀夫 命売ります」に主題歌として「命売ります」を提供。2019年6月に30周年記念アルバム「新青年」、12月にベストアルバム「人間椅子名作選 三十周年記念ベスト盤」をリリースした。

自身のシグネイチャーモデルギター「冥王~Pluto」を弾く和嶋慎治。(撮影:堀田芳香)

自身のシグネイチャーモデルギター「冥王~Pluto」を弾く和嶋慎治。(撮影:堀田芳香)

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人間椅子(撮影:堀田芳香)

人間椅子(撮影:堀田芳香)[拡大]

客電が落ち、おなじみのSEが会場に流れると、10月4日に発売された最新アルバム「異次元からの咆哮」のアートワークにも用いられた、ねぷた絵師・三浦呑龍による勇猛な絵がステージ後方のスクリーンの中で蠢く。1曲目「超自然現象」では和嶋慎治(G, Vo)に煽られてオーディエンスが「来る 来る ミラクルパワー」と歌い、続く「膿物語」では、鈴木研一(B, Vo)の迫力ある歌声とナカジマノブ(Dr、Vo)の力強いドラム連打に鼓舞されて観客が跳ね出す。

鈴木研一(撮影:堀田芳香)

鈴木研一(撮影:堀田芳香)[拡大]

序盤のハイライトは、LEDスクリーンとプロジェクションマッピングを駆使したミュージックビデオが話題になった「虚無の声」だった。この曲ではMVを監督した田中英和(A+plus)が3人の生演奏に合わせてVJ的な映像演出を実施。結成30年を迎えるベテランでありながら、新たな挑戦を続けていることを実感させられる場面となった。

ボウイング奏法をする和嶋慎治。(撮影:堀田芳香)

ボウイング奏法をする和嶋慎治。(撮影:堀田芳香)[拡大]

デビューアルバム「人間失格」からの「あやかしの鼓」でおどろおどろしい空気を作ったあとは、和嶋によるテルミン演奏やボウイング奏法が印象的な「宇宙のシンフォニー」や、疾走感あふれる「太陽がいっぱい」を披露。「異端者の悲しみ」と「芳一受難」では再び映像演出とコラボレートし、各曲の物語にさらなる彩りを加えていた。ナカジマがドラムを叩きながらノリノリで歌う「悪夢の添乗員」からライブは終盤に突入。「地獄の球宴」で鈴木が豪快に吠え、「天国に結ぶ恋」で和嶋が妖しい語り部となる。本編の最後は「針の山」でZepp DiverCity TOKYOを揺らした。

ナカジマノブ(撮影:堀田芳香)

ナカジマノブ(撮影:堀田芳香)[拡大]

アンコールで再びステージに姿を現した人間椅子の3人は、まず「新調きゅらきゅきゅ節」で観衆の一体感を作り出し、威圧感たっぷりに「地獄のヘビーライダー」を演奏。さらにダブルアンコールに応えて最後に「なまはげ」で会場をヒートアップさせた。

なお、この日の公演で彼らは今後の展開を発表している。まずは2018年1月22日に東京・TSUTAYA O-WESTにて、DOOMを迎えて「人間椅子提供 地獄の感謝祭 第一弾」を開催。この企画はその後も定期的に行われ、さまざまな対バン相手の出演が予定されている。そして2018年4月から新たな全国ツアーが開催されることも決定。このスケジュールは後日発表される。

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人間椅子「異次元からの咆哮~リリース記念ワンマンツアー~」2017年11月19日 Zepp DiverCity TOKYO セットリスト

01. 超自然現象
02. 膿物語
03. 虚無の声
04. あやかしの鼓
05. 宇宙のシンフォニー
06. 太陽がいっぱい
07. 異端者の悲しみ
08. 芳一受難
09. 悪魔祈祷書(※祷は示へんに壽)
10. 月夜の鬼踊り
11. 相剋の家
12. 悪夢の添乗員
13. 地獄の球宴
14. 天国に結ぶ恋
15. 針の山
<アンコール>
16. 新調きゅらきゅきゅ節
17. 地獄のヘビーライダー
<ダブルアンコール>
18. なまはげ

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