客電が落ち、おなじみのSEが会場に流れると、10月4日に発売された最新アルバム「異次元からの咆哮」のアートワークにも用いられた、ねぷた絵師・三浦呑龍による勇猛な絵がステージ後方のスクリーンの中で蠢く。1曲目「超自然現象」では和嶋慎治(G, Vo)に煽られてオーディエンスが「来る 来る ミラクルパワー」と歌い、続く「膿物語」では、鈴木研一(B, Vo)の迫力ある歌声とナカジマノブ(Dr、Vo)の力強いドラム連打に鼓舞されて観客が跳ね出す。
序盤のハイライトは、LEDスクリーンとプロジェクションマッピングを駆使したミュージックビデオが話題になった「虚無の声」だった。この曲ではMVを監督した田中英和(A+plus)が3人の生演奏に合わせてVJ的な映像演出を実施。結成30年を迎えるベテランでありながら、新たな挑戦を続けていることを実感させられる場面となった。
デビューアルバム「人間失格」からの「あやかしの鼓」でおどろおどろしい空気を作ったあとは、和嶋によるテルミン演奏やボウイング奏法が印象的な「宇宙のシンフォニー」や、疾走感あふれる「太陽がいっぱい」を披露。「異端者の悲しみ」と「芳一受難」では再び映像演出とコラボレートし、各曲の物語にさらなる彩りを加えていた。ナカジマがドラムを叩きながらノリノリで歌う「悪夢の添乗員」からライブは終盤に突入。「地獄の球宴」で鈴木が豪快に吠え、「天国に結ぶ恋」で和嶋が妖しい語り部となる。本編の最後は「針の山」でZepp DiverCity TOKYOを揺らした。
アンコールで再びステージに姿を現した人間椅子の3人は、まず「新調きゅらきゅきゅ節」で観衆の一体感を作り出し、威圧感たっぷりに「地獄のヘビーライダー」を演奏。さらにダブルアンコールに応えて最後に「なまはげ」で会場をヒートアップさせた。
なお、この日の公演で彼らは今後の展開を発表している。まずは2018年1月22日に東京・TSUTAYA O-WESTにて、DOOMを迎えて「人間椅子提供 地獄の感謝祭 第一弾」を開催。この企画はその後も定期的に行われ、さまざまな対バン相手の出演が予定されている。そして2018年4月から新たな全国ツアーが開催されることも決定。このスケジュールは後日発表される。
人間椅子「異次元からの咆哮~リリース記念ワンマンツアー~」2017年11月19日 Zepp DiverCity TOKYO セットリスト
01. 超自然現象
02. 膿物語
03. 虚無の声
04. あやかしの鼓
05. 宇宙のシンフォニー
06. 太陽がいっぱい
07. 異端者の悲しみ
08. 芳一受難
09. 悪魔祈祷書(※祷は示へんに壽)
10. 月夜の鬼踊り
11. 相剋の家
12. 悪夢の添乗員
13. 地獄の球宴
14. 天国に結ぶ恋
15. 針の山
<アンコール>
16. 新調きゅらきゅきゅ節
17. 地獄のヘビーライダー
<ダブルアンコール>
18. なまはげ
関連商品
リンク
- 人間椅子オフィシャルサイト
※記事公開から5年以上経過しているため、セキュリティ考慮の上、リンクをオフにしています。
歌謡ロックbot @kayourock
人間椅子が過去最大の会場・Zepp DCで見せた新境地 #人間椅子 https://t.co/Y2gloDyMYL